9.作戦会議
ザッザッザッ! バサッ!
「こちら、第五騎士団所属の伝達兵サルヤです。先日のジャングル火災の報告に上がりました!」
サルヤという青年が草原に張られたテントの中でも最も大きいテントへ上がった。中には大きな台があり、その上にここら周辺を示した地図が広げられている。その周りには椅子に座って黙々と今後の策略を練っている人達がいた。
「まず、焼失範囲についてです。現在分かっているのは発生源、つまり、リアナ海岸から東に80km進んだ付近から、約半径100kmの範囲が完全に焼失しております。現在、北方向以外に関しては消火が完了している状態にあります。また、人的損害はゼロです。
次に原因についてです。火災が始まったと推定される時刻にジャングルで魔獣掃討作戦を行っていた兵士から爆発音を聞いたという報告が上がっていたことから、巨大な爆発が起こったと考えています。爆発を起こした存在については判明しておらず、現在は変異種、特殊個体が有力だと考えています。
最後に今回の作戦への影響についてですが、火災によりかなりの魔獣が焼死、北へ逃亡したため順調に進んでおり、残り数日で完了する見込みです。」
サルヤが報告を終えると、白髪の男性がサルヤに指示した。
「報告ご苦労、サルヤ伝達兵は作戦の方針を伝えて欲しいからここで待機してくれ。」
サルヤは入り口付近で待機した。
「では、これから正式に第十一回作戦会議を始める。進行役は第五騎士団副団長ハロンク=マロンスが務めさせて頂く。」
白髪の男性、ハロンクは地図上の'リアナ'と書かれている辺りを指した。
「まず、第三次リナア地域魔獣掃討作戦の進捗をタノラ隊長、頼む。」
ハロンクは赤髪の青年に話をふる。
「はい!一班隊長のタノラ=デ=ラヨンです。まず、先ほどの報告にもあった通り最大の難関と考えられていたジャングル区域については火災の影響もあり、残り数日で終わると考えられます。
次に南方向の山岳区域については既に地上の掃討は完了しております。しかし、洞窟の関係もあり地下がどうなっているかは不明です。
最後に草原区域は絶えず北方向からの魔獣の侵攻は続いておりますが、砦で問題なく抑えられています。」
「タノラ隊長ありがとう。では、ここまでで質問はあるかね?」
タノラの話が終わり、ハロンクが質疑応答の時間を取るが誰も質問はなかった。
「では、次に作戦を練ろうと言いたいところではあるが、作戦はほぼ完了に近いため、話し合う事もない。緊急時は以前作成した資料に基づいて行動するように。」
少し間を置いて、ハロンクはジャングルを指した。
「では、最後に火災の原因の話である。兵士の間では変異種、特殊個体という噂があるが皆はどう思う?」
ハロンクが質問を投げかけると黒髪でがっしりとした男が発言した。
「ご存知の通り団長のダカスだ。俺は最後の一が出現したのではないかと考えるのだがどうだ?」
すると、金髪の青年が発言した。
「四班のルサス=プリズアです。私は先日、出現したハルルの余波により、何かしらの物体が漂着し、それが猿などの手で運ばれ「会議中、失礼します!」
ルサスの話は急ぎで来た伝達兵によって遮られた。
「報告します。現在ジャングルで5人組の旅人とこちら側の誤射が原因で交戦中です。全員が能力発現者と考えられ至急応援を頼みます!」
伝達兵は余程急いで来たのかその場で倒れた。
「面白い!!会議何ぞ、こりごりだ!!!」
ダカスはそう呟くとジャングルへ駆けていった。
「「「「「団長!????」」」」」
テント内は呆然とした空気に包まれた。




