表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元聖女のざまあヒロイン、強制力から逃亡しスローライフをおくりたい!  作者: 翠川稜
2部かもしれない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/129

第4話 メルツちゃん、ジャック君の武器を作ってあげたかったらしい。


「メルツ、ジャック君のおうちのダンジョン楽しかったの。でも、ジャック君の武器がちっちゃい斧だったから、メルツ、ジャック君の武器、作ろうって思ったの」


 なんでも、ジャック君は農具のヨキを武器に、おうちにできた小さなダンジョンに潜っているらしい。

 その様子を見たメルツちゃん。「メルツ、武器、つくれるからね! ジャック君の武器つくってあげよ!」っていう思いに至ったらしい。

 この間、お風呂から上がった時に、なんだかメルツちゃん考え込んでるな~とは思ってたけど、そんなことを考えていたのね。

 ジャック君が武器にしてる農具――ヨキは、ジャック君がおうちのお手伝いをしてる時に、お爺さんからもらったものらしい。

 ジャック君のお爺さんはジャック君のおうちにできたダンジョンに落ちて亡くなったから、形見みたいなものなんだろうな。

 メルツちゃんのことだから、そういうのは大事にした方がいいと思ったに違いない。

 優しいなあ~メルツちゃん。


「だって、おじいちゃんが、ジャック君にくれた農具だから、お仕事で大事に使った方がいいかなって」

「そうだったの、ぼく、メルツちゃんがダンジョン怖くなっちゃったかなって思って……」

「ちがうよ! すっごく、すっごく楽しかったよ! ないしょでつくってプレゼントしようと思ってたんだけど……」

「そこにぼくがきちゃったわけだね」

「うん。でも、メルツのおうちにあそびにきてくれて嬉しい! 今日はハンザおじいちゃんもランスおじいちゃんも、そのおともだちのおじいちゃんも、ルイスせんせーのパーティーの人も、いっぱいいっぱいきてくれて、バーベキューの日なの、ジャック君も食べて!」


 なにこの可愛い会話……。ほっこりするわあ。

 ほっこりするんだけどね。

 さっきこっそり鑑定させてもらったジャック君のスペックよ。

 他の人には口外しないけどさあ。


 名前ジャック 年齢5 人族

 魔法属性 土、無

 土魔法LV30 無属性魔法40

 スキル

 テイマーLV50 

 称号

 時空神の祝福を受けし愛し子



 5歳でこのスペックよ……。これまだ成長するよね?

 怖いんだけど。

 わたしがこのサザランディア大陸に来た時のスペックは、へっぽこだったわよ。

 サザランディア大陸生まれの転生者は違うってこと?

 この大陸なんなのさ。

 住みやすいけどね、とくにこのサンクレルとメルクーア大迷宮都市。


 バーベキューでわいわいやるから、ママちゃん親子にもお肉をあげないと。

 ママちゃん親子は味なしお肉の方がいいのよね。

 すると、ジャック君と一緒にきてくれたワンちゃん、多分メルツちゃんのお話だとお名前はボスっていうマウンテンバーニーみたいなワンちゃんもとてとてついてくる。

 おいでおいで。君もお客さん。うちのママちゃん親子と仲良くしてね。

 味なしお肉をワンちゃん用のお皿に用意すると、ママちゃんはベビちゃん達をじっと見てる。まるで「お行儀よくするのよ」といってるように。

 ママちゃん、お客さん(ボス君)がいるからベビちゃん達に教えてるみたい。

 可愛い。


「どうぞ、召し上がれ」


 わたしがそういうと、ママちゃんベビちゃんボス君が嬉しそうにお肉を食べ始めた。

 バーベキュー会場に視線を向けると、ドワーフのご隠居様達に囲まれたメルツちゃんとジャック君が見える。


「それでメルツが武器を作りたいと」

「そうなの、だっておじいちゃんのかたみだよ? ダンジョンでこわれたら、悲しいよ」

「そうだのう」

「ジャック坊はヨキを使ってたのか」

「はい」

 ジャック君が素直にこくりと頷く。

 その様子を見てご隠居様が口々に言う。


「じゃあ斧か」

「斧だな」

「鎌でもいいんじゃねえか?」

「この年頃だと剣とかいいそうなのになあ」

「剣はどうなんだ?」


「いつも使う農具の方が、手に馴染むから……うちのダンジョンは虫系のモンスターが多くて、レベルもそんなに高くないです。だいたい接近戦で倒してました。メルツちゃんがこの間、遊びにきてくれて、弓で後方からの攻撃ですごく楽でした」


 はきはき答えてる。

 6歳にしてはやっぱり、しっかりしてるよね。

 うちのメルツちゃんもしっかりしてるんだけど。


「ヨキは女子供でも取り廻せる農具だからなあ」

「でも大事な形見ならダンジョン攻略には不向きだろ」


 この発言はギブソンさんとシュルツさん。


「柄が長いのはどうだ?」

「ジャック君の身長に合わせてさあ、背が伸びたらその都度柄の長さを替えて」

「本人きてるなら、確認できるんじゃね? ていうか~ルイス、あ、いたいた何してたんだ」


 ルイスさんがおうちから一冊のカタログを持ってきてる。


「この間、初心者用にうちのクランで取り扱うカタログをね」


 ルイスさんが翳したカタログをシュルツさんが手に取って、ジャック君に見えるようにしゃがみこんでペラペラとページをめくる。


「俺達こういうのもう見ないもんな~」

「そうじゃろうな」

「メルツが作る武器かあ~久々じゃの~」

「ジャック坊よ、期待していいぞ。メルツはすごいからの」


 そりゃすごいよ。

 うちのメルツちゃんは。

 だって、メルクーア大迷宮攻略パーティーの武器を作るんだもの。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ