第四話 「個人を救えるのは笑いだけ」
「個人を救えるのは笑いだけ」
書評に出てた言葉
お笑いの人の言葉らしい
お笑い界も
人気が出ると新自由主義になる人が
多いらしい
オレ達は頑張ったから成功した
贅沢は当然の権利
うらやましかったら
お前たちもガンバレ! というやつだ
ところが
そうじゃないだろう と
庶民感覚でお笑い続けてる人もいる
そういう人は知られていない
そういう人たちの値打ちは
大観衆やテレビでは
伝わらないのかも知れない
やけ酒のんだり 自暴自棄になったり
そんな人たちにこそ効く笑いは
そういう人の ほとんどいない寄席で
今日も 空回り
もっとも 「個人を救えるのは笑いだけ」の言葉
読んだ時には響かなかった
自己嫌悪ウツで
きついなあ と思って
ため息ついて ヤケで菓子食って
なんとなく眺めていたSNSで
おもしろ動画見かけて 思わず笑って
ようやく実感できた
「個人を救えるのは笑いだけ」
ほんとそうだ
落ちて 思い出して しみてきた
ちなみに、他人の失敗映像とか見て
バカだなあ と 云いたくなるが
バカにしてるわけじゃない
自分と同じだあ という意味だ
自分も 他人から見たら
あんな感じなんだなあ と思えて
笑えてくるのだ
それが証拠に あとで泣きがくる
バカの内側は うつでも
外側は おもろい
外も内も おもろい アホとは
そこが違う
どうせ まともになれないのなら
アホ になれる日を夢見るか
アホには 学歴も資格も
年齢制限も要らないからなあ
可能性はありそうだ
そこまでいけたら
愉しいだろうな……