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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
44/92

43.邪竜退治

 アズラ達はカルワルナの上空に転移した。


「黒鎖を解いたぞ。」


 ヘーテスは邪竜に施していた拘束を解く。邪竜からは溜まっていた魔力が一気に解放されて近くの空間には魔が溢れでてくる。


「作戦に乗っ取って巨大兵器の気を竜に引く。カノン!」


「最大出力でいきます。」


 カノンは暴風で巨大兵器付近に存在する(標的)を邪竜付近に集める。巨大兵器はその塊を掌からのレーザー一発で蒸発させた後、次の標的対象を視線の先にいた邪竜に定めた。ちなみに頭にもレーザーを発射する装置が搭載されている。


「もういっちょ!」


 カノンは次に緑の怪物付近の()を邪竜方向へと吹っ飛ばした。緑の怪物は()を目指して邪竜へと進行していく。

 まずは巨大兵器が仕掛けた。巨大兵器はレーザーを放ち邪竜の眉間を貫いた。そのまま、その巨体に見合わぬ速度で邪竜に接近してアッパーをお見舞いする。邪竜の巨体は少し浮き上がり、巨大兵器は邪竜の腹に渾身のストレートを放った。

 邪竜は後方へと吹き飛ぶことは無くその場に留まっている。邪竜をどうやら、やっと巨大兵器を認識したようだ。

 邪竜についた傷は自動再生されていく。邪竜は巨大兵器をがっしり掴んで思いっ切り殴り付ける。巨大兵器は思いっ切り砕け散るが、こちらもすぐに辺りの瓦礫を使って、自己修復されていく。

 そこに()を求めて緑の怪物も参戦する。植物は邪竜の放出する魔力を目当てに邪竜に絡み付いていく。邪竜はブレスで植物を焼いていくが植物は邪竜の魔力を吸収してそれ以上の速度で増殖していく。

 巨大兵器と邪竜は互いに致命傷を与えられずに膠着状態、緑の怪物についてはいくら焼かれようと核は離れた所にあるので、何度でも邪竜に纏わりついていく。


「お前ら!さっきも言ったが、竜及び龍、巨大兵器には疲労と言うものがない。何もしなければこの膠着状態はずっと続くことは頭には入れとけよ!」


 ヘーテスは黒鎖で陣を作りながら、他の奴らに呼び掛ける。


「分かってる。カノン!風丸!トルクス!」


 アズラの合図でカノンと風丸が動く。

 カノンは暴風で瓦礫を吹き飛ばして、怪物付近を掃除していく。その途中で見つかった生存者を風丸とトルクスが救出していく手筈ではあるが、そんなものがあるはずがなかった。なので、風丸は予定通り、カノンの暴風ではどうにもならないものを移動、トルクスは光で消し飛ばしていく。瓦礫は黒鎖の陣の外側のある点に集められた。


「生存者はゼロか。残念だが、容赦なくできるな。風丸とカノンは範囲外に!」


 アズラは平らになった地面に降りる。


「アズラ!何時でもいけるぞ!」


 ヘーテスがアズラに叫ぶ。


「よっしゃ!鍛冶場、展開!!!」


 アズラが鍛冶場を展開しようとし、同時にヘーテスが黒鎖で作った陣を起動させる。


「空間拡張、、そして、異界化!」


 アズラの鍛冶場はヘーテスの陣の大きさ、つまり、怪物達が軽く収まる大きさで展開される。外から見ると突然、超巨大な建物が現れたような状態であった。


「この建物の中はお前の世界だ。壁が崩れると異界化が解けるから気を付けろ。異界化されたこの領域では、お前はある程度のことは自由に出来る。あと、このレベルの魔法を使える奴らは限られているから、魔法の基準を俺レベルにしてくれるなよ。」


 ヘーテスはそう言うと鍛冶場の外側へと転移する。怪物達は気付いていないのか、戦い続けている。

 アズラが辺りを見渡すとそこには普段よりも数十、数百倍も大きくなった鍛冶場が広がっていた。アズラは試しに転がっていた失敗作に意識する。すると、簡単に自由にそれを動かすことが出来た。どうやら、ヘーテスの魔法のお陰で、普段から自分で動かせる道具は自由に触れていなくても動かすことが出来るらしい。何なら鍛冶場の構造も弄れるようだ。

 アズラは取り敢えず、巨大兵器に失敗作の剣を投げ付ける。それはレーザーで蒸発させられた。


「成る程、これは面白そうだ!」


 アズラは武器庫に意識を向ける。武器庫の扉はひとりでに開き中からは自身が鍛造した様々な武器が出てきた。全てが意のままに操れることと、複製出来ることをアズラは確認した。


「足場と燃料頼んだぞ!」


 トルクスは剣に力を込める。


「任せろ!」


 アズラは鍛冶場の構造、道具の位置、武器を操作して怪物達、特に邪竜に対しての道を作っていく。

 トルクスは人間離れした動きでその道を駆けていく。それに先行して大量の武器が邪竜に飛んで行くがどれも竜の鱗を突破できていない。


「はああぁぁぁ!!」


 トルクスが光を放つ。光は邪竜の鱗を焼き消滅させていくが、邪竜の再生速度がそれを上回るため、実質ダメージは入っていないようだ。

 トルクスはアズラの用意した道を使って邪竜に跳びかかり、眩い光を発している剣を突き立てる。剣は鱗を容易く貫通するが、剣の大きさの問題でほぼダメージはないようなものであった。


「光よ!」


 突き刺さった剣から光が発せられ、光は邪竜の鱗より深くを焼いていく。


グラアアァァァァ!!!


 邪竜が体を振る。光の当たった部分の再生は他の部分よりも遅れている。その状態を見てトルクスは邪竜から一旦、離れる。


「アズラ!予定通り、一気に殺る!」


 そう言うとトルクスは地面に降りる。そうすると、アズラは大量の武器、道具をトルクス周辺に集める。


「変換」


 トルクスがそう呟くと、トルクスと剣は青白く輝く。その周りの武器や道具は光に変換され、トルクスに取り込まれる。

 邪竜はトルクスに対して何かを感じたのか、巨大兵器を思いっきりぶっ飛ばして、トルクスに向かってブレスを放つ。先程までとは比較にならない威力であり、邪竜はトルクスを敵認定をした証拠でもある。

 トルクスはそれに光の奔流を放ち対抗する。魔の力に圧倒的に有利なトルクスの光でも邪竜の本気のブレスを押し返すことは無理のようだ。

 トルクスはそう分かるとさっさと光の奔流を止め、目にも止まらぬ速さで飛翔し、ブレスを避ける。そして、そのまま邪竜を斬りつける。邪竜の体には斬り傷が刻まれていくが、邪竜の巨大さ故に、まだ皮膚までしか傷つけられていない。しかし、邪竜の速度では高速で動き回る光輝く飛翔体を捉えることは出来ず、一方的に斬りかかることが出来ていた。

 邪竜はトルクスに対抗するために、魔力を放出し、数十の龍を召喚する。龍はトルクスにブレスや突撃で攻撃を仕掛けるが、ある龍はアズラに討伐され、ある龍は武器の雨に撃ち落とされ、ある龍は光に呑み込まれ、いずれも光へと変換され、トルクスの力へと変わっていった。

 トルクスは邪竜のブレスや切り裂きを避けながら光を放出して、邪竜を焼いていく。邪竜は巨大兵器の妨害により、思うように動くことが出来ず、トルクスに一方的にやられている。大振りになってしまうブレスは避けられ、眷属は使っても意味がなかった。そして、その状態がしばらく続いた後、遂に渾身の一撃をトルクスが放つ。

 トルクスの手には巨大な光の大剣が握られており、それは邪竜を両断するには十分な大きさであった。邪竜は翼を広げて飛翔して逃げようとするが、黒鎖が邪竜に纏わりつき動きを封じられる。


「あの時と同じように、理性が無い間にまた滅んでおけ、バーバルム。」


 ヘーテスが黒鎖を使い邪竜を拘束しながらそう言うと、トルクスが光の大剣を振り下ろす。邪竜はアズラの妨害により、ブレスを使うことも封じられる。


 邪竜は大剣によって両断された瞬間、理性を取り戻した。そして、理解した、このままでは死ぬと。光輝く飛翔体が放った光は自身の体を焼き消滅させるといくことを。邪竜は取り戻した理性で打開の方法を探す。そして、緑の怪物の核が目に入った。


 邪竜の体は光に焼かれて完全に消滅した。トルクスは全力を出しきり落下するが、ヘーテスの手助けにより、鍛冶場の外のカノンの近くに休ませている。


「相性っていうのは、やはりバランスブレイカーだな。こんなに弱い集まりであの邪竜を倒せちまった。あいつというか、長くを生きた竜/龍は知性を獲得するが、喚んだ奴の描いた陣があの時と同じだったからという点も大きいがな。」


 ヘーテスはそう呟きながら、巨大兵器のほうを見る。巨大兵器は標的を失い、次の標的を探している。そして、緑の怪物は光で大部分を焼かれて失っていた。魔というエネルギー源を失ったため、思うように再生出来ていない。何なら不自然な程にその動きは停止していた。



 



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