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元聖女のざまあヒロイン、強制力から逃亡しスローライフをおくりたい!  作者: 翠川稜
2部かもしれない

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第2話 超美味しいミルクをはじめ、お土産たくさんいただいた。



 メルツちゃん、お友達のおうちのダンジョンにおでかけしている間、わたしはお留守番です。

 ルイスさん忙しいはずなのに付き添って行ってしまった。……ああいう出来る人って、時間の使い方が上手いのかもしれないね。

 一応安全のために例の最終防御アンダーシャツを子供サイズで作って、メルツちゃんに着せておいたわよ。小さくてもダンジョンだから、何かあると怖いでしょ。

 あと、この最終防御アンダーシャツを何着か作って、訪問先の手土産にしたの。それと交通安全のアミュレットね。メルツちゃんに、「およばれしたから、お礼なのよ。お友達に渡してね」って伝えておいたわ。

 だって、5歳の子がダンジョンに潜ってるっていうし、ヴァイデドルフだっけ? そこからサンクレル第三初級学校まで通ってるっていうじゃない?

 他人事ながら心配で。

 ご家族の方も絶対心配してると思うし。

 あと、メルツちゃん……きっとピクニック気分だろうから、お弁当なんかも持たせてしまった。

 ちょっと多めにおにぎり作ったのよね。

 あ~心配~。

 ルイスさんがいうには「アリスが行くより、僕が行ったほうがいいでしょ」って言うし……。

 そりゃメルクーア大迷宮踏破者だから、ダンジョンに関してはルイスさんにお任せした方が万事問題ないんだけど。


 そんなわけで、いつものように家事をしたり、商業ギルド依頼のアイテムバッグのミニ巾着を作ったり、同じく商業ギルド経由で受けたどこかの制服作ったり、アミュレット作成したりしてました。

 最初一人でお留守番でボッチ……っていうところが寂しい感じもしましたが、お仕事してると集中できたよ。

 しかし暑いわあ。

 じめっとした湿度はないからまだ救われるんだけどさ。


「ただいまでーす!」

「ただいま」


 おお、元気いっぱいのメルツちゃん帰宅。

 お父さんもとい、ルイスさんも帰宅。


「おかえりなさーい。お風呂どうぞ~」

「メルツちゃん、入ってきなさい」

「はーい、あ、でも、てあらいうがいなの!」


 えらい!

 そしてそれをルイスさんにも勧めるメルツちゃん。

 それにしても、明日の洗濯がドキドキよ、汚れていたらつけ置き洗いするかあ。

 メルツちゃんの声はうきうきご機嫌トーンだからきっと楽しかったんだろうとは思うけど。

 ルイスさんに冷えたアイスティーを淹れて、カウンターに出すと、ルイスさんは「ありがとう」ってそれを受け取る。


「どうでした? ダンジョン」


 わたしが尋ねると、ルイスさんはアイスティーに視線を落としたまま眉間に皺が寄っていく。

 なんだろ? やっぱりうちの娘にちょっかい出しやがってゴルァ的なやつですか?

 けど、なーんか、そんな雰囲気ではなさそう?

 カウンター越しにわたしは小首をかしげて、ルイスさんの顔を覗き込むと、ルイスさんははっとしたようにわたしに視線を向ける。


「あ、アリス、なんかいろいろもらってきたよ」

「ええ~?」


 ルイスさんはアイテムバッグからひょいひょいといろんなものをカウンターに並べる。

 主に食料品。

 ミルク、チーズ、ヨーグルトとか、ハム、ベーコン、ソーセージとかいろいろ。

 ええ~ちょっと嬉しい~。

 モンスターの食肉もイリーナさんからのおすすめとかで購入してるけど、畜産加工肉は、やっぱりサンクレルまで行かないと入手できないのよ。

 さすが行った先がこの二都市間の食を担うヴァイデドルフ。

 サンクレルが海産系ならばヴァイデドルフは畜産系なのね~。

 あと小麦、大麦等々、穀物も大規模で展開してるとか。サンクレルとメルクーア大迷宮都市の食を支えるは伊達じゃないってことか。

 ルイスさんがいうには、アンダーシャツやアミュレットを渡したらめちゃくちゃ感謝されたとか。だからこれはお礼というかそういう意味合いも含まれているらしい。

 こういう乳製品や食肉の加工品とかは、サンクレルに行ってまとめ買いするからこれは嬉しい~かえってお気遣いしてもらって……恐縮よ。


「そのミルク、今サンクレルで大人気の『プレミアムミルク』らしいよ」


 お高そうな品名ではないですか。ルイスさん曰く実際高いんだって。

 なんでも、ここ最近。サンクレルの市場でも高値で売り出されてるミルクで、あんまり美味しいので、容器に時間停止効果がついてるって話よ。


「でもこんなに戴いていいのかしら?」

「僕もそう言ったんだけど、あのアンダーシャツとアミュレットがね……ご家族の方からめちゃくちゃ大感謝されて」

「そうよね、小さい子がダンジョンに潜るなんて、親は心配でしょ」

「いや……親はいないみたい」

「え?」

「お婆さんと、お兄さんとお姉さん達がジャック君を養育してるみたいで」

「あら」


 サザランディア大陸はダンジョン大陸だから、ジャック君みたいにご両親が冒険者でダンジョンで亡くなるってこともあるらしくて、だいたいそういう子は冒険者ギルド関連の養護施設で養育されるらしいんだけど、どうも、牧場主の老夫婦がそういう子を善意で養育していたようで、ジャック君はその一人らしい。

 お兄さんお姉さんも牧場主の老夫婦に育てられたとか。

 みんな血はつながってないけど、老夫婦の養い子だから兄弟なんだって。でもジャック君は他の兄弟よりも年齢が離れているみたい。一番幼いからみんなが可愛がってるとか。

 なんでも放牧地の端にダンジョンができて、そこにジャック君とお爺さんが落ちてしまって、ジャック君は記憶を、お爺さんは命を落としてしまったとか……。

 ちょっと祈っとこ。

 記憶を失ってからのジャック君がちょっと普通じゃないっていうか、知能も魔力もめちゃくちゃ上昇して、あとダンジョンに潜るようになっちゃったから、心配した家族がジャック君に学校を勧めたんだとか。

 なかなかハードなバックボーンをお持ちね。うちのメルツちゃんもかなりハードなサバイバーだったけどさ。

 だから短時間のうちに意気投合したのか……。


「ジャック君って、どういう子だった?」

「メルツちゃんのお友達……突っ込みたいところは多々あるけど……」


 突っ込みたいところ?

 どういうことよ?


「まず一番最初、彼に会って、気になって鑑定したんだよね」


 あら、まあ、偽パパとはいえ、やはりパパ「うちの娘に近づく奴は~」とかそういう感じ?


「その子『時空神の祝福を受けし愛し子』って称号があった」


 ……え?

 それって何?

 なんか聞き覚えのあるワードが含まれる称号じゃん……。




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