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元聖女のざまあヒロイン、強制力から逃亡しスローライフをおくりたい!  作者: 翠川稜
 

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第20話 ぱぱーん。いろんな手芸もやってます

 

 ぱぱーん


 時空神の贖罪を受けし元聖女が作ったステンドグラス。

 淡い緑色を葉に淡い青を花にかたどったステンドグラス。

 防汚☆☆☆

 結界☆☆☆

 聖域化☆☆☆☆

 一枠でも窓に嵌めると建物自体に物理防御結界、浄化聖域化の付与がつく。


 やっったあああああ。

 大成功うぅ!! 

 ハンザさんにお願いして、割れた窓の一部をステンドグラスにしたいて言ったら、ガラス工房さん紹介してくれて、工房通って作っちゃったステンドグラス。

 ハンザさんには「なんでそんなめんどうなことを」と呟かれたけれど、わたし自身が作ると何某かの付与がつくから、割れた窓は自分でステンドグラスにして作って嵌めたい。もしかしたら防御結界できるかもしれないって相談したら納得してガラス工房さんにも話を通して通いで作ったの!

 そして今! 完成したステンドグラス嵌めたら目論見通り! いろいろ付与ついて、おうちのセキュリティ上がったあ!

 ばんざーい! ばんざーい! ばんざーい!

 万歳三唱してしまうぐらいの出来じゃないですかー。

 こんなご近所に家の一軒もない森の中ですよ、夜なんか怖いし、これで少しはマシになるはず!

 実は最近、なんか物騒なの。

 夜になると、狼なのか犬型のモンスターのなのか遠吠えが聞こえたりして怖いんだよ。

 いまは、日中に来ていたハンザ工務店さんの出入りもない。自力で出来るところは残してもらったから、工務店の職人さんたちは、なんか残念そうにしていた。

 もしかしてここのリノベーションって、いい依頼先だったのかな?

 いや~サンクレルやメルクーア大迷宮都市にもたくさんいいお仕事依頼がきてるだろうから、工務店のみなさんが残念そうにしていた理由は一つだ。


 わたしの魅了スキルのせい。


 うん……知ってた! それ以外ありませんから! 残念!

 まあ、そんなわけで、庭を囲う木のフェンスに防腐剤を塗ったり、草を刈った後の庭に家庭菜園を始めたり、あとまだまだ途中の家の壁を塗ったりと、やることがあるのです!

 それに『うさぎの足跡亭』の女将さんから、枕カバーの作製をお願いされたから、夜は足踏みミシン様の出番で枕カバー作製してるんだ。

 試しに作って、女将さんに渡したら「かわいいし、いいわねえ~」って褒めてくれて、正式にお仕事として枕カバーのご依頼キター!

 洗い替えも含めて40枚の発注です。

 ちなみにこの枕カバーですが。


 ぱぱーん。


 時空神の贖罪を受けし元聖女の作った枕カバー

 疲労回復☆☆

 魔力回復☆☆

 短時間の睡眠でも、疲労と魔力の回復ができる。

 色は薄いブルーとグリーンの2色。

 枕には可愛いうさぎの刺繍がワンポイントで施されている。

 レム睡眠時はいい夢が見れる模様。


 どうだあ!

『うさぎの足跡亭』の寝具ですからね! うさぎの刺繍を頑張っていれてみたわ!

 付与の効果はイマイチだけど疲労だけじゃなくて魔力回復もできるのがポイント高くない?

 実はね、自分のパジャマを作ったのよ。

 販売はしてません。

 でも、枕カバー作ってたら、なんとなく、うさぎの刺繍シリーズが思いのほか出来が可愛くてさ。なので胸ポケット部分にワンポイントで入れて作ったそのパジャマがこちら。


 ぱぱーん。


 時空神の贖罪を受けし元聖女が作ったパジャマ

 疲労回復☆☆☆

 魔力回復☆☆☆

 短時間の睡眠でも、疲労と魔力の回復ができる。

 胸ポケットにうさぎの刺繍がワンポイントで施されてる。

 レム睡眠時にはいい夢が見れる。


 というもので、この二つセットで使うと、効果が強化。

 こんな感じで、手芸スキル及び付与スキルもめきめき上がってる感じ。

 だから。


 森の中のポツンと一軒家住まいで寂しくなっちゃうけど、わたしは元気です。


 さて、ステンドグラスを嵌めてあるこの壁一面、漆喰塗りする? なーんて思ってたら前庭の門扉の方に人影が。

 窓を開けてみると『蒼狼の風』のメンバー、ダグラスさん、シャムさん、ボイルさんの姿が見えた。

 わーい!

 なんか嬉しい!

 ドアを開けて前庭の小道を走って門扉の方まで近づく。


「わーお久しぶりです! 『蒼狼の風』のみなさん! サンクレルへ戻るんですか⁉」


「アリスちゃん、おひさ~そうなのよ、サンクレルに戻ってこいって、クランから命令があって~」

「あれからどうなったかなって気になってな」

「元気そうで何よりだ」


 よかった! みなさんも元気そう!

 そして魅了スキルと連動してるパラメーターも仕事してる……。

 うん……いいよ、仕事しても。って、あれれ。レベル上がってるな~。結構深いところ潜ったのかな? 経験値がかなりマシマシ、レベルも上がってさらに強そうじゃないですか。

 って、言いたくなったけど、我慢我慢。

 勝手に鑑定はマナー違反だからね。


「え~ちょっとお茶でもどうですか? お茶とクッキーぐらいならお出しできますし! どうぞどうぞ!」


 やっぱりボッチは寂しいのよ。

 パラメーターがピコンピコンと表示されないのは快適なんだけど、たまには会話とかしてみたいじゃないですかー。

 門扉を開けて、『蒼狼の風』のみなさんをお家に案内した。


「すごーい、アリスちゃん、前に来た時は、この家に入るのちょっと躊躇っちゃったけど、ドアの前に立っただけでも雰囲気が違うわー。どうして?」

「かなり手入れしたのがわかるな」

「それもあるが……なんだか……食事処のスペースだったんだろうけど、どこか教会っぽいぞ?」


「さっきあの窓にステンドグラスを嵌めたばっかりなんですよー。この家、窓が割れてて~木枠でカバーしてたところ、あの一部分、ステンドグラス作って嵌めてみました! あ、お茶は何がいいですか? 紅茶とかハーブティーとかコーヒーとか緑茶もありますけど」


 シャムさんリクエストで紅茶を用意して、作り置きしていたクッキーを添える。

 ステンドグラスにみんな視線を向けて、納得したような顔をしていた。


「わざわざステンドグラス作ったの?」


「はい、結界と聖域化がちょっと増しましたよ。自分で家の補修に手をかけると、そうなるみたいで、いまこの家を囲っているフェンスに防腐剤塗っても、結界つく感じなんですよ」


「……それ、すごくない?」

「いや、ここで一人暮らしなんだから、安全であることに越したことはない」

「結界つけるのは悪くないとは思うぞ?」

「ダグラスやボイルの言うとおりなんだけど~アリスちゃんはここで一人でいると思うと、やっぱり心配なのよ~うちらが戻ったのも、ここ近辺にでるモンスター討伐依頼があったからだし」


 え……ええ~!

 モンスターの討伐依頼って!?


「だ、だって、ここ最近薬草採取クエスト解禁になったばかりなんですよ⁉」

「だからよ~。初心者のパーティーからの報告で、犬型のモンスターの群れを見たっていう報告があってさ。ケルベロスじゃないみたいなのよね、三頭じゃなかったっていうから。ヘルハウンドかスコルかフェンリルか」


 あわわわ、あの夜の遠吠えはやっぱり、そういうヤツが近場にきてるのかあああ!


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