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【孤独の王と赤の魔人】  作者: 高井繭来
2/2

【脱皮1】

こちらも読んで頂ければ幸いです。


「さてどれから乗ろうか!?」


ホテルでチェッインを済ませ大きな荷物を部屋に置いてきた私とママはまず遊園地で乗り物を制覇することにした。

私は7歳にってからグンと身長も伸びた。

大抵の乗り物は乗れる体系だった。

ただし成長したのは縦だけではなく横もなのだが。

ウチのママは食事を大量に作る癖がある。

だから食事の度にお腹がいっぱいになっても残そうとしたら「美味しくないの?」と辛そうな顔をするので私は何時も二、三人前の食料を無理やり胃の中に収めている。

そのせいで私の胃袋はすっかり大きくなって今では成人男性より倍近くの食事量を取るようになってしまった。

そのせいで小学校に入るころには上級生と並んでも見劣りしない体躯になってしまった。

それでもママの料理は美味しいし食事量は減らず大きくなって行く一方。

年齢のせいかニキビも顔じゅうに出来ているし、本を読むのが好きで暗い所でも本を読んでいたせいで分厚い眼鏡もかけている。

ママは私を可愛いと言うけれど客観的に見て私は自分が不細工の部類に入るのだと自覚している。

そんな事を言ったらまたママが


「貴方は年頃になったら綺麗になるから大丈夫よ」


 と私の存在を盲信した発言をするので言わないようにしている。

  少しばかりママの私に対する盲信は宗教染みていて怖くなる時がある。


「ジェットコースターに乗ろうか。

巳治ももう乗れる身長だもんね」


嬉しそうなママに手を引かれてこの遊園地で1番大作りなジェットコースターに向かう。

そこには既に長蛇の列が出来ていた。

私たちより早くこのテーマパーク入りして前の日から宿泊していた人達が朝から遊園地に遊びに来ているのかも知れない。

列の前の人たちから


「食事が美味しかった」


「お風呂が広かった」


「ベットが最高に寝心地が良かった」


 などの会話がちらほら聞こえてくる。

この分だとホテルの方も期待出来そうだとワクワクしてきた。

何より食事が美味しいのは大食感の私にとっては一番うれしい事だ。


「順番来たわよ。内側と外側どっちが良い?」


勿論外側です!


「外側が良いって顔だ。

ママも外側が良かったんだけど可愛い娘に譲ってあげちゃおう!」


ジェットコースタは最前列だった。

私は外側、ママが内側。

そして高校生くらいのカップルがその横二列を埋めた。

曼殊沙華は少々マザコン気味なようだ。

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