第3話
ジェネシス・オンライン。
去年の夏に発売され、無駄にリアルなゲーム環境に中身がいるんじゃないか疑われるほどに受け答えのしっかりしたNPCなど他のゲームとは一線を画すほどに人気である。
一部の雑誌ではゲームなどではなく、本当に異世界に来ているのではないかと取り上げられたほどらしい。
「……まぁ、さっさとはじめようか」
ベッドに横になりながらソフトをダウンロードしておいたヘッドギアをかぶる。電源をつけ、ジェネシス・オンラインのタイトルを選択しゲームの世界へと旅立つ。
「うわぁ、選択項目多すぎない?」
こういうゲームにおける登竜門とも言えるキャラメイク、ほとんどのゲームだと髪型や体型を少し変えたり色を変えてみたりなど変えれる要素はそれほどなかったはずだったが、このゲームだとどうやら性別や身長を変えることも、また角や翼などのアクセサリー枠を使って見た目を大幅に変えることも出来るようだ。
「うーん、どんな見た目にしようか悩むなぁ」
見た目をどうしようと迷っていたが、なかなか決めることができなかったために職業を先に決めてイメージを掴むことにする。
「んー?………職業も多すぎない?」
ゲームでありふれた剣士や魔法使い、盗賊などから大工や木こり、漁師など多様な職業がある。中にはネタなのか無職なる項目もあった。……少し気になるのは魔法使い(火)や剣士(片手剣)など、一部職業の横に属性や武器種だろうものが書かれていることだろうか。
選択肢を流し見しながら、スクロールしていくと最後にランダム選択というものがあった。………こういう決められないときは運命に委ねるというのも面白そうだとランダムを選択した。
……選ばれた職業は弓兵でした。とりあえずなんとなくのイメージは掴めたのでキャラメイクをしていく。
髪色は茶髪に、肌は色白にして身長は現実の身体とは変えずにいってみる。
お、どうやらゲーム開始前から装備を売ることが出来るようだ。職業が決まった時点で装備もつけられたようで、身につけていた弓兵シリーズの装備を売り払っていく。初期所持金が元と比べて倍ほどになった。そして残ったのは弓を背負ったインナー姿の色白の大男の姿であった………。
とりあえず見た目があれだったので選択欄にあった『微笑の仮面』と『旅人の外套』をつける。………なんか新たに不気味さを加えより威圧感が増したように思えるが、半裸状態よりは良いだろうとそのままでキャラメイクを終了する。
プレイヤーネームはとくに拘りもないため、弓兵なので安直に『ロビンフッド』に決めた。最後にこれでいいですか、という最終確認の選択肢が現れ最終決定をする。はいの文字を押すとともにその身体は光に包まれてジェネシス・オンラインの世界へと旅立った。