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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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68.仕事

 アルマスは後片付けをした後、店に戻ってきた。


「町はどうだった?昨日のはお祭り騒ぎだったから参考にならないから、後でみんなで回らない?」


 カノンはアルマスにそう聞く。アルマスは少し考えた後、


「まあ、明日でもいいんじゃないか。さっさと残ってる品売り切って、今日で店じまいしたら、自由だろ?」


 アルマスは取り敢えず、今夜いろいろとやろうと考えた。どうやら、ハクは野生の勘なのか、アルマスの身に起こったことは把握しているようで、アルマスに小さな声で「同行するよ」と呟いた。


「よっ!店の調子はどうだ?、と冷やかしにきたつもりだったが順調で何よりだ。」


 アルマスの店にヨドリが来た。他の仲間は連れておらず一人できたようだった。


「おいっ、この赤色の石っていくらだ?綺麗だから一つ欲しいんだが。」


「それは400となります。お買い上げなりますか?」


 カノンは丁寧に対応する。


「おっ、安!勿論貰うぜ」


 ヨドリは石をカバンに入れるとアルマスに質問した。


「そういやお前らって運び屋が本業だよな?荷運びの依頼受けてくんねえか?」


 アルマスとカノンは久しぶりの仕事に内心結構喜びながら話を聞き、カノンとヨドリ達のパーティーのもとへと向かった。




「よく来たね。歓迎するよ。」


 彼らは町の外れにある旅館の一室に陣取っており、アルマスが入るとマターラか歓迎した。テル、アリサもおり彼らは荷造りをしていた。


「見ての通り荷物の量が膨大でね、ヨドリが持つにも限界があるということで頼まれてくれないかい?」


 マターラは事情を説明し、値段交渉をする。値段についてアルマスはカノンに一任しているため、アルマスは他のメンバーと話をしていた。


「学校とかはないのか?お前の年なら義務とかじゃね?」


 アルマスはアリサに聞く。


「学校って何?」


 アリサは学校の存在を知らないようだ。


「アリサ、学校っていうのは簡単に言ったら、知識を学ぶところだ。俺達砂漠側にはない物だから知らなくて当然だ。」


 アリサにテルは説明する。アリサは面倒くさいシステムだと感じたようだ。


「それにしても海か~。ヨドリに言ってちょっと見に行こうよ!辺り一面に広がる水溜まり!絶対凄い光景だよ!」


 海を見たことのないアリサはテルにそう言って味方にしようとする。


「確かに船に乗っての冒険にはちょっと憧れるな。」


 テルも見たことのない海に思いを馳せる。


「海上輸送業者からの意見だが、海っていうのは碌なもんじゃないぞ。説得力の欠片もないが、あそこは人がいていい場所じゃない。」


 そんな二人にアルマスは経験者として語る。


「普通は食料が終わってるからな。餓死船を見かけるのもよくあることだ。島の近くでは海賊とかも良くいる。こちらに力がなければ、さんざんされた後、殺されるか、奴隷か。まあ、ここら辺までは個人の能力で何とかなる範囲だからそこは問題ないんだが、前兆のない嵐、大渦、海獣によって沈んだ船は数えられない。流石にこれに対して安全に対処できるような奴は稀だ。何より、竜が出た時点で死刑宣告をされるようなもんだからな。戦わなければ殺され、逆に殺せば海喰いにやられて終わり。かなりの遠方での発生でもその余波で沈没。それから、」


「すまん、止めてくれ。腹いっぱいだ。」


 テルはアルマスの話を止める。


「海ってやばいね。でも、一目見てみたいわ。」


「なら今回は少し海沿いのルートで行くか?目的地はカイニャールなんだろ。焦る必要もないならゆっくりいうのも良いだろ?」


 アルマスはアリサに提案する。


「でも、金はしっかりとるんだろ?」


 テルはアルマスに聞く。因みによくこういうやり口で法外な請求をする業者もいるそうだ。


「そこはまあ、初回割引とかでいいんじゃないか?カノン。」


 カノンとマターラは値段交渉を終えてアルマス達の会話に参加した。






 アルマス達が話している時、アルマスの店の方ではヨドリと風丸が話していた。


「よう!妖狐の懐刀さんはここで何をしてるんだ?この開国したばっかで大変な時期に。」


「そちらこそ、宮仕えはしていないのですか?あなたの一族は将軍の直属だったと記憶していますが。」


 二人の間に火花が散る。近くにいるワルドはこの雰囲気の重さに、端っこのほうで気配を消している。


「お前も大陸の調査に駆り出された系か?同じ国なのに情報共有も出来ないとは分裂待ったなしか?」


「そうでしょうね。なんなら、ここで殺し合いますか?」


「そうだな。不安要素は排除する必要があるからな。」


 風丸は刀を握る。ヨドリは何処からともなく薙刀を取り出す。

 互いに構え、睨み合い、一分間の静寂が訪れる。そして、


「やめましょう。不毛ですので。」


「そうだな。本国に帰るまではしがらみを忘れよう。」


 二人は構えを解いて、先程まであった緊張感は一気に無散した。


「それにしても、この果物、まじで新鮮だな。一つくれ。」


 ヨドリは風丸に聞く。


「100ですね。アルマスの能力に感謝ですね。」


 さっきまでの緊迫感などなかったかのように普通に話しをする。


「あいよ。そういえば話がまとまったらしいぜ。これからカイニャールだとよ。」


 ヨドリは耳が良いのか一キロ以上離れたカノン達の会話が聞こえているようだ。


「カイニャールですか。少し不安要素がありますが、まあ、何とかなるでしょう。」


「あーね、まあ、言及はしないでおく。」


 その後、ヨドリは風丸と旧友のように話した後、自身の家に帰って行った。


 

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