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元聖女のざまあヒロイン、強制力から逃亡しスローライフをおくりたい!  作者: 翠川稜
2部かもしれない

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第1話 メルツちゃんおともだちができたみたい。



 みなさん、おひさしぶりです。アリスです。

 悪役令嬢が主役の恋愛系の乙女ゲームや漫画や小説のヒロイン(ヘイト役)として転生転生また転生を繰り返してきた元聖女のざまあヒロイン、アリスです。

 そんなわたしは、恐ろしい強制力から逃亡し、このサザランディア大陸にたどり着き、どうやら強制力からうまく逃れることができたみたい。

 サザランディア大陸、サンクレルとメルクーア大迷宮都市の丁度中間地点に森があって、その森の近くの一軒家に住んでます。

 同居人はクォーターエルフのメルツちゃんと……半年前にメルクーア大迷宮を踏破したトップ冒険者パーティーのリーダーで大魔法使いのルイスさん。

 サザランディア大陸サンクレルの季節は夏を迎えようとしてます。


「トマトがさあ~最近美味しいのよ~」

「だよね! アリスおねーさんもそう思うよね? ルイスせんせーもそう思うよね?」


 メルツちゃんが、かなり前のめりでわたし達にそう言ってくる。


「そういえば、メルツちゃんが、最近トマトを植えたところに、肥料を一生懸命やってたみたいだけど……」


 ルイスさん、よく見てるなあ。


「あのね、あのね、最近、ヴァイデドルフから学校に通う子がいてね、ジャック君っていってね、牧場の子なのね、その子がね、くれたの! うちは森の家だから、サンクレルまでおかいものは大変だから、お野菜はつくれるのはじきゅうじそくなのっていったら、くれたの!」

「ヴァイデドルフ……て、どこ?」

「この森を挟んだ反対側がヴァイデドルフ。ヴァイデドルフはメルクーア大迷宮都市とサンクレルの食を一手に担う酪農エリアなんだ」


 ルイスさんの説明にへ~ってわたしは感心した。


「遠くない? そこからサンクレルの第三初級学校まで通うの」

「……寄合馬車? で学校にきてるみたいなの」

「あ~なんだっけ、ギブソンさんが主導でやってるんだっけ? 二都市間交通網整備」


 ルイスさんたち「シー・ファング」が半年前メルクーア大迷宮を踏破してから、大迷宮が起こすスタンピード阻止が確定して、この二つの都市は合併に向けていろいろ整備されているみたい。

 ダンジョンマスターになった「シー・ファング」の人たちはお偉いさんの仲間入りになって、この街をより発展させる仕事を任されてたりするのよね。

 冒険者なのにさあ。それって大変じゃない?

 ルイスさんは……そういうの得意そうだけどねえ。

 でもルイスさんがいうには、ギブソンさんが年齢的にそろそろ冒険者を引退したいって考えてて、「シー・ファング」はまあ解散じゃないけど、現在個人での活動をしてる様子です。

 それで二都市間の交通に関する問題は現在ギブソンさん担当ということ。


「ヴァイデドルフからの食糧流通は、僕達がメルクーア大迷宮を踏破する前から、わりと進んでいたから、人の流れが踏破以降ここにきて進んでいるみたいだね」

「でもけっこう距離あるじゃない? 何歳なの?」


 サンクレルの学校って年齢幅あるのよ。初級学校っていっても、年配の人もいるんだよ。だからこそ、この街の識字率が高いんだけど。


「んとね、五歳だって」

「は?」


 幼稚園児じゃん。

 わたしの「は?」にメルツちゃんは説得するように言い募る。


「ジャック君はね、文字もかけるし、よめるし、計算も早いし、魔力も多いらしくて、おうちのお兄さんとお姉さんとおばあちゃんが勧めてくれたんだって」


 まあこういう異世界なら、そういう天才もいるんだろう。


「学校の帰りに、ときどき、冒険者ギルドによって、いろんなモンスターのこととか調べてるとか言ってた。ジャック君の牧場の端っこに、小さなダンジョンができて、ジャック君は潜ってるんだって」


 ……ねえ、五歳児がダンジョン潜って大丈夫なのそれ。

 ルイスさんはメルツちゃんの話を聞いてて何か考え込んでるみたい。


「すごいよねー。大きな犬とあと、スライムと、一緒に潜ってるんだって! 小さなゴーレムを組み立ててるんだよ。そのダンジョンでドロップしたのが、畑の肥料なんだって! メルツにわけてくれたの!」

「それは……その子だけでダンジョンに潜ってるの?」

「お兄さんがB級冒険者で、ついてきてくれてるみたい」


 ですよね~あーびっくりしたー。

 いくらなんでも、五歳児と犬とスライムだけで攻略とかないわー。

 だって、ドロップするっていうからにはモンスター倒してるんでしょ?


「メルツ、ジャック君のおうちのダンジョンにいってみたーい」


 ……言うと思った。

 メルツちゃん……ここに来た時よりも遠慮がなくなったというか、安心して自己主張するというか、自分のことを話してくれてるんだなって理解できるので、メルツちゃんがやりたいことはやらせてあげたいんだけど。

 あんまり危ないことはさせたくない~……とはいえ、ここはダンジョンが生み出されるサザランディア大陸。

 メルツちゃんは幼いながらも、長い一人旅を経験してるし、うちの森で鳥やウサギを仕留めるぐらいはしてるから、弱めのモンスターも倒せるだろうけど。

 わたしがルイスさんを見ると、ルイスさんは何か考えてるみたい。

 メルツちゃんのお父さんポジションだからな~。「うちの娘に何言い寄ってんじゃゴルァ」とか内心思ってそ~。


「遊びにいっちゃだめ?」


 ええ~でもダンジョンでしょ~?

 五歳児が保護者付きで潜ってるっていうけど。


「メルツちゃんはダンジョンに入りたいの?」


 ルイスさんがそう尋ねると、メルツちゃんはうなずく。


「メルツ、おばあちゃんを訪ねて、ここに向かってた時、一度ダンジョンに入ったことがあるけど、怖かったの。でも、ジャック君のおうちのダンジョンって、なんか怖くなさそうだから……」


 サンクレルの友達のおうちに遊びに行くっていうのは、これまでメルツちゃんやらなかったんだよねえ。

 けど、サンクレルよりも遠くのヴァイデドルフかあ。

 交通網が今、発展してきてるけどさあ。


「そう……メルツちゃん、僕も行っていいかな?」

「え! ルイスせんせーもきてくれるの⁉」

「うん、どんなダンジョンなのか見てみたい……僕も一緒じゃダメかな?」

「うん! ジャック君に聞いてくるね!」


 そうしてくれると助かる~。

 それにルイスさんだったら転移魔法使ってくれるし。

 ああ~でもメルツちゃんが怪我したらどうしよ~。

 わたしが行けば何かあっても回復できるんだけどさあ。


 サンクレルでも結構アレなんだよねえ。

 いまもまだ、魅了スキルさんが相変わらず仕事しちゃうんだよねえ。



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