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第三小節 - 嘘

 さて、森の中を歩き始めたのは良い。しかしここがどこか分からないことが問題だ。


「どっちが不変の霊樹なんだ?」

「こっちですね」

「なんで分かるんだよ…」

「ペザンテ山を見れば方角は分かるわよ?」


 そう言われて山を見る。アルマの中央に(そびえ)え立つ巨大な山。頂上はここからではよく見えないが建物がある。あれが中央神殿なのだろう。


「山を頼りに、か」

「アルマは海上を常に動いているのだから目印はそれくらいしかないわね!」


 なるほど確かに。双子星や日が昇る向きが日々異なっているのはそのせいかと納得する。

 先導するアニマに着いて歩いていくと次第に藪は浅くなっていった。段々と草の高さも落ち着いていく。


「あら?」


 歩いていると突然、マルカートが声を出した。


「どうしたんです?」

「あそこ、見て」


 マルカートの指差す先には細い道のようなものがある。


「出られたのか?」

「かもしれませんね。少し見てきます」


 そう言ってアニマはその小道へと歩いていき、そして確認が取れたようでこちらに手招きをする。


「街道や参道とは違いますが確かに道になっています。右手の方が聖域へのルートなので、もしかしたら繋がっているかもしれません」

「じゃあここを進めばたどり着けそうだな」

「ですね。行きましょうか」


 改めてその道を歩き始める。藪の中に比べると全然ましだ。とても歩きやすい。


「あれなんですかね?」


 今度はアニマから声が上がる。次は何を発見したのか?


「…何かあるわね」

「ん?…本当だ、なんだあれ」

「石碑でしょうか…?」


 三人でその石へ駆け寄る。そこには文字が刻まれていた。しかし全く読むことができない。


「なんて書いてあるんだ?これ」

「掠れていますが…

"同胞達…悼み私は……に誓う …の意思……れ……を……ぐ

必ず……すその時まで 安らかに…り……え"

でしょうか?それより後は読めないですね」

「内容と場所的に巫への弔いかしら…」

「かもしれないな。生き残った巫の誰かがここに建てたんだろう」


 内容は余り分からなかったが同胞、悼む、これだけでも推察できる。あの話を知っている者なら。


「やはりあれは事実であったと思って良いかもしれないですね」

「疑ってたのか?」

「精霊に過去を見せる力があるなんて聞いたことないです。作られた記憶では?と半信半疑でした」

「エヒトはなんでもかんでも信じすぎよ!今朝の盗賊達もただ巡礼している一般人だと思っていたでしょ」


 マルカートにジロリと見られ言葉に詰まる。その意見は的を射ている。


「ご、ごめん。そうだな、もう少し慎重になるよ」

「頼むわよ」

「さ、行きますよ」


 改めて道を歩き始める。日も完全に落ち辺りは双子星の明かりでしか見えない。早く聖域に辿り着いて休みたいところだが…そううまくはいかないものだ。

 突如左の森の中から魔物が現れる。


「うげ、面倒くさいのに見つかったわね」


 マルカートが嫌そうな顔をした直後、猪のような見た目の魔物は雄叫びを上げて突進してくる。


「とにかく全員気を付けて、強いわよ!突進を食らわないこと!」

「了解!」


 足に魔力を纏い初撃を躱す。魔物は勢いを殺さず旋回し、そのままこちらへと再度向かってきた。


「避けてばかりじゃ勝てないな!」

「エヒト!?やめ…」


 右手に魔力を纏い魔物の頭に思いっきりぶつける。一瞬互いの時が止まったかのように動きが消える。

 しかし直後俺は空を見上げていた。弾き飛ばされた。


「貴方バカじゃないかしら!」


 遠くからマルカートの非難の声が聞こえてくる。想像以上に強い相手だったようだ。

 右手の感覚が失われている。動かそうと意識してもピクリともしない。


「地を這う流水、凄絶なる大地の猛り。秘めたる宿怨を示し応えよ!クアッジマイロウ!」


 マルカートが詠唱を終えると途端に魔物の足音が消える。俺の位置からは視認できないが動きを止める魔法だろうか。


「使いなさい!」


 駆け寄ってきたマルカートは素早く治癒石を渡してくれた。右手は使い物にならないため左手に握り魔力を流す。徐々に体の感覚が戻っていき、同時に痛みが襲ってくる。少し治したところで痛みが戻ったということはとんでもない怪我を負っているようだ。

 少し離れたところから戦闘の音が聞こえる。早く戦線に戻らなくてはいけない。なぜあんな馬鹿なことを、なぜ勝手に突っ走った。先ほどの行いを悔いてしまう。

 腕が、体が、頭が痛い、悔しい、二人に


---

 

『迷惑をかけてしまった、なんて考えているのか?』

『変でしょうか?』

『良いか?修行をつけている身とはいえ俺とお前は仲間だ。仲間とは一心同体。共に支え合うものだ。エヒトが怪我をすれば心配するし全力で治療しよう。悩んでいれば話を聞こう。だから迷惑をかけたなどと考えるな。師である前に私はお前の仲間なのだから』

『仲間…』

『そもそもだ。お前の思う迷惑程度私にはなんの影響もない。後ろは気にするな、任せておけ』

『分かりました』

『よし。再戦だ。力と力をぶつけるな。力に対抗するのは力ではない』

『ではどうすれば良いんですか?』

『流して使え。相手の力をそのまま利用しろ。ヒントは風属性の魔力だ』

『…やってみます』


---


 頭が痛む。奥の方から何かを引きずり出される感覚だ。気持ちが悪いその感覚に耐えながら俺はゆらりと立ち上がった。


「エヒト!?まだ休んでないと!」


 マルカートの声が遥か遠くに聞こえ、冴えていく頭の中に景色が見える。まるで天から見下ろしているような、そんな感覚に襲われる。


「エヒトさん!避けて!!」


 敵はアニマとマルカートを振り払いこちらへ突進してきた。深傷を負っている俺を狙っているのだろう。

 俺を殺そうとするその突撃は勢いを増している。俺はそれを今度は受け止めないし力で相殺もしない。

 手を胸の前に上下で構えその中に魔力を溜めていく。

 音が聞こえる。込めた魔力は風の膜のように上下の手の平の中で吹き荒れ、ごうごうと風の音を響かせる。

 魔物はもう目の前だ。俺は重い体を捻りその突進に合わせて手を大きく開いた。

 時間が緩やかに流れていく。上下の腕を魔物の動きに合わせるように沿わせ、その中を通り抜けるよう腕を回転させる。


風纏(ふうてん)絲斬(しざん)(けい)


 風の膜を通り抜ける魔物の体は徐々に細切れになり裂けていく。長いようで短いその時間、魔物は風の刃に刻まれていった。

 完全に腕の中を通過した後に残っているのは魔物の血と風の刃に刻まれた肉片。

 咄嗟に体が動いた、思い出した技が放てている。これは風属性の魔力。体の中を懐かしい感覚が巡るのが分かる。断崖の喉笛で使っていた付け焼き刃のものではない。

 俺はそのまま前のめりに倒れ込む。が、それをアニマが受け止めてくれた。


「また随分無茶をしましたね」

「ローウルフリーダーの時以来か…」

「怪我が酷いです。今は少し休んでください」

「ありがとう…おやすみ…」


 俺は意識を手放したのだった。


---

Side マルカート


 なんなのよあれは…私の頭が見た光景を処理しきれずにパニックを起こす。

 エヒトはまさに瀕死の状態だったと言って差し支えない。そもそもバントクルングの突進を真っ正面から受け吹っ飛んだのだ。それは言い表せないとんでもない衝撃。それで生きていた事でさえ理解し難いのに、突然立ち上がったかと思えば魔法を詠唱なしに発動して見せた。

 あんな力業の魔法は見たことがない。無いけどあれは間違いなく魔法だった。

 倒れ込むエヒトをアニマが受け止めたところでハッとなる。そして二人に駆け寄った。


「エヒトは!?」

「眠りました。これだけの怪我です。生きていることが不思議なくらいに」

「バントクルングの突撃を真正面で受けたのよ!?なんで立てるのよ!」

「私にも分かりません。どんな体の鍛え方をすれば人の身であれを受けて立てましょうか」

「ああもう!私が聞きたいわよ!それにあの魔法は何!?」

「…やはりあれは魔法ですよね」

「そうよ!」

「エヒトさんは魔法が使えないです」


 アニマは私の目を真っ直ぐ見てそう言った。天秤を使うまでもない、これは嘘じゃない。


「起きて本人に確認するしかないです」

「散々私たちに秘密を打ち明けさせて、本人が一番ワケわからないじゃない…」

「同感です」


 溜め息を吐いた私に苦笑いを浮かべアニマは膝の上のエヒトを撫でる。


「大怪我して心配かけといて良い顔で眠って!腹立たしいわね!」


 エヒトのおでこを指で弾く。一瞬曇った顔をしてまた元に戻った。それがなんだか可笑しくてアニマと二人で笑い合う。


「とりあえず治癒石は効いていますし少し休みましょう。アートマーを出て少し話し込んだ時くらいしか体を休められていません」

「そうね、一日中動きっぱなしで疲れたわ」


 アニマの隣に座る。するとアニマは自分の右の肩をトントンと叩いた。


「どうぞ?」

「…私の方がお姉ちゃんなのよ?」


 そう言いながらアニマの肩に頭を乗せ、エヒトの愚痴を語り合うのだった。


---


 目が覚める。辺りは虫の小さな鳴き声が聞こえそよ風が気持ちいい。頭上には双子星…ではなくアニマ。


「起きました?」

「あ、ごめんアニマ。また迷惑かけたみたいで」


 あの時と同じように俺は急いで起き上がる。が。


「いててて…」

「いきなり動くからよ!治癒石はもう効果を失ったから、また買うか治癒魔師に作り直してもらわないとだめね」

「そうか…ルカにも面倒かけてごめん。ありがとう」

「気にしなくて良いわ!」

「どうですか?立てそうですか?」

「ああ、大丈夫だ。少し頭が痛むだけだから」

「無理はしちゃだめよ?親方も鬼じゃないのだから、待っていてくれるはずだし。それにこの分なら間に合うわ」

「そうだな。でも急がないと聖域に騎士がまた集まるかもしれない。二人が行けるなら行こう」

「私は大丈夫ですよ」

「私も行けるわ!」


 アニマは立ち上がり屈伸をする。足が痺れていたようだ。


「それじゃ行きましょうか!聖域は近いはずよ!」


 マルカートの言葉で俺たちはまた歩き始める。


 そうして細い道を歩くことしばらく、マルカートが話を投げ掛けてくる。


「そういえばエヒト、あなた魔法が使えるの?」

「魔法?使えないだろ」

「いいえ!あなたはさっき魔法を使ってバントクルングを倒していたわ!」

「バントクルング…?ああ、あの猪みたいなやつか?」

「そうよ!風魔法を使っていたじゃない」

「あれは魔法じゃないよ」

「「え?」」


 アニマとマルカートの声が重なる。


「ではあれはなんですか?」

「うーん…よく分からないな」

「分からないって…」

「思い出した記憶の中で使ってたんだ。師匠に教わった技ではあるけど、そもそも詠唱もしてないだろ?」

「だから訪ねてるんですが…」

「恐らく纏魔力の応用だと思うんだよな。風属性を纏う感じだから」

「その属性を纏うって魔法無しでできるのかしら?当たり前のように言ってるけど」

「概念まで説明するのは俺には無理だ。思い出せれば何か分かるかもしれないけど」

「…ひとまず今回も保留ですかね」

「もう!私たちの秘密は全部打ち明けたのになんだか悔しいわね!」

「まぁまぁ」

「貴方に宥められたくないわね!」


 マルカートはずんずんと前へ進んでいく。彼女は支援魔師としての立ち回りが主体だが攻撃魔法も使う。俺の使った魔法のようなものがどんなものか、好奇心の強い彼女には気になって仕方がないのだろう。


「思い出したらちゃんと教えてくださいね?」

「ああ。もし二人も扱えるなら心強いことこの上ないしな」


 話も一段落し森の中の小道を歩くことしばらく。遂に目的地が目に入る。


「やっと見えたわね、聖域の入り口」

「騎士はいなさそうだな」

「警戒しているとすれば街道側でしょうし、それこそアジト跡はどうなっているか分かりませんよ」

「とにかく今のうちに急ぐわよ」


 そして俺たちは駆け出した。

 聖域の入り口、光のカーテンへはすぐに着いた。マルカートを先に潜らせて俺とアニマもそれに続く。そして聖域の本所、不変の霊樹へと一気に駆ける。

 静かな夜、聴魔力を使用しているが人の声やそれらしい物音は聞こえてこない。アニマの見立て通り聖域は手薄だ。

 駆けることしばらく、不変の霊樹が見えてくる。俺たちは足を止めず、昼間ネルが立っていた石台を目指す。


「エヒトさん、水神の鏡心の用意を」

「ああ、できてる」


 俺は左耳に着けていたイヤリングを外し手に握る。そしてそのまま石台の上へ立ち、これまで同様高く掲げ目を閉じた。

 少しずつ右手に魔力が集まってくるのを感じる。徐々に木々のざわめきが大きくなっていく。それに応えるように目を開いた。

 右手からは黄金色に輝く光が漏れ、それは足元の石台へと水のように溢れる。そしてまた右手を意識して魔力を取り込む。


「聖域、不変の霊樹もこれで大丈夫だな」

「そうですね。急いでアモールへ戻りましょう」


 俺は石台から降りて立ち去ろうとした、その時。


「…誰?」


 不意に後ろから声が聞こえてきた。


「誰かいるの…?」


 体が固まる。早鐘を打つ心臓は息を荒れさせ頭の中は真っ白に染まる。固まった体を捻るように、俺はゆっくりと後ろを振り返った。


 ネル。


「エヒトさん…」

「…ネル、迎えにきた…やっと、やっと会えた…ずっと言いたかったんだ、あの日お前に…」

「あなた達は誰?」


 胸が一気に締め付けられる。あの日お前に返事ができなくて、支えてやれなくてごめん、一緒に帰ろうと。そう伝えようとした口は次の言葉を続けられず、そして足も口と同じように動かなくなる。


「そんな、そんなことって…!」

「ネル様も、記憶を…」


 ネルはそれには返事をせず目を伏せて呟く。

 

「私を連れ去りに来たの?今すぐ騎士を呼ぶから、大人しく…」


 その言葉を聞いて俺は一気に駆け出した。受け入れたくない現実。俺がそうであったようにネルもそうである可能性が無いわけではない。だがあまりにも残酷なその現実は、今の俺が受け入れるのは不可能だった。

 

 ネルも記憶を失っている


 アニマとマルカートは俺の後ろを着いてきている。騎士を呼ばれたら俺たちはどうしようもない。いや、それも言い訳だ。現実から目を背けたくて俺は振り返ること無く走り続けた。

 やがて聖域の入り口、光のカーテンが目に入る。俺はマルカートの事も忘れそのまま外へ飛び出し足を止めた。渇いた笑いが涙と共に出てくる。それは止まらない。


「ははは…まぁあり得なくはないよな。俺だって記憶を失ってるんだから、だからネルも…」

「はぁ、はぁ…エヒト、早いわよ…」

「ネルが俺の事を忘れても仕方ないよな。駄目な兄ちゃんのことなんて、もう忘れてしまって…」

「何を言っているの…?」

「もう、良いんだよ。俺にはネルを助けることも支えになることもできない…もう疲れた、諦めて…」

「エヒトさん!」


 アニマに肩を掴まれる。


「本気で言っていますか!?そんな言葉、嘘ですよね!?」

「…」

「貴方が救わなければ、ネル様はアルマの歯車にされて一生を終えてしまうんですよ!?忘れたのですか!?」

「だったら!!」


 俺の声が夜の暗闇へ溶けていく。


「だったらどうしたら良いんだよ…俺はネルをただ迎えに来たんだ。始まりはそれだけだった。いつの間にかアクラルネだとか巫だとかアルマの未来だとか、なんで俺たち兄妹がこんなことに巻き込まれないといけないんだ…」

「それが貴方の運命だからよ、エヒト」

「運命だって…?こんな残酷な事がか!?」

「そうよ。貴方がエーデル聖家に生まれた事もアルマに来てしまったことも、全て運命よ。それとも何?不幸ね、可哀想ね、頑張ったわね、もうネル様は諦めて私たちと面白おかしく暮らしましょう?とでも言えば満足?」

「ルカ、お前っ…」

「貴方は何のために生きているのかしら!」

「…っ」

「何を成すために生きているの?少なくとも私には目的も目標もあるわ」

「俺は…」

「なぜ一度の挫折で諦めるの?私は何度も何度も何度も何度も。盗賊に潜入してはアニマの手懸かり一つ掴めず、何度だって挫折したわ。それでも諦めなかった。なぜか分かる?」

「…」

「私の信念が、心が、体が叫ぶからよ。諦めるなと。成すべき事を見失わない、それだけ私は私のすることに誇りを持っているわ」

「ルカ…」

「アニマ、貴方も言ってやりなさい。エヒトはこんなに甘ったれた男だったの?とんだ見込み違いよ」

「…エヒトさん。芯に理解が及ばずとも辛いのは分かります。ですが一つ言わせてください。自棄になるには早すぎます」

「でも…」

「でもじゃない!エヒトさんは記憶を全てでは無いにしろ取り戻しているじゃないですか!いずれは全てを思い出すでしょうし、それはネル様にも当てはまると、なぜそのように考えないのですか」

「…」

「本当は私たちだってこんな、責めるようなことを言いたくありません。でも貴方が遂げたい目標を知り、それを支え手伝うために私たちはここまで来ています。あなたは一人ですか?」


"お前は仲間だ。仲間とは一心同体。共に支え合うものだ"


 師の言葉が頭の中に反芻される。俺はいつからこんなに弱くなってしまったのか。体の事や技能のことじゃない。心が弱くなったのはいつからか。

 二人は真っ直ぐに俺を見て俺を助けてくれている。二人に恩を返したい、その助力に感謝したいと、そう思ったことは何度もある。それなのに今はこの体たらくだ。

 頭を振り深く呼吸をする。


「ごめん…冷静にならないといけないな…」

「エヒトは今精神的に不安定になってるわ!心を休める時間は大切よ?アルマに来て足を止めることは無かったんじゃないかしら?」

「…そうだな。ここまで止まること無く突っ走ってきた」

「休みましょう。色々なことが起き、たくさんの事を知り、エヒトさんの頭の中も心の中もぐちゃぐちゃになっているんです。一度、立ち止まりましょう」


 ネルを救うためには時間が惜しい。だがこのまま走り続ければ俺は折れてしまうかもしれない。

 そうなる前に、一度立ち止まらなくてはいけない。二人に言われたからじゃない。俺がしたいと、叶えたいと願う目標を再認識するために。

 双子星が照らす森の中。俺たちは一言も交わすこと無く街へ向けて歩き始めるのだった。

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