39.帰還
カルワルナ近郊の森
空に穴が空き、アルマスと魔女のナーニャが落ちてきた。
「しゃあ!!成功だ!!」
「死ぬかと思った!!!もうこんな体験はこりごりよ!」
どうやら、二人はとても無茶な方法で帰還したらしく、ナーニャは曰く余裕で死ねるような方法らしい。
「取り敢えず、町に行くか。」
アルマスは町に向かって歩き出した。ナーニャはなぜか悪魔との連絡が繋がらないためにそれについて行く。
「なあ、嫌な予感がするんだが気のせいか?」
「奇遇ね。私も。」
転移したアルマスとナーニャは町があったはず場所を見る。そこに町は無く瓦礫もない。ただただ巨大な大穴が空いているだけであった。
「これは俺案件か?」
二人は蛇ゴリラと戦い、漆黒の結晶に覆われた大地にも移動する。
生物の気配はない。結晶に覆われた世界は無機質で何もかもの時間が止まっているようだった。
「やっぱり、誰もいないか。何か過去がわかる物が欲しいな。良いのないのか?」
「そんな都合の良いものありませーん!」
ナーニャはアルマスの問いを大声で答えた。
「そんなのあったら、私が使いたいわよ。」
「そうだ!そうだ!そんな都合よい物があると思うな!」
ナーニャの後ろから声が聞こえ、アルマスは即座に杖を構える。ナーニャ視点だとアルマスに突然、杖を向けられるため、ナーニャは何が何だか分からない混乱状態になっている。
「貴様、誰だ?」
「えっ!何なに!??」
「あれ?もっと驚いてくれると思ったんだがなー。魔女と、、、えーと何だ?白髪赤眼青年?ベースが人間でそこにいろいろ詰め込んでみましたっていう欲張りセットか?その杖は、、、あーね。そういうことか。まあ、人探しガンバ!」
銀髪の男がアルマスをジロジロと見てそう言った。
「突然、人の後ろに立つな!!」
ナーニャが魔法をぶっ放す。男はひょいっと後ろに跳んで躱した。
「危ない、危ない。お嬢ちゃんそんな危険な物を簡単に人に向けるなよ。あっさり、死んじまうからな。で、そこの兄ちゃんの質問だが、そうだなー、本当にたまたま今回の事態に巻き込まれた一般人、純人間だ。ノブとでも呼んでくれ。」
「わかった、ノブ。で、お前、この町で何かあったか、知っているか?」
「ああ、傍観していたからな。詳しい事情も結構しっているつもりだぜ。蛇ゴリラやイグテスの方面も多少は知っているぜ。」
どうやら、ノブは今回の戦い全体を知っているようだ。アルマスと魔女は早速、自身の仲間についてノブに質問する。
「待て待て、一気に聞かれても対応できない。取り敢えず、現在の状況を確認しておこう。あんたらは向こうでどれだけ過ごしていたかは知らんが、今はお前達が消えてから、まだ、一日しか経っていない。」
そう聞きいたアルマスとナーニャは、時間差が生じていることに関しては、取り敢えず突っ込まないようにする。
「で、まず、嬢ちゃんの方からだが、カトがやられた経緯についてだ。」
ノブはカトとトルクスの戦いや、その末にカトが魔槍ルゴーリオを持ち出して城塞を半壊させ、器が耐えれなくなり、あるべき場に取り敢えず帰ったことを説明した。
「カトは悪魔だが、強くてもわかるんだが、トルクスってヤバいやつだったんだな。それにしても聖光か、聖剣使えるかもな。」
「原因を渡した人がなんかいってるわ。」
アルマスとナーニャは二人の戦闘に聞き入り、アルマスは魔法の弱点について思考を巡らせ、ナーニャはカトがやられた理由が分かってスッキリしていた。
「今、トルクスは何処にいるんだ?」
アルマスはトルクスが気になり、ノブに質問する。
「分からない、行方不明さ。多分だけどあの穴の中、奈落にいるんじゃない?ワルドとか、ヘーテスとか、他の奴らも。」
「「は?」」
ノブは何気無いことかのように言った。
「いやー、凄かったよ。本当に一瞬だった。この俺でも瞬時に対応するのは無理だったんじゃないかな。俺も予想していなかった。まさか、第三、、は魔女率いる悪魔だから、第四勢力が出てくるのは想像していなかった。」
アルマスとナーニャはすぐに穴へと向かおうとするが、ノブに襟を掴まれ引き止められた。
「時間はあるから、話くらい聞いていけ。取り敢えず、何があったのかぐらいは知っといた方が再会した時に話が拗れにくいからな。」
そう言うと、ノブは二人を威圧して、座らせた。
「取り敢えず、城塞が半壊する少し前辺りから話そうか。」
そして、ノブの語りが始まった。




