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脱獄王の計略  作者: 青空
1/6

腕試し

――…キィ……カタン。


「うっ」


錆び臭い鉄扉を開けて中に入ると、まるでごみ溜めのような、絡みつく腐乱臭が鼻をさす。


オイルランプの弱々しい光に照らされた陰気な空間に、ポツンと置かれた一脚の椅子。そこには、ボロボロの看守服に身を包んだ壮年の男が座していた。


男は手に持っていた酒瓶をひとつ呷ると、足を組んで語り出す。


「お前もこんなところに飛ばされるとは災難なやつだな。まあお前みたいな能無しも用無しも、俺は大好きだぜ。どうだ? たまには囚人どもと遊ぶのも一興だろう? ここはひとつ賭けでもしようじゃないか」


そうして説明した内容はいたってシンプル。


まず四つ全ての牢屋を回り、それぞれの囚人と話しをする。


囚人は牢屋の数と同じく四人。


郷田(ごうだ) 啄夫(つくお)

九ノ葉(くのは) 佳香(けいか)

南二城(なにしろ) 岩尾(いわを)

二虎田(にこだ) (とげる)


会話を終えたらここへ戻り、情報を整理すること。


見事 “ 脱獄王 ” の計画を見破れれば勝ち。計画を阻止できず、まんまと脱獄された場合は負け。


「勝ったらお前はここからおさらば出来る。が、もし脱獄されたならお前が次の死刑囚だ。なかなかにスリリングな面白れぇ賭けだろ? せっかくだ。人生最後まで楽しめや。新入り」


男は最後にそう言い、机に足を載せて居眠りをはじめた。

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