30.討伐
定期テストだぁぁぁぁ!!!!!!
カルワルナの近郊からかなり離れた草原で、現在、蛇ゴリラは目をアズラの奇襲で潰されていた。
アルマスはアズラが奇襲を仕掛けている間に蛇の数を確認する。
「十、二十、、五十くらいか?まだ、生える余地も有りそうだが、、何よりも伸縮自在っていうのが厄介だな。しかも、一体一体がバカみたいに太い。だが、統率はされてないな。」
蛇ゴリラの蛇は最低でも、直径50センチ程度あり、油断すれば一瞬で丸呑みされるだろう。実際、魔獣の大群は既に、ゴリラのエネルギーへと変換されていた。しかし、蛇は体を伸ばすまくって自由に行動しているため、離れた位置に誘き寄せ各個撃破することが可能だった。
「とりあえず、風で妨害しとくね。」
カノンは竜巻を発生させ、蛇をどんどん巻き込んでいく。蛇同士を絡まらせ、岩を巻き込んで、それをぶつけて殺すという戦法でカノンは、蛇の足止めと殺害を行った。彼女によって、発生した竜巻は辺りの木々をなぎ倒し、更地へと変えていった。
アズラは空中に陣地の鍛冶場を展開して、それを足場に迫り来る蛇を叩き斬っていた。彼曰く、展開された陣地は空間に固定されているため、このように鍛冶場を足場にしての空中戦ができるらしい。鍛冶場自体も頑丈であり、蛇の突進程度ではびくともしていなかった。
大量の蛇がアルマスの方にも迫ってくる。アルマスは結界を大量に展開し、蛇の速度を緩める。そして、最も速く、アルマスに至った蛇の真上に、重りを出現させた。
グシャ
蛇の頭が潰れ飛び散った。アルマスは重りを収納して、次の蛇に備える。
グシャ グシャ グシャ…
二体目以降も同じように蛇を殺していった。重りが間に合わないものに関しては、右手の剣で斬り裂いた。
ある程度の処理が終了したら、アルマスはゴリラの後方に向かった。そこには蛇のゴリラの尻尾、最も巨大な蛇が存在していた。
蛇は、ワルドに襲い掛かろうとしている。
「五十八頁、陣を空間に固定、範囲20、対象土、実体化、道具製造、起動」
アルマスは頑丈な筒を作り、中に爆弾を入れ、杖を勢い良く突っ込んだ。
ドーーン!
爆弾は爆発し、杖が蛇に勢い良く飛んでいく。
杖は蛇の頭に引っ掛かり、
「拘束解除」
まばゆい光を放った。蛇は崩れ落ちる。
「拘束、召喚(杖)」
まばゆい光は消え、引っ掛かっていた杖はアルマスの手には、さっきまで蛇の頭部に引っ掛かっていた杖が召喚された。
蛇の頭は塵となって飛んでいった。
ゴリラに関しては、ワルドと風丸が追撃している。風丸は転移で接近して、少しずつダメージを与えているようだが、蛇が邪魔で、あまり思うように攻撃できていないようだ。
「蛇ウゼー!!!」
ワルドは叫びながら、蛇を握りつぶす。ワルドはいつもより巨大になっており、全長は10メートルに届きそうであった。その巨体を生かし、ワルドは蛇を潰し、切り裂きまくった。
ワルドと対峙していた蛇はいなくなり、前にいるのは視力を失った巨大ゴリラだけだった。
ワルドはテキトーな方向に腕を振り回すゴリラに急接近し、まずは肩に突進する。
ゴアァァーーー!!
ワルドの体の棘や腕が刺さり、ゴリラは叫ぶ。すぐさま反対の手でワルドを掴み地面に叩きつける。
「アガッ!」
ワルドは地面に殴り付けられる。地面は大きく凹んでいるが、ワルドは辛うじて意識をたもっている。ゴリラの手は、ワルドを掴み叩きつけたことで深い傷がついていた。
「これでもくらいやがれ!」
ワルドは自身の怪物化を解除して、纏っていた鱗を一気にゴリラに発射する。
鱗は鋭く頑丈で、容易くゴリラを貫いていく。
しかし、傷は深くとも、大きくは無いため、簡単に自動再生されていった。体に残った鱗は分解され、エネルギーへと変換された。
ワルドは風丸の転移でゴリラから離れる。
ゴリラの再生速度は最初よりも上がってきているようにも感じられる。アルマス達が処理しているため、ワルドには被害が出ていないが蛇の蘇生も始まっている。目と肩、
ワルドは怪物になるために、鱗を生成しようとするが、少し考える。鱗一個一個を滅茶苦茶でかくして、外骨格みたいにすれば大幅に巨大できるのではないかと。
彼の行う怪物化は厳密にいうと、大量に鱗を生成して、それを纏い操るということである。彼自身は何も変化していなく、かなり鱗の塊が動いているだけである。彼が操作できる鱗の数だけには限りがあり、大きさは関係ない。生成の難易度が激変するだけだ。
「やりたい事が出来た。時間稼ぎ頼む。」
ワルドは風丸に時間稼ぎを頼んだ。
「わかった。どのくらいだ。」
「一分だ。」
風丸は抜刀し、転移した。
「とりあえず、やってみるか。」
ワルドは鱗の生成を始める。いつもならば、意識せずに瞬く間に行っている作業に集中した。
とりあえず、普段、生成している鱗は基本的に5cmほどのところを30cmくらいで生成し、その後、どんどん大きくしていく。1mほどのものが出来た時、ワルドの頭にとある設計図が浮かんだ。ワルドはその思い浮かんだ設計図通りに材料を作成していく。あと少しで材料が揃うとき、ワルドはとあることを思う。
「俺って、自分の能力についての解釈、間違ってるくね?」
ちなみにまだ、30秒も経っていない。
遠くから、アルマスは蛇を切りながら、ゴリラのほうを見る。視線の先では風丸がゴリラの腱を切り、バランスを崩させて時間を稼いでいる。
「流石、風丸だな。あいつ、転移抜きでも普通に強いし、絶対本国ではお偉いさんだな。ワルドは、、、なんだありゃ?鱗ではないぞ?」
アルマスはワルドが巨大な黒い柱や若干丸みを帯びた太い板を生成しているのを目撃する。その数は途轍もない。
「あいつ自身が隠してた線は薄い気がするから、解釈を間違えていた感じか?大陸きてから、いろいろ試すって言ってたし。」
アルマスはワルドの日々の行動、ハルル時の対応から、彼が能力をしっかり把握していないということを考えた。
実際、ワルドは故郷で能力をまともに使ったことはなく、本格的に使い始めたのはアルマス達と会ってからだった。
そうこうしていると、生成が終わり、組み立てが始まる。巨大な柱が骨格となり、周りを板が覆っていく。ベースは今までとそこまで大差はない。しかし、鱗によってザラザラしていた外皮は、光沢が見えるほどに変化しており、腕は新たに4本、脚は2本の追加された。顔は丸みを帯び、若干、角とかが装飾されている仮面のようなものを付けていた。何よりも巨大であり、そのデカさは100mを超えそうであった。
「纏うではなく、搭乗だな。」
100m級の黒い怪物となったワルドは簡単にゴリラを上空にぶっ飛ばす。
「あ、仮面が裂けた。」
仮面のような部分の下の方に横に亀裂が走り、ギザギザに裂けて口のようになる。
ピカッ!
怪物の体の隙間から、青白い光が漏れ、口からは光線が吐かれた。
この一撃により、蛇ゴリラは蒸発し、アルマス達による蛇ゴリラ討伐は終了した。
あと、ワルドは操縦に慣れていないのか、歩こうとして思いっきり倒れた。




