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聖剣の担い手探し  作者: かざむき
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12.英雄

 ダカスが砲手を始めて一時間が経過した。ハロンクなどはダカスが砲手をやることを想定して補給物資の運搬に行かせているので、キャンプ場の方で問題が起こることはない。ファルは新しく来た銃の練習をヴァルナは弓矢でダカスの援護をしている。アルマス、ワルドは砲弾の、ハクは火薬の補給を手伝っていた。


「ファルさん、ここの砦って最近建て直しました?」


アルマスはファルに質問した。ファルは射撃しながら、


「弾丸の運搬ご苦労さん。砦は二年前に改装して、、、そういや半年前に大穴空けられて、それを直したくらいだぜ。」


と答えた。


「大穴?強力な奴でもきたのか?」


「いいや、火炎弾を吐く鳥型魔獣に砲台が一つやられてな、火薬に引火して大爆発したのさ。幸い死者は出なかったがな。強力な奴、特殊個体は五年前に来たぜ。そいつがリアナ区域の施設はほぼ壊されるし、魔獣が大量に入ってくることになった。」


アルマスは第五騎士団の本部がテントであることに納得がいった。


「ではその個体はどうなったんでしょうか?」


「まだ、砲兵だったダカスさんに討伐されたぜ。ありゃ、凄かった。英雄だよ、あの人は。」


ファルは特殊個体について語った。


「まず、特殊個体、言いにくいな。怪物としよう。怪物はベースが狼みたいな感じで、足が六本、頭が二個、尻尾は先端が巨大なハンマーみたいになってるのを持っていた。しかも、背中から先端が剣みたいに鋭く、伸縮可能な太い毛、いや触手が数百本生えていた。」


「大きさはどのくらいでしょうか?」


アルマスは疑問に思ったことはすぐ質問した。


「あぁ、全長は大体、、60mくらいだったと思う。あの怪物レベルの奴は魔獣の大量発生以前から稀に起きてはいたさ。戦場はここらより南、キャンプ場辺りだったか。」


ファルはダカスと怪物の戦いについて語り始めた。


 草原に一人の男、ダカスが立っていた。鎧ではなく軍服を着ており、見える武器は腰に差してあるロンクソード一本と大砲が一門であった。彼の目線の先、距離にして500m先には昨日泊まっていた瓦礫と化した第五騎士団の本部の要塞と巨大な怪物がいた。

 彼は怪物が要塞を破壊している間にここへ避難し、遠くから怪物の暴れようや特徴を観察していた。そして、怪物が要塞に興味をなくし、何処かへ移動しようしている。


ドゴーーン!


彼は怪物を砲撃した。彼は大砲に着火した素振りもなく、何なら大砲に砲弾は元々、装填すらされていなかった。


ドゴーーン!  ドゴーーン!    ドゴーーン!

    ドゴーーン!……


連射機能がなく、砲弾すら装填されていない大砲で彼は数発の砲弾を怪物に浴びせた。そして、怪物は彼の存在を認識した。


グガァァァーー!!!


片方の頭が彼に向かって吼えた。彼は北西方向に走り始める。刹那、怪物の口から光線が放たれた。彼がもといた場所に強烈な光が当たり草は焼け、大砲は溶けていた。

 彼は煙幕を辺りに投げつけて自身の位置を誤魔化した。彼は怪物にただ走って接近していく。怪物との距離が200mをきったところでついに煙幕がきれ、怪物は彼を見つけた。


グガァァァーー!!

   グオォォォーーー!!


怪物は彼を向き、両方の頭が咆哮する。


ドゴーーン!ドゴーーン!


大砲の音が二回なり怪物の口内は爆発した。彼の後方には大砲の砲身だけが2本ほど煙を上げて転がっていた。


「この砲兵ダカスが貴様を討伐する者だ!!知性があるなら覚えて死ね!!!」


ダカスが叫んだ瞬間、彼の周りに大量の砲身が現れる。


ドドドドドドドドド……!!!!!!


現れた瞬間に砲弾は発射され、怪物の至る所に命中していく。彼は走って怪物に接近しつつ、砲身を出現させ続ける。砲身は発射が終わった後、すぐ消えるようだ。

 遂に怪物は足を動かし始めた。怪物は大地を駆け回り、触手で斬りかかってくる。定期的に口からは光線が向けられた。

 彼は触手は砲撃で、光線は巨大な鏡を出現させてしのいぐ。しかし、全ての攻撃は怪物が駆け回っている影響で四方八方から飛んでくるため、彼も高速で走り回って避けまくることが必要とされた。

 ダカスは靴の裏に箱を出現させる。箱は出現した瞬間小規模な爆発を起こし、彼はその勢いを利用し、空を駆け始め、高速移動をやってのける。彼の後ろを触手が追う。

 彼は空を駆けつつ怪物に砲撃と使用後の砲身という落下物を浴びせた。


 膠着状態が続く。かれこれ本格的な戦闘が始まって、既に三十分が経過していた。ダカスはひたすら砲撃する。怪物の触手は反射させた光線や砲撃で少しずつ減っており、なくなるのは時間の問題だった。

 突然、怪物は大きく跳躍した、空を駆けるダカスより高く。そして、空を駆け出し、彼にハンマーのような尻尾振り下ろしてきた。怪物は空を駆けられるという不意打ちにダカスは回避が遅れ、地面に叩き付けられた。幸い、盾とクッションは間に合い大きな怪我には繋がらなかった。

 怪物はここぞとばかりに光線を浴びせた。彼はさっきまでと同じように鏡で反射した。この時、ダカスに勝利の女神が微笑んだ。


グガァァァーー!!!


怪物が吼える。しかし、これは威嚇ではなく、苦しみだった。反射された光線が怪物の目を全て焼いたのだ。

 空を駆けていた怪物は墜落する。ダカスは変わらず砲撃を続けた。怪物はただ砲撃がする方向に突撃する。目をやられて激怒し、触手や光線を使うという知性は残っていないようだった。


「待ってたぜ!!この時をよ!!!!」


 ダカスは叫び、怪物の直下に移動する。そして、今までよりふた回りほどデカイ砲身に切り替え200門出現させた。


「ぶっ飛べ!!!」


ドゴーーン!!!!!!!


一斉に発射され、怪物は宙に舞う。ダカスも空を駆け、


「抜刀」


怪物の首を両方斬った。



ファルの語りはここで終わり。

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