第三話 「うまい話」と「運」の話
成功は「運」で決まるという、成功者のお話を参考にしながら、自分なりにもう少し考えてみました
「こうすればいいんだよ」
という話は、おもしろいが、この歳になると、どうも
「だから、オマエはダメなんだ」
というように聞こえて、苦しくもなる。
しかし、そういう話が近頃、やたらと聞こえてくるのだ。
今日聞こえてきたのは、『運』について
「すべての条件が揃っているのに成功しない人もいれば、たいしたことないのに成功している人もいます。世間では、能力や判断や頑張りが重視されますが、もっと『運』に注目すべきですね。
ただ、何もしないで待っていても『運』はやって来ません。たとえ目の前に『運』が流れてきても、こっちがダラけていれば、つかめません。その意味では、意欲と努力は大事です。
そういうことを科学的に研究した学者がいるんです。運の良い人と悪い人を○○人ずつ集めて、比較をした。
最初に、隠したコインが表を見せているか裏を見せているか。それを当ててもらったところ、両者に差はありませんでした。これから投げるコインが、どちらを見せるのかという予測にも差がなかったそうです。つまり、超能力のようなものはなかったというわけです。
しかし、幾つめ目かのテストで差がはっきりと現れました。どんなテストをやったかというと、新聞を見せて、そこに写真が何枚掲載されているかを答えてもらった。ただし、時間制限ありです。普通に数えていては、間に合わない時間を設定して、答えさせたのです。
すると、『運』の良い人の人の正解率が断然、高かった。
理由は何んだと思いますか?
計算能力が異常に発達してたからでしょうか?
それとも、瞬時に数が読める特殊な能力の持ち主だったのでしょうか?
正解は、そのいずれでもありませんでした。
答えが新聞の中に書いてあったんです。それに気づいたかどうかの差……」
とまあ、そんな話だった。
その新聞の中には、「この紙面には○○枚の写真が掲載されています」と、ちゃんと大きな文字で書かれてあったんだそうだ。運の良い人たちの中には、それに気づいた人が多かった。
したがって、研究の結論は、こういうことになる。
「『運』の良い人は、いつもチャンスを探している」
「『運』の悪い人は、そもそも幸運を期待していない」
話を聞いた後、自分なりに、もう少し考えてみた。
世の中には、「うまい話には気をつけろ!」という鉄則もある。崖っぷちを歩いているような貧乏人には死活問題だ。
チャンスを探しつつ、罠を避けるにはどうすればよいか? 実戦においては、そこが問題だ。
よく知らないことには手を出すな、ということは大きなポイントになりそうだ。
特別にスゴイ人でなくても、十年も同じ仕事をやってれば、その分野において見る目がないほうがおかしいから、チャンスはやはり自分の得意分野で探すべきではないか。
ただし、同業者が注視している場所で、掘り出し物を探すのには無理があるので、探す範囲は広げた方が良さそうだ。
そこまで考えると、『運』の良い人というのは自分の目や勘に自信がある人、と云い換えることが出来そうだ。自信がなければ、積極的に掴みにいくことが出来ない。
では、自信はどうすれば生まれるか? そこで、努力や苦労といったことが必要になってくるのではないか。
さて、予想外にカタイ話になってしまった。申し訳ない。底辺のくせして、『運』の話などしたものだから、余裕がなくなった。仕方がない。おやすみなさい と 寝オチ・・・
オマケ
「あの人、失敗したんだって!」
「ふうーん」
幸福や成功のセオリーに、素直になれない自分がいます。しかし、最近、やたらとそういうお話を耳にするので、そこには何か意味があるのかと。ブンガク的には、そのズレを探っています!?
ありがとうございます