78.トルクス御一行
テスト残り一日だ!!!!!!
少し時間を遡って、アルマス達がカイニャールに到着した日の夜、旧スラルの北の草原にて、辺りを昼と見違えるほどの眩い光が走った。
「今のが報告にあった魔獣か?」
光源の周りの地面は抉れており、その周囲の草も焦げている。魔獣は残骸の一切が残っておらず、完全に消滅していた。
「違うと思う。報告では牛を巨人にしたみたいな見た目ってあったから。」
「さっきの奴はどう見ても巨大な狼だったからな。」
光源には光輝く剣を持った剣士が、その近くには二人の男女がいた。
「取り敢えず今日はここで寝るか。」
近くにいた男はその場に鍛冶場を出現させた。さらに少女がその周りに一気に植物を生やしていき、小規模な森がそこに出現した。
三人はその鍛冶場の中に入っていく。彼らこそ、最近少しずつ大陸中に名が広がり始めている英雄御一行、トルクス、カナ、アズラである。彼らはアルマス達がカルワルナから旅立った後、少し遅れて各地の魔獣を退治しに回っていた。現在はレベリングも兼ねて旧スラル領土つまり、ウォルフ領土に出現している特殊個体を討伐し回っていた。ちなみに依頼人はロットということになっているが、実際はヘーテスがロットに頼んで仕事を回して貰っているという状況である。
「取り敢えず、この報告されている奴を最後にこのスラルを抜けてどんどん北進していく予定であっているか?」
トルクスは飯を食べながら、今後の予定を確認する。
「私の背に乗っていく?最北の森を目指すならそれが手っ取り早いと思うよ。雑魚も寄ってこないと思うし。」
カナは自身が竜になれることを良いことに空を飛んで進むことを提案するが、
「それはよくねえと、ヘーテスの野郎が言ってやがったぜ。魔の大量発生で空の領域のほうでも緊張が走っているらしい。そんなところに邪竜と呼ばれた竜の姿で飛んでみろ。知性ある龍との戦闘は流石に避けなきゃいけんだろ。」
アズラがその提案を跳ね除けた。
「地道に歩いていく方が堅実で問題にもなりにくい。ロット王のお陰でタノラ帝国への入国許可も出ていく。ヘーテスも焦らなくてもいいと言ってるんだ。取り敢えず、有名な魔獣を討伐していってしっかり名を上げて行こう。」
「そういえば金のほうは問題ないのか?魔獣退治では稼げないだろ?」
トルクスは路銀について気にしているようだ。確かに旅の長さがどれだけになるかはわからない以上考えないわけには行かない。
「確かに人の社会にいる時間のほうが多くなるだろうからな。金は稼がなければな。俺の武器が売れんとは思わんが、別のプランも考えないにはいけないからな。」
「私は魔力さえあれば果物の大量生産できるけどどう?」
カナは自身の植物系能力はどうかと提案した。
「竜と魔の混じった果物は少し危険じゃないか?」
トルクスは疑問符を浮かべる。
「一般人枠のカノンは食べても問題なかったわよ!あとハーロルの少年と王様だって、問題なかったし。」
カナは弁明するが、ハーロルの狼少年もロットも人外枠だし、カノンは常人よりも胃腸は随分強い。
「だれも参考になんねえよ。というか、王さんに何食わせてんだよ。」
カナにアズラが呆れ気味にツッコむ。
「仕方ないじゃない。練習してたら勝手にロットさんと狼くんが来てフルーツを食べて行ったんだもん。」
「頭おかしいのは王さん達の方だったか。」
トルクスはロット達の方に呆れた。三人はこの後実りのない話を適当に話した後、寝床に入り明日に備える。明日、彼らは後世に残る英雄としての一つ目の偉業を成し遂げるのであった。
こっからしばらくトルクス辺りの話をやるつもりです。(カルワルナ辺りみたいなノリで一瞬で終わらせることにはならないと思いたい。)




