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~9~(side殿下)
最初にアリアーナを認識したのは、本の貸し出し記録だった。
仕事に必要な資料として借りた本にアリアーナの名前が記録されていた。
こんな本を読む女性がいるんだなと思った。
その後も幅広い分野の本を借りる度、アリアーナの名前を見つける。
アリアーナ、ドルスコイ男爵の娘。
どんな人なんだろうと思っていた時、丁度ドルスコイ男爵に用事があり、彼の仕事部屋を訪ねようと向かっていたら一人の令嬢が部屋から出ていった。
眼鏡をかけていて、なんだかぼんやりとした、あまり印象に残らない感じ。
ドルスコイ男爵は丁度休憩時間だったらしく、チェス盤がテーブルの上に置いてあった。
「男爵が休憩時間とはいえ、ゲームなんて珍しいね。相手がかわいそうだ」
「娘に誘われたものですから」
先程の令嬢がアリアーナか。
「ところでご用件は」
多岐にわたる本を読み、優秀な元軍師を相手にチェスをする令嬢か。
私の回りに群がる令嬢とはまるでタイプが違うな。
「殿下?」
話をしてみたい。
そう思った。




