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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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47.最初の迷宮モンスター

 召喚された大蛇は毒霧を纏ってアルマスに跳びかかってくる。


「武具製造(剣)」


 アルマスは本から水を出現させ、それを剣にして大蛇を受け止める。体には薄い結界を張って毒霧は吸わないように対策した。水の剣は大蛇を一回弾くことは出来たがその一撃だけですぐに壊れた。


「なんで魔法ぶっぱでやらないのよ。」


 ナーニャが魔法による炎で大蛇を焼く。


「何か、魔法が通じない蛇がいるってことが本に書いてあって、こいつと色々と特徴が似ていたんだ。」


 アルマスの言った通り大蛇に魔法によって出現した炎は効いていないようだ。


「ほんとね。じゃあアルマス、こいつ任せた。」


 ナーニャはそう言うと大蛇から極力離れて、防御を固めた。アルマスは水の剣を大量に製造する。魔法を使って、空中に配置していき、一斉に魔法で打ち出して大蛇を四方八方から串刺しにしようとした。しかし、水の剣はどれも大蛇の鱗を突破出来ず、当たっては只の水に戻っていった。


「なんでいつも使ってる虚剣を使わないのよ!?」


 後ろからナーニャはアルマスに言う。


「あっ、忘れてた。あざす。」


 アルマスは虚剣を取り出して再び突進してきた大蛇を受け止める。そのまま、虚剣を大量に製造して大蛇に打ち出しまくっていく。大蛇を虚剣は貫通し大蛇は穴だらけになっていた。


「思ったよりも雑魚かったな。やっぱ最初のエネミーだから弱め設定だったのか。」


 アルマスは思いっ切り油断した。その隙を穴だらけの大蛇が突いて、アルマスを飲み込みにかかった。アルマスは転移で逃げようとするが、大蛇の魔法封じにより、陣が上手く張れない。


「あなたはどうしてそんなに油断してるの?」


 ナーニャはアルマスを魔法で軽く吹き飛ばして移動させる。


「すまない。迷宮ということで浮かれていた。」


 大蛇の飲み込みを回避するが、結界を一部損傷し、毒霧に触れてしまう。


「虚剣鍛造、物質操作」


 アルマスはさっき以上の大量の虚剣を用意し、本に記されていた術を使ってそれを操作して大蛇を切り刻んでいった。ほぼ全ての肉体が細切れになってから、仕上げに爆弾を取り出して投げつけた。大蛇は粉々になり吹っ飛んだ。


「これでも再生するのかよ!」


 粉々になった大蛇の体は集結し、元に戻っていく。大蛇は先程よりも濃い毒霧を吐く。毒霧には魔法を破壊する特性を持ち、ナーニャの結界を破壊していく。


「ヤバイヤバイ!全力でやっと拮抗しているけど、時間の問題でやられる。アルマス、速く倒して!」


 ナーニャは結界が破られそうになり焦っていた。


「落ち着け!結界、起動。さっさと転移して逃げろ!」


 アルマスはナーニャに結界を張る。アルマスの結界は本に書かれた術で魔法と違うため、毒霧に壊される事はない。ナーニャはそれで生まれた余裕で転移を実行し、この部屋から脱出する。

 アルマスはパラッと本を見るとこの大蛇に似た絵があることに気付き、剣を打ち出し、大蛇を壁に張り付けにした。


「お前の対魔法は毒から来ているんだな!マケシヘビ」


 アルマスはこの大蛇について書かれた記述を発見したのだ。この大蛇マケシヘビの特徴は魔法を崩れさせる効果と生物を腐食し溶かす効果を持つ毒霧を放ち纏うということ、武器を介さない攻撃以外では死なずにそれ以外の攻撃や魔法の場合は残った部分から再生するということであった。つまり、限定的な不死であるということであった。普通はここまで大きくないのだが、迷宮の作用のせいなのか、全長20メートルを超える巨体を持っていた。


「腐食されるのに素手で攻撃しなきゃいけないとかチートか!?この野郎!」


 アルマスは結界を解き、杖と剣をしまう。腕はさっき毒霧に触れてしまっていたため、地面に腐り落ちたが魔法によってすぐに直った。


「さあ、この体の性能を試させて貰おうか!」


 アルマスは自身に身体強化を施し、思いっきりマケシヘビに殴りかかる。武術などを一切学ばず、独学で適当に剣を振り回していたアルマスだが、航海の経験により、体の動かし方はよくわかっていた。

 マケシヘビは虚剣の拘束を抜けてアルマスの殴りを避けようとするが、間に合わずに頭に思いっきり攻撃を受けた。マケシヘビは大きくよろけ、殴るのに使ったアルマスの右腕は腐り落ちる。


「ああああぁぁぁ!!!!」


 アルマスは腐り落ちた腕の痛みに悶絶する。さっきまでは魔法で痛覚を切っていたが、毒で無効化されたため、腕の痛みがしっかり感じることができたからである。

 しかし、その痛みを我慢して、アルマスは左腕、足、頭突きでマケシヘビを攻撃し、着実にダメージを与えていく。だが、頭が腐った瞬間、アルマスの動きが停止した。

 そこにマケシヘビが思いっきり噛みつき、アルマスをその毒牙が貫通する。アルマスの全身が腐食されて壊れていく。

 アルマスの体はどんどんと腐り落ちて、ボロボロになっていくが、原型はとどまっていた。

 次の瞬間、マケシヘビの頭をアルマスの腕が口の中から貫いた。マケシヘビはその一撃で絶命した。

 アルマスは魔法を必要とせずに急速に体を再生させる。


「五感も正常に残っているな。魔法が強制的に使えない状況にありながら、体は再生し続けていた。」


 アルマスは精神的にはかなり疲弊した状態になったが、すぐに自身の体について考察し始めた。調度そこに、アルマスと大蛇の戦況をナーニャか見に来た。


「この先は階段になっているのね。」


 ナーニャは戦いが終わった部屋を見渡し、扉の先を見て、アルマスに話しかける。


「迷宮っていうのは層になっていて作成者によって大きさや強度などが変わるようだ。」


 アルマスは本を開いて適当に見ていると迷宮に関する記述を見つけた。様々な事が書いてあったが解読できる部分も限られており、分かった中でも重要なのは迷宮を脱出するためには作成者に出して貰うか、物理的に破壊するか、迷宮の王を倒すということだった。


「物理的破壊、、アルマスやらないでね。」


 ナーニャはアルマスの説明を聞いて、アルマスに大魔法ブッパをしないように釘を刺す。


「それについては問題ない。そんなこと出来る奴は神にもいねえだろうよ。」


 アルマスは若干読み取れた迷宮の強度を見ながらそう言った。


「ふーん、まあ、破壊は最終手段として、さっさと下って行って迷宮の王とやらを殺しに行きましょうか。」


 ナーニャとアルマスは緊張感なく次の層へと進んでいった。

 アルマスの設定をヤバくし過ぎた気がする。

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