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ある男のVRMMO  作者: 野良の芋
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第6話

ゴブリンとの初戦闘─戦闘と言えるものかはわからないが─が終わり、しばらく歩き回ったがやはりウサギなんて見つからなかった。ゴブリンばかりが目につき、単独でいるゴブリンだけは倒して経験値にしていった。


矢はやはりゴブリンとの距離が離れていると当たることが少なく、ゴブリンが転けたところをナイフで切りかかったり至近距離でゴブリンの動きが固まったところを射るなどとても弓の優位性を生かしているとは思えないものでしか倒せていない。


少し練習をしようかと周りにゴブリンがいないことを確認して弓をかまえる。そのまま矢を放つと五メートルほどはまっすぐ飛ぶのだが、そこから右や左に逸れていってしまう。何度か射てみるがどうやら規則性はないようで曲がるのを逆に利用するということもできないようだ。それに構えは全く変わらないのに飛距離がバラバラで十メートルから二十メートルほどで地面に着弾している。


何が問題なのだろうか?最後の一矢を弓につがえ空に向かって射る。………距離は四十メートルほどだろうか。最後だけ綺麗にまっすぐ飛んでいった。まさかと思い地面に突き刺さった矢を回収しながら射っていく。……どうやら曲射したときだけ矢が射線を逸れることはなく真っ直ぐ飛んでいくようだ。


これはいけると思い、単独のゴブリンを探して射る。今まででは当たらなかった距離から綺麗にゴブリンに当たっていく。一射目は綺麗にゴブリンの頭に当たったが貫くことはなくそのまま落ちた。ゴブリンはいきなりの攻撃にあたふたとし棍棒を抱え、周りを警戒していた。二射目は肩に掠り、三射目からはこちらを捉えたのか棍棒で矢を叩き落としながらこちらに向かってきた。


矢を構えてはすぐに射るがやはり当たらない。ゴブリンはだんだんとこちらに近づいてくる。こちらもナイフを構えようと思ったが、ふとスキルの類いを使っていないことを今更ながらに気づいた。


「たしかスキルは『ラピッドショット』」


スキル名を唱えた途端にナニかがごっそりと抜ける感覚とともに体が勝手に動きだし、弓をかまえ素早い動きで矢を放った。その矢は真っ直ぐゴブリンに向かって飛んでいくと、その身体に風穴を開けそのまま速度が減衰することなく向こう側まで飛んでいった。ゴブリンは何が起こったかとわからないような顔をして硬直するとポリゴン状になって爆散した、


ピギャッ


しばし遅れて何か小さな悲鳴のようなものが聞こえてきた。そして目の前に透き通ったボードが現れる。そこには見慣れたドロップアイテムとして『ゴブリンの布切れ』などゴブリン関連アイテムが表示されており、そのままスクロールしていくと見慣れない『ノーマルラビットの足』の文字が点滅していた。そしてそのあとにはウサギのドロップアイテムであろうものも並んでいた。


はて?いつの間に私はウサギを倒してしまったのだろうか?もしかしてゴブリンを貫いた矢がたまたまウサギも貫いてしまったのだろうか。それとも特殊条件下によるドロップか、ただのレアドロップなのだろうか。…………わからないなら検証だな!とりあえず次の獲物を見つけようか。




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