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脱獄王の計略  作者: 青空
6/6

答え合わせ

お読み頂きありがとうございました。


それではさっそく回答を。


と言いたいところですが、まあそう慌てずに。


まずは、第一部分の『腕試し』に仕込んだお遊びをちょこっと解説していきます。


大した謎でもないので、おそらく優秀な皆さまなら、すぐに気が付いたかなと思われます。そう。本作の主人公は、()()()()()()()()()()()。ということに。


ええ。看守は賭けを仕掛けてきた壮年の男性一人だけ。じゃあ主人公はなにかというと、当然、監獄に連れてこられたただの()()です。


つまりこのゲームは、囚人として連れてこられた主人公が、勝負に勝って釈放されるか負けて死刑囚になるかを賭けた恐ろしいゲームだったんですね(笑)


看守さんもこう言っています。


「勝ったらお前はここからおさらば出来る。が、もし脱獄されたならお前が次の死刑囚だ。なかなかにスリリングな面白れぇ賭けだろ? せっかくだ。人生最後まで楽しめや。新入り」


と。


さらに、郷田 啄夫さんとの会話でも


「おいおい。もったいぶらずに教えろよ。どうせ上司をったとかそんなもんだろ? もしかして、シャブったのか?」

「まあ、当たらずとも遠からずって感じですかね。あ、シャブってはいないです……」


この主人公、実は殺人を犯してこの監獄に連れてこられた凶悪犯。決して上司を殴って出向させられた看守とかではありません。シャブ(薬物)もやっていませんけど……。


それから、九ノ葉 佳香さんとの会話もダミーです。


「いちおう唾つけとこうかね。どうしても抱きたいときは声かけな。ここから出してくれるってんなら、気持ち良くイカせてやるからね」

「お、覚えておきます」


はい。これは全くの戯言でした。まるで看守を誘惑しているような言いぐさですが、囚人である主人公にそんなことは出来ません(笑)



さて、場も温まった(?)ところで本題に入りましょう。作中のヒントを順番に説明していきます。なお、これ以外の内容は全て、回答に関係ないただの戯言です。



<ヒント1:看守とのお話>


「お前もこんなところに飛ばされるとは災難なやつだな。まあお前みたいな能無しも()()()も、俺は大好きだぜ。どうだ? たまには囚人どもと遊ぶのも一興だろう? ここはひとつ、賭けでもしようじゃないか」


はい。看守はここでさり気なく自分の好物をアピールしています。


用無し ⇒ 洋ナシ


この男性看守は『洋ナシ』が大好物なんですね(笑)



<ヒント2:南二城 岩尾さんとの会話>


「あんなもの人間の食うもんじゃない。パンなんて溶かしたらドロドロの糞だ。鼻をつまんでも流し込むだけで精一杯。あ~思い出したらまた吐き気が……」

「マジですか。デザートも()()ですか?」

「ああ。どうせならもう少し気を利かせて欲しいもんだ」


はい。監獄での食事にはパンとスープ。そして、デザートである()()がついてきます。


岩尾さんは「どうせ(デザートを出す)ならもう少し気を利かせて欲しい」と言っていました。贅沢な野郎ですね。



<ヒント3:二虎田 遂さんとの会話>


「メニューはいつも変わらないんですか?」

「まあ和洋中あるが、中身は大して変わらねぇ。ちなみに明日は洋の日だ」


はい。メニューの中身はほぼ変わりません。ただしナシの種類は和洋中あり、ちょうど明日は()()()の日だと言っています。



もうここまで来たら、薄っすらと分かった方もいるかもしれませんね。さぁ参りましょう。これが作中で一番難しいところだったかと思われます。



<ヒント4:囚人の名前がアナグラム>


作中にある一文


“ 会話を終えたらここへ戻り、情報を整理すること ”


がヒントでした。


郷田 啄夫  ⇒ ごうだつくお  ⇒ だつごくおう

九ノ葉 佳香 ⇒ くのはけいか  ⇒ のけいかくは

南二城 岩尾 ⇒ なにしろいわを ⇒ なしをわいろに

二虎田 遂  ⇒ にこだとげる  ⇒ にげることだ


これを並べると


だつごくおう のけいかくは なしをわいろに にげることだ


⇒“ 脱獄王の計画はナシを賄賂に逃げることだ ”


となります。



これらのヒントを組み合わせると、脱獄王は『洋ナシ好きの看守』に、『明日の食事で出される洋ナシ』を『賄賂として与える』ことで、『脱獄する計画』を立てていることが分かります。


はい。四人の中でこれをしようとしているのは一人だけ。彼は会話中にこんなことを言っていました。


「明日のメシはいらないと看守に言っておいてくれ」

「伝言ですか?」

「ああ。俺の代わりに食っていい。そう伝えてくれるか?」



なんと看守に明日のご飯に出されるデザート『洋ナシ』をあげています!


これが賄賂ですね(笑)


というわけで、脱獄王は


【南二城 岩尾】


暇つぶしになりましたか?





最後ちょっとだけ宣伝を……。


本作とは全く関係ありませんが、以前に投稿した「お地蔵様と桜の木」という作品。これも少し面白い仕様の作品になっています。具体的にいうと、読者の想像力、捉え方しだいでエンディングが変わる作品に仕上げたものです。


私が仕込んだエンディングは三つ。良かったら暇つぶしに読んでみてください。

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