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comimi ポケット  作者: ひあし伸歩
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第一話 「超人の世界」を見たくはないか?

アスリートとしては並みだった子どもが、トップレベルに成長できた理由は……。

また、その極意はスポーツに限らず、人生そのものを変えてくれた……。

 第一話 「超人の世界」を見たくはないか?


 あるところに、泳ぎの上手な少女がいました。小学校では、ぶっちぎりの一番です。地区大会に出ても一番でしたが、しかし、ぶっちぎりではありませんでした。ぎりぎりでした。そこで県大会の入賞タイムを知りました。このままだと県大会では勝てません。

 どうしたら、そんなに速く泳げるようになるのか? 先生に質問すると、先生は強豪校に連れて行ってくれました。練習を見学させてもらえるよう頼んでくれたのです。ものすごい練習が行われていました。頑張って練習するしかないとわかりました。

 それから、その強豪校の練習に倣って猛特訓し、その甲斐あって県大会でも好成績を上げることが出来たのですが、うれしかった反面、限界も感じました。これ以上、やれないというくらい頑張ったのに優勝が出来なかったからです。

 ただ、頑張ったことは無駄ではなく、運命の扉はちゃんと開いてくれました。というのも、特別講習会に招待されたからです。トップコーチに指導してもらえるチャンスでした。そこで知る人ぞ知る名コーチと出会うことが出来たのです。


 本番さながら全力で泳ぎ切った後に、こう声を掛けられました。


「〇美、しんどいか?」


 ゼーゼーハーハー、「……はい」


「どうしてしんどいか、わかるか?」


「ぜ、全力で泳いだからです」


「全力で泳ぐと、どうしてしんどくなるんだ?」


「…………」


「それ以上やると、危険だからだよ。身体がブレーキをかけてくるんだ」


「はい」


「それ以上は、超人の世界なんだ」


「…………」


「〇美、オマエ、超人の世界を見たいと思わないか?」


「見たいです」


「じゃあ、もう一本、やるぞ」


「はい!」


 その時を境に、<猛練習=しんどい>というのが<猛練習=スゴイ世界に行ける>に代わったのだそうです。そのギアが入らないと、とてもトップ選手にはなれなかった……と〇美さんは語っておられました。


 〇美さんは、現在、スポーツとは違うお仕事で活躍されてるのですが、それはその時の経験を応用することが出来たからだとか。


「現実というのは、事実だけではありません。自分の現実は<事実+自分の認識>です。そのことに気づかせてもらえたことで人生が変わったと思います。

 日々刻々と起こる事実は自分では変えられません。でも、認識が変われば苦しい練習だってワクワクするものに変わった。認識は自分で変えられるんです。現実は厳しくてどうにもならないものではなく、半分は自分次第なんですよ」



 今のパンデミックについても、さまざまな見方、考え方がありますが、それも<事実+自分の認識>であって、受け止め方とその後の行動で、かなり変えられる余地がある。

 何も起こっていないと思うのも、終末だと嘆くのも、そういう認識をした人にとっての現実。そうではなく、おかげで、こんないいことがあったとか、新しいことをはじめられたとか、そっちに行っても構わないわけです。実際、そういう人たちもいる。

 プラス思考とちょっと違うのは、世間的な価値観でプラスなことをやろうとするんじゃなくて、自分が愉しいと思うことを基準にするということでしょうか。


 確かに、それが出来れば、いわばハンドルを動かすようなもので、進めば進むほど、その差は歴然としてくるのでしょう。希望に満ちた話であると同時に、今のままでいることが、ちょっと怖くなりました……。



受け売りじゃないか! と聞こえてしまうと失敗作。そうなるかどうかの一線は、自分の中で再生したものをアウトプットできたかどうか……。いかがでしたでしょうか?

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