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元聖女のざまあヒロイン、強制力から逃亡しスローライフをおくりたい!  作者: 翠川稜
 

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第79話 サンクレルの街の楽しみ方



 久々のお外ごはんを堪能したわたしたちは森の家に、翌日から普通の日常が戻ってきた。

 戻ってきた時に一番心配したのはうちのわんわんズ。

 元気だった。

 ママちゃんは狩りをして自分で自給自足できる子だったのが大きい。

 ただお外にずっといたから、戻ってきたらママちゃんもベビ犬ちゃんもシャンプーよ。

 あったかい店舗スペースでお気に入りのラグの上に寝そべったママちゃんベビちゃん達をルイスさんが魔法で乾かしてくれた。


「そういえば、アリスはサンクレルの温泉街に行ったことある?」

「え!? サンクレルに温泉街!? 初耳ですが!!」


 ルイスさんが言うには、サンクレルとメルクーア大迷宮都市には温泉街があるんだそうな。

 メルクーア大迷宮みたいな大きなダンジョンがある周辺には温泉が湧きやすいらしいのよ。


「クランハウス住まいの時はよく行ってたんだ」

「おんせんってなーに?」

「お湯が湧き出てお風呂がいっぱいあるところ」


 メルツちゃんの質問にルイスさんが答える。


「はっ! メルツもしかして、おんせんはいったことあるかも!」

「え? 学校で見学とか行ったの?」

「ちがうの、えっと、このもりのおうちにくるまで、とちゅうで、入った!」


 うーん、ダンジョン……やっぱり火山みたいだなー。

 メルツちゃんの長旅の道中でもそういうところがあったのかー。


「でも、おうちのおふろみたいに、いいにおいしなかった」


 そうね、いいにおいどころか、もしかしたら硫黄臭するかもしれないしね。


「でも、アリスおねーさんの魔法と同じ回復効果ある」


 え、そうなんだ。湯治とかほんとにできそうよね。美肌の湯とかあるのかなー。あったらいいなー。


「みんなで行かない? 日帰り湯」


 ルイスさんの言葉にメルツちゃんが、喜んじゃって、ママ犬ちゃんを乾かしてるルイスさんの背におんぶするようにのっかる。


「いきたーい!」


 ルイスさん……まじでお父さん、一か月大仕事の為にメルクーア大迷宮に出張してて、出張終わって娘に家族サービス提供する図だよ。

 ちなみに、ルイスさん達『シー・ファング』及び所属クランは、行政部との密な連絡をとることになってて、ルイスさんはサンクレルのクランハウスにしばらく顔をださなければならないそうだ。クラン業務内勤みたいな?

 メルツちゃんと一緒に、毎朝サンクレル通いか。


 とはいえ、今は大迷宮踏破で二つの街はしばらくお祭り騒ぎが続くんだけどね。

 そのお祭り期間の間に、ルイスさんがサンクレルの遊興施設を案内してくれることになったのだ。

 その手はじめが温泉施設の案内なのよ。

 パレード当日は各店舗閉店してたけど、パレード終了の翌日には、これだけ人がいるんだからと、商魂逞しいサンクレルの商人ギルド所属の人や大店はさっそく営業を開始してる。

 まだまだ祭りでにぎやかなところ、わたしたちはハンザさんのところに、無事に戻りましたのご挨拶。


「無事じゃったか……まあ、うん、ルイスが向かったならまあそうだよな」


 ルイスさんが動くというだけで、なんだろうハンザさんのわたしの無事は想定内でしたよ、みたいな反応は。まあそりゃわかるけど。


「ルイスよ、ほどほどにしたんだろうな?」

「ちゃんとサンクレルの警備隊に引き渡しましたよ」

「相手はどこかの国のお偉方なんじゃろう? モンスターとは違うんじゃよ?」

「あんまり変わらないと思いますけど、そう心配されるだろうから、抑えましたよ?」


 ルイスさんが答えると、ハンザさんはなんか諦観したように「うん、まあ、そうだの」とごにょごにょと口を濁す。

 そんなハンザさんにメルツちゃんは無邪気に声をかける。


「ハンザおじーちゃん、メルツね、これからね、ルイスせんせーと、アリスおねーちゃんと、おでかけなの!」

「そうかそうか」

「おんせんにはいってくるね! ひがえりなの!」

「ハンザさん、近々『シー・ファング』の生還おめでとうバーベキュー、また森の家でやりますので、ほかのドワーフのお爺様達にもお知らせしてくださいね!」

 わたしがそういうと、ハンザさんはうんうんと頷く。

「じゃあ行こうか」

 ルイスさんがそう促すのでハンザさんに手を振って別れた。

 ちょうど、武器作製のランスさんがハンザさんに手を振って近づいてくるのが見えた。


「――アリスの嬢ちゃんが、メルツとルイスを親子親子と冗談めかしてよく言ってたが、アリス嬢ちゃんがいてこそ家族に見えるんじゃが」


 そんな小さな呟きは、わたし達には聞こえなかった。



 サンクレルの温泉街も、メルクーア大迷宮踏破の為、サザランディア大陸のよその地域からの観光客もわんさかきてるので、だいたい営業中だった。

 その中でも、ルイスさんが案内してくれたのは、ルイスさんの所属クラン『グランド・カーラント』が出資してるところだった。

 クラン所属してた人が温泉街で店を開くというので、クランがスポンサーになってて、クラン所属の人は割引優待とかしてもらえるらしい。

 保養施設なのかと思いきや、サービスの良さはまるで健康センターですよ。

 すごーい。

 もちろん、施設内に宿場としてのスペースもあるんだって。やっぱり湯治を意識しての業務形態なんだなー。


「メルツちゃん?」


 メルツちゃんが案内板を見上げてる。


「ねー! かぞくぶろってなーにー!?」


 わたしとルイスさんは互いにあらぬ方向へ視線を飛ばし、いち早く意識を起動したルイスさんが説明する。


「家族とはいるお風呂」

「そうなの、メルツたちはだめなのかー」

「アリスがいいならいいよ?」


「ファ――!!」


 な、な、何をいうんですか――!!


「でもメルツちゃん大きいお風呂はすごいんだよ」

「え、大きいの? 海みたいなの!? メルツ、アリスおねーさんたすけに行くとき、海、はじめて見て、すごーいっておもったよ!」

「大きいよ、でも泳いじゃだめだからね、回復のために利用してる人もいるからね」

「はーい」


 もうー! メルツちゃんの興味を上手くやり過ごせることができるなら、最初から上手くやってよおおおお!

 わたしは準備してたタオルとか着替えとかでルイスさんを軽く叩く。

 きっと端からみたら何をイチャコラしてんだこの人達って見られただろう。

 そして大浴場、なんか柑橘系のフルーツとかお花の花びらとか浮いててメルツちゃんはテンション高かった。

 わたしもその内装のデザインとか、そういう浴槽に浮かぶ花とかに気をとられて、メルツちゃんと一緒にお風呂を楽しんだ。

 時折、さっきのやり取りを思い出して、お湯を手でばしゃばしゃさせてしまった。メルツちゃんに「ばしゃばしゃしていいのなら、メルツもする」とか言われて慌てて止めたのはのご愛敬。

 だってさあ! ルイスさんの距離の詰め方よ!

 なんていうか、一皮むけた感というか! 嫌じゃないんだけど! 照れちゃうというか!

 そりゃ、前々から優しいけど先生みたいに厳しい感じっていうか、ちょっと距離もあったのに、詰めてきてるよ!?

 どうしてそうなった!?

 ……メルクーア大迷宮踏破の時に何かあったのかな……。

 さんざん、ざまあヒロインやってきて、恋愛とかもういいやって思ってたけど、わたしもなんだか意識しちゃうじゃんよ! もー!!

 そしてまた、お湯を叩いてしまったりして、メルツちゃんに「ぱしゃぱしゃしちゃダメなの」と注意されてしまった。



 そんな感じで、日帰り温泉から始まって、サンクレルのテイマー動物園とか、また、多国籍食材店でのお買い物とか、ルイスさんの案内でみんなで、楽しんだ。

 大迷宮踏破生還バーベキューは、その日、初雪が降ったのもあって、店舗スペースで鍋パーティーになった。

 各テーブルに味の違う鍋をセッティングして、自由に席を移動して味を楽しんでもらうようにしたら、大好評だった。

 冬は鍋パーティーでいいかもしれない。


 湯気のせいか、お酒のせいか、サンクレルの冬を迎えたはずのこの森の家は暖かった。



あと一話で完結。

最終話は今日公開。

うーんあんまり人気とれなかったなー。

日常ほのぼのスローライフ、楽しいから書いてたけど。

ジャンルは恋愛ジャンルじゃないのでアリスとルイスの関係はふんわりで終わります。

ブクマして最後までこの話おいかけてくださった方でまだ評価の☆ぽちしてない人。

しょうがねーなーとつぶやきながら☆をぽちーっと5回ほどやってくださってもいいのですよ?


これとは別にめっちゃポイントがとれて書籍化までできた

「転生令嬢は子爵家当主2巻」発売されてます。

WEBより盛りっとしてるのでよろしければそちらもぜひ。


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