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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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8.名前


「ここはどこだ?」


アルマスは洞窟の中で目覚ました。すぐ近くには、焚き火がある。カノン達もすぐ近くで眠っていた。


「俺は最後の一(ラストワン)の白い獣に遭遇して一瞬でのされたんだった」


アルマスは自身らの状況をあの獣に襲われた後、誰かに助けて貰ったのだと断定した。


「やぁ。目を覚ましたのかい?」


白髪の少年がアルマスに話しかけてきた。


「いろいろと手当てしてくれてすまないな。君は?」


「僕は君たちを襲った獣さ!」


アルマスは飛び起きて、少年から距離を取り、本を手に出現させた。


「落ち着いて、落ち着いて。」


「自ら襲っといて何のようだ?」


アルマスは一瞬、本を意識する。花畑の世界でまた意識を乗っ取られたからか、使える、理解できる魔法は増えているようだ。


「だから、落ち着きなって。仕方ないだろ。急に力を押し込まれて暴走状態だったんだから。何と言っても今回は複数の種の絶滅が同時に起こったんだ。しかも、その全てが僕のところに最後を押し付けて来たから、暴走しないほうが凄いよ。」


「そうか、わかった。しかし、最後の一(ラストワン)でもそれほど知性が成長するものか?精々、言葉が少し聞き取れるくらいだと思うが。」


「理性がないとすぐ暴走して、今の地上みたいになるからね!」


アルマスは少年に連れられ地上を見せられた。見える限り、地面は炭や灰で覆われ、所々はまだ火が残っている。


「なるほど、、納得だ。で、本題だが、なぜ俺たちを助けた?」


アルマスは少年に訪ねる。少年が襲ってしまったとは言え、少なくとも敵対し相手であるアルマスらを助ける理由が少年にはどう考えてもアルマスには思い付かなかったからだ。


「理由かぁ、一番は君がコピーして取り出した剣に興味があったからかな。聖剣だっけ?それが必要なくらい、今の世界はヤバいのかい?」


「世界がどうとかは俺は知らない。俺はただ届けるだけだ。」


ちなみにこの大陸は魔獣の大量発生、特殊個体の出現で結構ヤバいがアルマスは「大陸の状態は結構魔獣が出ててちょっと大変」と軽く考えてる。


「そっか~、後は町に行ってみたいってみたいからかな。仲間がいたほうが手続き楽そうだろ?」


「わかった。カノンらの方は俺が説得する。で、ワルド起きてんだろ。」


「あぁ、おはよう。よくわかったな。」


「お前はこいつが付いてくることに関してどうなんだ?」


「俺はいいぜ。護衛は町までだからな。その後の面倒はお前が見るんだろ。」


ワルドは少年が付いてくることに関しては問題ないと答えた。続けて、


「しかし、最後の一(ラストワン)、複数の種が最後を一体に押し付けるなんて、どういう原理だ?あの強さだから、複数が混じったのは認めるがな。」


とワルドは少年に質問した。


「さぁーね、考えられるのは僕が混血だったとか?後は花畑に君たち(異物)が侵入したからイレギュラーが起こったんじゃない?」


「なるほど、まっ、どーでもいいか。後はアルマス、最後の一(ラストワン)が言ってた剣の事だけど、大陸に来たのはそのためか?」


今度はアルマスに問い掛けた。


「まぁ、そうだな。剣の担い手の条件もわからないからな。情報や人が多いところのほうが良いだろ。」


「そうだな。暇だからついて行っていいか。」


「あっ、それ僕も!」


ワルドの提案に少年は便乗した。


「わかった。魔獣も多いらしいしな。」


アルマスは若干うんざりしつつ了承した。そして、アルマスは少年に


「お前名前あるか?ラストワンだと呼びづらいし、町じゃ使えなさそうだろ。」


「確かにそうだ。ハクとかラス、プロクスとかでどうだ?」


ワルドは適当に少年の名前の案を言った。対して少年は


「名前はないね。後、その案いいね!」


気に入ったようだ。続けてアルマスは


「クティノス、フィーネ、グレイ、……」


案を増やした。ワルドも更に増やす。悪のりは続く。少年は


「全部使おう!」


と反応した。こうして、


「僕の名前はハクラス=アトラ=イグテス=ハルル=ホワイト=フィーネ=アロルラテト=カラクノ=フウライ=グレイ=クティノス=アカフワ=レッド=ゴルラス=ガイアルタモル=プロクス=ビースト=ナロリア=メヤタルナ=……=ワルナトロティカ=アカナルハテム=ブランラ=アッラス=ヘルトナシク=ラサ=アルマルカトルだ!!!長いから、えーーと、、ハクと呼べ!」


アホな名付けが完了した。途中からカノン、風丸も参加して皆どこかで聞いたことがある言葉を口にした。アルマスは説得の手間が省けたと内心喜んだ。


気づけば上陸4日目は終ろうとしていた。



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