74.観光
「ここの飯はうまいな。」
「そうですね。大規模な中継都市。歴史も古く、豊かですから食が発展しているのも頷けます。」
ワルドと風丸は食べ歩きをしながら町を見て回る。カイニャールに来て早四日。今日、二人はこの都市の特産品などを見て回っている。
鬼と尻尾の生えた大柄の男は少し怖いのか、人々は二人から少し距離を開けるため、二人は商店街を堂々と闊歩していた。
「そういや調査の方はどうだったんだ?骸骨の野郎の情報はあったか?」
「関わっているであろうものなら一つだけなら、と言っても古い情報なので意味ないですが。」
風丸が掴んだ情報はカイニャールからかなり離れたとある町が一夜にして消滅したというものであった。
「時期的にはサーサに向かっていた時ぐらいのことなので骸骨の仕業の可能性が高いと判断しました。町の後も火災があったかのような状態であったらしいので。」
「そうか。あれと魔王が関係していることが判明した以上、ヘーテス達も出張って来るってことになるのか?」
「多分そうなりますね。そう言えば、トルクスに関する情報も入ってきていますよ。」
風丸はワルドにメモ紙を渡した。
「へー、光の騎士、竜の少女、鍛冶師とかいう面白いチームだな。」
「魔法使いと最後の一、黒い怪物に鬼に暴風使いが構成するチームにだけには言われたくないでしょうね。」
「確かにww」
ワルドは風丸にメモ紙を返す。
「トルクスってさ、正直ハクより強いと思うか?」
唐突にワルドはそのようなことを風丸に聞いた。風丸は真面目に思考を巡らせる。
「討伐できる土台には立ってるでしょうが、あくまでも殺せる可能性がある程度ではないでしょうか。大人と包丁を持った赤子ぐらいの戦力差だと思います。ハクが魔に属する者なら話は変わってきますが、彼は中立、アルマスの影響も考慮するならば聖側でしょう。」
風丸の言う通り、ハクにトルクスは遠く及ばない。トルクスの光は魔に対する最上級の特攻攻撃であり、魔であるというだけで防御関係なく消滅させていくが、それ以外に対してはただの高温で物理的破壊力を持った光でしかない。、、十分すぎる気がするが気のせいだろう。まあ、このような特性である以上、トルクスはハク以上の強さの魔であっても打倒することが十分可能であるが、魔でないものには結構あっさり負けてしまったりしてしまう。
「どうしてこの質問を?」
風丸はワルドに質問の意図を聞いた。
「適当さ。」
「そうですか。ではこちらも質問します。」
風丸もワルドに質問を仕返した。その内容にワルドは噴き出した。
「俺達がこの町をトラブルなしで旅立つ確率だって?」
「はい。今思えばすべての町で厄介ごとに巻き込まれてましたので。」
ワルドは少し考えた。
「直感で答えていいか?」
「はい。」
「今回はハクがなんかやらかす気がする。」
「野生の勘ですか?」
風丸はふざけて質問したのもあって、ワルドの答えを軽く受け止めた。
「おうよ。それよりあそこの肉食いに行こうぜ!」
「ちょっま?!」
二人は商店街の賑わいの中に紛れていった。




