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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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90.骨騎士

どうも、二か月ぶりの更新です。

「さて、運ゲーに勝利したというところか。」


 光一つとしてない夜の森でうごめく真っ黒な影が一つあった。


「魔女の嬢ちゃんは勘が良すぎて困るね。まさかちょっと違和感を感じただけで森全体を調査し始めるとか、大規模爆発型魔獣発生でも起こして盛大にやるつもりだったのにおじゃんだよ。」


 その影は結界で一切の魔力を漏らさずに作業を進める。その中心にあるのは魔骸の骨の欠片と赤黒い泥。それを核として丁寧に丁寧に魔力を織り交ぜていく。


「本来なら自然発生してほしいんだけど、それだと時間が掛かりすぎる。既に悪魔連中が敵にまわっている以上許されている猶予はあまりにも少ない。」


 骨と泥はボロッと崩れて塵になった後、その塵が少しずつ増えて量を増していく。


「スライム、ゴブリン、ゴースト、何ならヒュドラとかでも良かったかな。でも、一体目は確実なのが欲しいから仕方ないか。魔骸さんを核に作ったんだから。」


 塵は集約し、人骨を模っていく。


「フィジカルは魔骸さんが素だから心配ないとして、能力はどうしようか。聖光に対抗するためには圧倒的な物量が必要だしな。」


 真っ黒い影は再び泥を取り出して、人骨に馴染ませていった。


「さて、間に合わなかった感想は?」


 真っ黒い影は作業を続行しながら、彼の背後にいる魔女に問い掛けた。


「まだ完成はしていないんじゃない?」


 魔女は鎌を取り出して、影に向ける。


「いいや、間に合った。」


 人骨はカタカタと自律を始める。


「本調子とはいかねえが、試運転程度には十分だ。」


 次の瞬間、凄まじい斬撃が森を引き裂いた。


「名は、そうだな。骨だしな、、コツコツ、カタカタ。よしカタカタで。俺はガランだ。」


 しかし、その斬撃も人骨には傷一つとして付けられない。


「来て、ヘーテス!」


「!? 魔骸さん! ちょっとヘルプ!」


 魔女は自身の手に負えないことを悟り、仲間を呼ぶが、ガランもその呼ばれた名を聞いてすぐさま助けを呼ぶ。

 一瞬の間の後に現れたのは泥の奔流。


「ではまた近い内に、地獄の女王様。」


 泥は黒い影のガランと人骨のカタカタを飲みこんで、二人はこの場から大急ぎで去った。


 しばらくの間の後、魔女はその場にへたり込む。


「はったりも役立つものね。さて、対策しないと。」


 魔女もその場から姿を消した。



◇ ◇ ◇



 一切の光のない真っ暗な地下。


「安心しろ。多分だがヘーテスははったりだ。」


 そこには魔骸であるシャルとシャルによって転移させられたガランとカタカタがいた。


「本当ですか。じゃあ、あそこで叩いても良かったのでは?」


「一応ということもあるからな。何より現状相手側にいるペテテルという悪魔やトルクスという人間の形をした化け物もいる。なんならふらっとアルマス達の一団が来るかもしれん。」


「さすがにあの距離は難しくないですか? 魔骸さんでもギリギリでしょう?」


「俺がギリギリってことはあいつが出来る可能性もギリギリぐらいにあり得るんだよ。」


「なるほど。で、これからどうしましょうか。予定通りタノラの帝都に攻め込みますか?」


 どうやら、ガランとしてはカタカタを使い帝都に攻め入る予定だったようだ。


「ん〜、そうだな。」


 魔骸はしばらく考えてから答えを出す。


「予定通り行こう。」


「こいつに死ねと?」


「いいや、責任を持って俺も行こう。」


「じゃあ俺は?」


「留守番」


 ガランは「え〜。」と不満気な声を出す。


「ヘーテスが出てきた場合、敗北が確定するのでね。うまく逃げきれなかったらお前が頑張れってことだ。」


「まじすか。何百年かかるか分かりませんよ。」


「大丈夫だ。そのときには俺は死んでるわけだからな。」


「それなら俺も行かせてくださいよ。一人でコツコツは辛いものがありますよ。」


「嫌だよ。一応魔王さんの方にも義理は通さなきゃだし。何よりうまいこと行けばまた復活できるかもしれないしさ。」


「はいはい、わかりましたよ。」


 ガランは一応納得したようだ。


「さて、それでは具体的な作戦を考えるか。」


 彼らの話し合いはまだまだ続くようだ。

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