第十話 ドリームキラー
今日、聞こえてきたのは、「コーチング」の話のようでした。そっちを勉強された方にとっては、何も得るものは無いかと思います。初心者向けのお話。
表題は穏やかじゃない言葉ですが、意味は簡単です。
たとえば、子供がサッカー選手になりたいとか、ミュージシャンになりたいと云い出した時に、「親身になって」、「もっともらしい理由をつけて」、潰しにかかる人のこと。往々にして、親や教師や親しい人がそれをやる。それで伸び損ねる子供がいるのだとか。
こう云っても、「自分の子供や生徒に才能があるかどうかはわかる! いい加減な気持ちで忠告したんじゃない!」という反論が返ってきそうですが、ラジオの人は「コンフォートゾーン」と「潜在力」という言葉を使って、ドリームキラーの問題を説明されていました。
「コンフォートゾーン」とは何か?
検索すれば、ちゃんとした説明が出てきますので、関心のある方はそちらを参照していただくとして、狭い意味は「居心地の良い場所」。
コーチングで使われる場合は、多くの人にとって「今の状況」ということのようです。低賃金の非正規で未婚で安アパートに住んでいようと、それを変えようとしていなければ、安住している可能性がある。
その場合、その人の潜在力はどう発揮されるかというと、その生活が変わりそうになる時。「頑張れば、正規にしてやるぞ」なんて声をかけられた時に、逆に、(そのほうがリスキーだ!)というように感じて、断る理由を考え、勇気を出して断る。潜在力がコンフォートゾーンを守ろうとする。ある意味、それはとても自然なことなんだそうです。
が、平均的な収入があり、家庭があるというような生活なら、それを守ろうとするのはもっともですが、底辺でもそれに慣れてしまうと、そこから抜け出したくなくなる。それは、一般的に云えば、その人の意志とか自由というよりは萎縮ではないかと。一般的には、ですよ。個別の判断はとても難しい。
で、コーチングというのは、その人が本当に現状を望んでいるのか? いろんな思い込みを取り除けば、本当はやりたいことがあるんじゃないのか? そういうアプローチをするみたいです。
結果、本当はその人は○○がしたかったと。それが判明すると、その人にそれをはっきりと自覚させる。
ベタな例ですが、たとえば、田舎で陶芸がやりたかったとしましょう。そのことに気づけば、その人のコンフォートゾーンは、そこになる。今のバイトをしていても、そこには近づけない。すると、潜在力は、コンフォートゾーンに近づくために力を発揮するようになる。要するに、陶芸につながるようなバイトに変えるとか、陶芸の出来そうな田舎に引っ越すとかですね。
冒頭の子供の話に戻ります。
その子が本気でサッカー選手やミュージシャンになりたい思っているのなら、それに向かって舵を切ることで、その子の持ってる潜在力が発揮されるようになる。それが大きい。
サッカー選手やミュージシャンになれなくても、それはいい。潜在力を発動させることを覚えることが大事。その感覚を覚えると、他の仕事についてもそれをやる。当然、並の人よりも良い成績が出ます。
一方、夢をあきらめさせるとどうなるか?
その子は自分の潜在力を発揮する機会を失う。その情熱を学校の勉強に向けてくれれば、と周囲が期待しても、そううまくはいかない。ふつうの努力がせいぜい。つまり、凡庸な成績で、その子も自分は凡人だと思い込むようになり、そこで人生が決まってしまうおそれすらある。
じゃあ、そんな感じで大人になってしまった者は、絶望か?
大人だってコンフォートゾーンを変えることが出来れば、変われる可能性はある。コーチングの人ならそう云ってくれます。まあ、しかし、長い時間続けてきた生活を脱するのは、大変です。世間的には、どんなに酷い生活でも。
ヒントになるかなと思えたのは、次の点。
自分個人で実現可能な目標だと、バカヂカラは発揮されにくいそうです。逆に、自分だけでは無理。誰かの協力が必要、多くの人の協力が必要な場合に、大きな力が発揮されるのだとか。
たとえば、小説家になりたい、では爆発力がない。声を上げられない誰かのために、見過ごされがちな大切なことを伝えるというような時に、特別の力が発揮される。社会問題を書くということでなくても、自分のことを書くにしても、外が意識されないとダメなのかもしれません。
敢えて、ダメと云いましたが、自分自身のことを思い浮かべると、厳しく云いたくなります。荒療治が必要だ。意識を外に向けさせないと、たぶんズルズルと行ってしまう。もう時間が経つのが早いのなんのって。
わたしの場合、問題は「ドリームキラー」と云うより「オープンキラー」か。外とつながろうとすることを阻む何かが自分の意識に巣くってる。今の状態を守っても埒があかないのに……。
その虫を追い出すにも、窓を開けないといけない。換気が悪いから虫が湧いたのか。世の中、うまく出来てる~
余裕のない文章で、不快な思いをさせてしまってたら、ごめんなさい。ありがとうございます。