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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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69.再会

 深夜、暑かった町は冷えきり、とても静かだった。町のどの建物にも明かりはなく、ぽつぽつ見えるのは巡回している衛兵達のランプであった。


「あっ、出てきた。」


「おっ、ハクか。」


 アルマスが宿を静かに出ると、待ってましたとばかりの表情を浮かべるハクがいた。


「何か用か?」


 アルマスはハクに問いかける。


「今からお礼しに行く感じ?」


 ハクがそう聞くとアルマスは、見られていたかと、ため息を吐いた。


「どうだった?老人相手に虚を突いて勝利した男の戦いぶりは。」


 アルマスは自虐を込めていった。


「良かったんじゃない?どちらにしても勝ってたでしょあれ。まあ、でも、あの爆発蛇は厄介だね。アルマスだったから良かったものの、カノンとかだったらどうなってたか。」


 アルマスは顔を顰める。


「即死だろうな。無事なのは俺とお前ぐらいだろうな。次に風丸は重傷だが耐えて大暴れできるだろうな。ワルドは、未知数だな。」


 アルマスはそう言うと本から杖を取り出して地面に簡単な陣を描いた。


「これは?」


「探知だ。呪術と占術、魔法を本の術を使って組み合わせたもんだ。方向ぐらいしか表示できないが、そこだけに特化させてる分、どれだけかなり小さい情報からでも目的を探すことが出来る。」


「へー、なんか微妙だね。」


「わかってはいるが、確かにそうだよな。」


 アルマスは本からとある炭を取り出し陣の中心に置く。すると炭は光となって分解された。それと同時に陣の一部の光が変化した。


「この光の方向にあの老人のアジトがある。ちょっと戦利品をとってくるとするよ。」


「じゃあ、僕もついてくよ。」


 アルマスは探知で示された方向に向かう。衛兵に見つかると面倒なので結界で気配を殺して移動した。

 そこは探知の示したのはサーサの町から少し離れたところ、縦穴の洞窟であった。

 アルマスとハクは躊躇なくそこに飛び降りる。


「アルマス明かりいる?」


「要らん。見えてる。」


 真っ暗で足下が不安定な洞窟を二人はスムーズに進む。


「当たりだ。」


 アルマスは魔法で洞窟の壁を吹き飛ばした。その先には石レンガでできた居住区があった。中には薄暗くではあるが明かりがあり、少し前まで大量の人間が暮らしていた痕跡があった。


「奴隷の収容区かな?」


 ハクはこの空間を適当に散策する。


「そうだろうな。奴隷狩りをしに襲ってきやがったから、奴隷商と考えるのが自然だろうな。それにしても、こんな場所にこの空間を作り上げるとは、何年かかるんだろうな。」


「たぶん、適した能力持ちが居たんでしょ。」


「そらそうだな。」


この地下空間は小さな町一個分ぐらいの大きさがあった。後から分かったことではあるが、武器工場やその倉庫などもあり、それが大部分を占めていたようだ。アルマスは奥の方に行き、老人が暮らしていたであろう探知が示している部屋の扉を開けた。


「おっと、まさか他にも客がいたとは驚いた。まあ、富豪であったし、死んでいるのを知ったら資金回収に来る奴もいるだろうしな。」


 アルマスは咄嗟に後ろに跳び下がる。手元には剣と杖があり、戦闘態勢である。アルマスは眼の前の異常な何かを凝視する。それはこちらに興味がないのか、見向きもせずに机の上をあさっている。

 それには黒い靄が纏わりついており、人型ぐらいしかの情報しか得られない。何よりもアルマス気にしているのはそれは探知から逃れていることである。アルマスの探知にも数種類あるがその内のもっとも強力な、眼由来の探知ですら、それを周りの風景と同じものとしか認識しない。何ならアルマス自身の頭ですら、それを物として認識しようとしている。しかし、アルマスの中の何かがそれを認識しろと叫んでいる。そして、それを今すぐ殺せと叫んでいる。


「っていうか、何でお前、俺のこと認識出来てるんだ?」


 それはアルマスの方を見た。そして、それは微笑んだ。アルマスはその微笑みを見てその正体を確信した。


ガアァァーーーン!!!!


 アルマスは足がひしゃげるほどの力を込めて踏み込み、それに斬りかかり、それは靄を壁に変えて受け止めた。


「普通なら感動の再開になるところではないか?」


 それは壁を介してアルマスに聞いた。


「普通が異常な俺達に成り立つ訳ないだろ!」


 アルマスはそれに怒鳴った。アルマスはそれを睨みつける。その表情は最悪の結末を見たかのようであった。


「ひどいな、それでも友が生きていたのは喜ばしいだろ?」


「お前の得た力とお前自身の夢のどちらかさえなければな!」


 それは少し考えて、アルマスの言葉に納得した。


「確かにそうだな!取り敢えず、こちらも挨拶だ!ぶっとべ!!」


 壁は一気に厚さが増加して、アルマスは吹き飛び、居住区に突っ込んだ。アルマスはすぐに立ち上がり、左手に本を、右手に杖を持ち、それを睨み続ける。アルマスの背後には大量の虚剣が装填されて浮かんでいる。

 それは黒い靄を払って部屋から現れた。


「随分見ないうちに変わったな。白髪じゃなかっただろ。お前いつイメチェンしたんだ?アルマス。」


「それはこっちのセリフだ。どんな手を使ってあの骸骨を乗っ取ったんだ?シャル!」


 それはアルマスの旧友、カルワルナでの厄災により死亡しているはずのシャルであった。


 

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