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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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44.乗っ取り

「アズラ!予定通りに巨大兵器の標的になれ。竜殺しは完遂され、トルクスの退避も完了した。風丸は準備しておけ。緑の怪物は沈黙中であり、無視だ。」


 ヘーテスがアズラに叫び、風丸には魔法で声を届ける。アズラは既に緑の怪物と巨大兵器を壁で区切っており、巨大兵器が緑の怪物を標的にするという事故を起こさないようにしていた。巨大兵器はアズラを次の標的とした。


「レーザーの威力バグってるだろ!!」


 アズラは大量の武器、道具、鍛冶場の構造を弄ってレーザーを防ごうとしたが、簡単に貫通された。


「準備が整うまで少し時間がかかる。三十秒くらいか。そこまで耐えろよ。」


 ヘーテスはそう言うと鍛冶場の外に転移していった。

 巨大兵器は物凄い速度でアズラに迫り、叩き潰そうとしてきた。アズラは巨大な盾を喚び出して、それを受け流す。盾はそれだけで使い物にならなくなった。巨大兵器はその攻撃を連続して行ってくる。アズラはアルマスに貰った虚剣を取り出して受け流し続ける。

 そして、タイミングを見計らってアズラは巨大な火床をこちらに移動させて、炎で巨大兵器を炙る。


「効果無しかよ!」


 高温の炎を気にせずに巨大兵器はアズラに迫る。アズラは巨大な金床を巨大兵器の頭上に移動させ落下させる。巨大兵器は金床を殴り飛ばそうとするが、流石に腕が崩壊した。そのまま、巨大兵器は金床に体が押し潰されたが、直ぐ様に周りに飛び散った瓦礫や周りに落ちていた武器などを元に再生する。そして、頭が再生された瞬間にレーザーがアズラに向かって放たれた。アズラは当然、その予備動作のないレーザー攻撃で蒸発するはずであったがその場を動いていないのに生きている。


「アズラさん、準備が整いました。」


 カノンがアズラに声をかける。ヘーテスが巨大兵器がレーザーを放つ寸前にカノンを送り込み、カノンが風を使って空気の密度を局所的に変えたため、光が屈折し、アズラにレーザーが届いていなかったのだ。

 カノンはそのまま暴風を巨大兵器に向け、巨大兵器は勢いよく後ろに倒れ、そのまま、鍛冶場の端まで風に抗えずに移動していった。


「鍛冶場、解除」


 アズラが能力を解き、鍛冶場が崩壊して異界化が解ける。鍛冶場の構造物などのアズラ由来の物体は全てアズラの鍛冶場と共に消滅した。辺りは元の平らな地面に戻り、人魔同盟の標的の巨大兵器は修復の際に鍛冶場の物を一部使っていたため、穴だらけになり、そこに倒れこんだ。


「さあ、風丸、出番だ!能力の増強は一応やっているが、俺はその分野は苦手だ。あと、必殺技っていうのにはダサくても技名が必要だぜ!」


 ヘーテスが合図をして、風丸は巨大兵器の目前に移動する。

 巨大兵器がいる地点は鍛冶場の壁辺り、つまり、鍛冶場という異界と通常世界の境目であった場所であり、空間は少しというかかなり不安定な状態であった。風丸は思う。この条件ならば、確実に技を決められることを。そして、どうせリスクがついてくるなら派手にしようと。風丸は頭に浮かんだ技名と共に加減なく巨大兵器がある一定の範囲内に能力を刀を抜いて振るう。


「空斬り」


 巨大兵器があった空間は風丸の刀でパックリと割れる。そこからは大量の負のエネルギーが溢れ出し、巨大兵器は巨大兵器自身を維持していた陣と共にそれに飲まれて完全に消滅した。風丸は負のエネルギーに飲まれる前に黒鎖でヘーテスに回収された。パックリと割れた空間はすぐ自動で修復されて閉じた。


「トルクスと風丸がダウン。アズラはほぼ体力が残っていないか。それにしても空間に穴を空けるか。世界と世界の間に満ちるエネルギー、通称負のエネルギー。危険だが、上位勢にも通じる攻撃を使えるなら、、、いや、やめておこう。」


 ヘーテスはトルクスの隣に風丸を転がしてそう呟く。カノンとアズラはさっきの攻防で疲れきっていた。

 ヘーテスは緑の怪物を見る。彼はその発生原因を知っているがアズラ達には話していない。特に最大の障害であった邪竜を倒す鍵のトルクスに話していれば、何かの間違いでとち狂ったことをしないとも限らないからだ。

 ヘーテスは停止している緑の怪物に近づいていく。


「核が無い?」


 ヘーテスは植物にある程度近づくと今の緑の怪物の中の核が消失していることに気が付いた。ヘーテスはそれに気が付いた瞬間、屈んで、ついでに植物を焼却する。


「ちっ、バレたか。勘の良さは年を重ねても変わらないのか。門番」


 高速で何かがヘーテスを背後から貫きに掛かるがヘーテスが屈んだために避けられ、仕方なくヘーテスの前に立つ。その飛翔体の容姿はカナであった。


「秩序に、人類側に立ったお前がこの世界に顕現しているってことは、面白いことが起こっている。いや、起こるのか?」


 カナの容姿のそれはヘーテスに質問する。ヘーテスは速攻でそれを黒鎖で全力で拘束する。


「聖光の特性が悪く働いたか。少女の体に翼を生やしたり、変な恰好させたりするとはそこまでこの世界に居たいか。バーバルムよ!」


 ヘーテスはカナの体に宿った邪竜バーバルムに叫ぶ。バーバルムは拘束をあっさり破って飛び上がる。カナ、いやバーバルムはカナをベースに背中に巨大な竜の翼が生えて、髪は真っ白になっている。体の所々に黒紫の線が走っており、また手足は黒くなっている。


「もちろんさ。あと、聖光使いは消さねばならん。」


 バーバルムはトルクスを標的に定めると陣をヘーテス用に九、トルクス用に一の合計十個を一瞬で展開させる。アズラ達はまだ気づいていない。


「死ね。」


 ヘーテスは自身に向けられた魔法の対処で動けない。トルクスに向けられた陣は問題なく発動させられた。


「なんか凄いことになってるね。」


 トルクスに放たれた魔法はこの声の主にあっさり防がれた。


最後の一(ラストワン)は聞いてないぞ。」


 バーバルムは突如として現れた声の主のハクを見て、そう言った。



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