25.救助
宿
突然、アルマス達は禍々しい力を感じた。
今日は学校は休みであり、資格試験を受けに行っているカノン以外の四人が宿でゆっくりしていた。
「おい、今の森の方か?」
ワルドが力の発生源について確認する。
「救助活動するつもりか。」
アルマスが尋ねる。
「もちろん、他に行くやつは?」
ワルドが自分以外に救助活動にいく奴がいないか聞く。アルマスと風丸は行くと答える。
「僕にとっては、人類がこの先、自分と共に歩むことができるのか、またその価値があるか分からないから、人を不特定多数救う行動は控えさせてもらうよ。」
ハクは参加しないと言った。
アルマス、ワルド、風丸はすぐに装備をもって、外へと飛び出した。公道での能力の使用は禁じられているので彼らは町を駆け抜け、関所を通って町から出た。
三人はアルマスと風丸の二人とワルド一人で行動することにして、二手に分かれた。
ワルドは黒い怪物と化し、空を駆ける。至る所に魔獣があふれかえっており、空にも鳥型の魔獣が大量にいる。ワルドは手始めに空の魔獣の殲滅を始めた。
殴り、蹴り、食らい付き、尻尾を叩きつけて殺していく。ここには化け物みたいな個体はいないようだ。発生源の方には、まあまあ、強い奴らが大量に存在しているが、一人で言っても無駄死になので放置することにした。
ワルドは少し遠くに魔獣が特に集中している部分を発見した。
「ヤバい!あそこに獲物があるってことだよな。」
ワルドは魔獣にとっての獲物つまり、人間がいると思い、そちらへと駆け出す。そして、
ドーーーン!!!!
「間に合った!!やばっ巻き込んだか?」
ワルドはワルセぺスの前に降り立ち、自分の衝撃で生存者を巻き込んだのではないかと焦っていた。
「お前は何だ?」
ワルセぺスがワルドに問う。さっきまでとの魔獣とは明らかに格が違う。しかし、理性はあるので、見逃してもらえるのではという希望にかけて。
「あ~、すまん。俺は人類だ。こんな姿だが、まあ、能力ってことで納得してくれ。」
ワルドの言葉に安心し、気を失う。どうやら、魔獣にもらった一撃がかなり深かったようだ。
ワルドはとりあえず、周りの魔獣を一掃し、アルマスらと合流し、ワルセペス達三人とアルマスらをワルドは背中に乗せて、町に戻った。
アルマスは三人を風丸らに託して、役所に来ていた。役所にはすごい人集りが出来ていた。
「おい!何が起こってるんだ!?説明しろ!」
「森の方に大量の魔獣が出たらしいぞ。」
「ここは安全だよな!?」……
ギャアギャア騒いでいるのは、町の商人や住民達であった。アルマスは正直にこのまま真実を言ってもパニックになるだけだと考え、領主の方などの動きが遅いのなら、さっさとここを出ていこうかと考えてもいた。
そうこうしていると役所の中から、一人の男が出てきた。
「領主様より、伝言を預かった。要約して読み上げる。心して聴くように。現在起こった現象は大規模爆発型魔獣発生である。近郊の森の北側を発生源とし、に数万から数十万の魔獣で埋め尽くされている状況にある。よって、他の都市への逃亡は絶望的である。」
男は淡々と読み上げる。集まっていた人間達は想像以上の絶望的な状況に呆然としていた。
「そのため、我々は防衛機構を使い援軍が来るまで籠城することを決定した。そのために年が16以上の男、大砲が使える者、狩人を徴兵することになった。対象の者は関所付近に集まるように。以上!!!」
男はそう言うと役所の中に入っていった。それと同時に町も騒がしくなってくる。どうやら、さっき言葉は町全体にも、なんらかの方法で届いていたようだ。
状況を把握し始めた人間がパニックを起こしそうなので、アルマスはさっさと戻って、カノンらと今後どうするかを話そうと、まずはワルドと風丸がいる病院へと向かった。




