ハーレムに侍る女の子達を深読みしてみた
※ハーレム・チーレム作品に対する悪口でも批判でもありません。
※ハーレム・チーレム作品が大好きという方は読まない方がいいかもしれません。
誤字報告、ありがとうございます。
まず始めに、このエッセイで指すハーレムというのは、元来の『女性の保護や隔離を目的としたハーレム』ではなく、『一夫多妻的な色恋模様』のことを示していると思ってください。
その上で、複数の女性達との色恋模様が描かれている、ハーレムと称される作品が好きな方は多いと思いますが、それ故にハーレム作品を嫌っているという方も多いのではないでしょうか?
ハーレム作品が嫌われる理由としては――――
浮気許せねぇ、
恋愛は一対一じゃないと無理、
複数とか生理的に無理、
チョロイン達がバカ過ぎて無理、
女の子が増える度キャラ描写が薄くなって行く、
髪色と主に胸の大きさと属性でしかヒロインの区別が付かない、
気に入ったヒロインがあまり出て来なくなった、
嫌いなヒロインのシーンが多くなった、
ヒーローが優柔不断、
ヒーローがクズ、
エロシーンばかりで話が進まない、
下品、
ご都合主義過ぎ、
ヒロインに対する作者の愛を感じられない……
などなど、様々な理由があることでしょう。
その中には、『女性達が可哀想だから』という意見もあると思います。
男見る目無くて可哀想。
頭悪くて可哀想。
思考停止チョロイン可哀想。
都合のいい女達可哀想。
ヒーローの引き立たせ役可哀想。
ヒーローのアクセサリー?
トロフィー?
属性コレクション?
操り人形?
奴隷となにが違うの?
このキャラ居なくてもいいんじゃね?
ハーレムで侍って、本当に幸せになれるの?
そういった意見もあるかと思われますが……しかし、ハーレム作品でヒーローに侍る女性達は、本当に可哀想で不幸なのでしょうか?
『彼女』が魅了や洗脳、薬物堕ち、快楽堕ちなどしていない、自由意思がちゃんとある、正真正銘の正気状態だとして。
ヒーローが複数の女性達を侍らせていることを知っていて尚、その男性から離れない。
他の女性達が増えて行き、彼が自分を見てくれること、彼との接触自体が減り、別の女性達とのイチャイチャを見せ付けられ、ても尚、それに耐えてその男性だけを一途に慕い、想い続け、尽くし続ける。
男性向けハーレム作品では、女性達がそんな風に耐えているというシーンが描かれることはあまりないと思いますが――――
一応はヒーローを巡る女性同士の嫉妬や、軽い喧嘩などはよくあるでしょうが。
なぜか、対立する女性同士が途中で日和ったり、敵対心などがなぁなぁになって、最終的には有耶無耶になるという感じが多いでしょうか?
まぁ、ヒーローを巡ってヒロイン同士の足の引っ張り合い、排除し合い、果てはガチの殺し合いにまで発展する女性同士の醜い嫉妬の愛憎話なんて、男性向けではあまり需要無さそうですから(女性向けなら、後宮での寵愛を巡る愛憎どろどろな話は割とよくありますが)ね。
――――けれど、ハーレムメンバーの中の一人である『彼女』の視点を掘り下げて見ると、上記のような尽くし、耐える女という感じなのだろうと推察が出来ます。
一般的にそんな関係は、浮気男に耐える女性、または男に都合のいい女という図なので、普通に考えれば『彼女は不幸な境遇』なのだと思われることでしょう。
しかし、そんな風に耐えている『健気な彼女』が実は――――
※以下の文は、ハーレムに侍る『彼女』達の印象を著しく損なう可能性があります。
※『彼女』達が純粋に愛情を以てヒーローを慕っているのだと信じている方は、ブラウザバックを推奨します。
※『彼女』達に対する夢が壊されても宜しい方のみ、この先を読み進めてください。
※そもそも、魅了、洗脳、薬物、快楽に堕ちていない、自由意思がしっかりとあり、権力などで強制されたワケでもない、金銭に釣られたワケでもない、まともな女性なら、一途にヒーローだけを想ってハーレムに侍る筈はない、と思いますので……
忠告はしました……よ?
では、どうぞ。↓↓
『健気な彼女』が実は――――
『寝取り趣味』……他人の恋人や配偶者を奪うのが好きで、他人のモノを奪うことに対して快楽を感じ、それが自分のモノになると途端に興味を失うような性癖。や、
『ネトラセ』……他の人に恋人や配偶者が寝取られたり、奪われたりすることに興奮を覚えてしまうような性癖。だったり、
『ミュンヒハウゼン症候群』……自分が不幸になることで、他者からの注目や同情を集めるのが好きな人。別名、悲劇のヒロイン症候群。や、
『代理ミュンヒハウゼン症候群』……悲劇や不幸に見舞われた人やものを献身的に支えることで、他者に称賛される自分に悦びを感じるような人。または、自分が称賛されるためなら手段を選ばず、自作自演で自分や他者をも傷付けたり、不幸にすることなども厭わないような人。
――――だったりはしないでしょうか?
そして、そんな彼女がもしも『寝取り趣味』や『ネトラセ』、『ミュンヒハウゼン症候群』、『代理ミュンヒハウゼン症候群』なのだとするならば、実は『彼女は不幸ではない』のかもしれないのでは……? と、思ってしまいました。
もしも『彼女は寝取り趣味』なのだとしたら、彼が他の女性に目を向けている間は、彼を振り向かせることに一生懸命になる筈です。彼を振り向かせて他の女の子から彼を奪うこと自体が娯楽で、娯楽を楽しんでいる間の『彼女』は幸せなのでしょう。
もしも『彼女はネトラセ』なのだとしたら、仮令彼が他の女性達とイチャイチャしていても、そのこと自体が『彼女』の性癖を満たしてくれる幸せなのでしょう。
きっと、『寝取り趣味』と『ネトラセ』の『彼女達』は、お互いにとってウィンウィンな関係となれることでしょう。
もしも『彼女はミュンヒハウゼン症候群』なのだとしたら、他者に注目や同情されて悲劇に酔っている間は幸せなのでしょう。
もしも『彼女は代理ミュンヒハウゼン症候群』なのだとしたら、英雄を支えている自分が称賛されている間は幸せなのでしょう。
そして、『彼女がミュンヒハウゼン症候群』や『代理ミュンヒハウゼン症候群』なのだとしたら――――頭が良い(という設定)筈のヒロインが無駄にピンチになったり、トラブルを起こしてしょっちゅう主人公に助けられるような展開の理由にも、説明が付くと思います。
何度も同じようなピンチに陥るのは、『彼女達の頭が悪いから』や『全く学習しないバカ』、なのではなく……
きっと、ピンチに陥って『不幸になっている自分が好き』、だから。
『注目されることが気持ちいい』、から。
『ピンチになれば、彼が助けてくれる。その間は彼を独り占めできる』、から。
または、英雄である彼を献身的に支えることで『称賛される自分が好き』で、称賛されるためならば、仮令自分や彼の身を危険に晒したり、それで他人(ヒーローや身内なども含む)や自分が傷付いたり死んでしまったとしても、一向に構わないことでしょう。
『彼女』達は意図的に、そういう風に振る舞っているのかもしれませんね。実際、『代理ミュンヒハウゼン症候群』の人は頭が良い(知能指数が高い)人が多いみたいですから。
ハーレム作品でヒーローに侍る『彼女達が幸せである』という風に仮定して考えてみたら、なかなか闇が深いような気がするのですが……
知らぬが仏、なのかもしれません。
『そういう彼女達』のたくさんいるハーレム。果たして、可哀想なのはどちらなのでしょうね?
どう思われるでしょうか?
※『ミュンヒハウゼン症候群』、『代理ミュンヒハウゼン症候群』は症候群と名が付く通り、精神疾患の一種です。
『彼女達が幸せ』なのだと仮定すると、ありふれたラブコメのハーレム作品が、サイコホラージャンルに見えて来ませんか?
ホラー好きな方なら別の意味でドキドキ、そしてゾクゾクを楽しむことができるかと……
上記の中でも断トツにヤバいのは、代理ミュンヒハウゼン症候群でしょうか?
日本では、『子供が原因不明の病気になっても諦めず、看病を続ける献身的で健気な母親』が実は……腐らせたスポーツ飲料水を子供の点滴に混入させ、自分の生んだ子供を何人も殺していたという事件が有名だと思います。
ネトラセは、正式? にはガンダウリズムというみたいですね。ネトラセの方がわかりやすい言葉だと思いました。
『ヒーローの引き立たせ役』という言葉についてですが、『ヒーローを立てる』と、『ヒーローを立たせる』というニュアンスの違いを感じて頂ければと思います。
感想はお手柔らかにお願いします。