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幕間
––––ククク。
ジェイソンは計画の成功を確信し、一人不気味に笑う。
––––うまくいった。まさかこんなにうまくいくとは。金塚に別途脅迫状を送っておいて成功だった。お陰で奴は“自分で”密室にしてくれた。苦しんだだろうか?
ジェイソンは毒で死ぬ時の症状をネットで検索し、金塚がどんな最期をとったのかを色々頭の中で想像していた。それだけで滑稽だった。
––––あの人は笑いながら死んでいった。私も同じことをしてやろう。
木下が金塚の死亡を確認した時、笑いを堪えるのが大変だった。まさかこれほどまで笑いがこみ上げて来るとは。
ジェイソンはここに下見に来た時爆弾を仕掛けていた。それを旅館に来た時に爆破し、道路を遮断させていたのだ。少なくとも一日で作業が完了できるほどの規模の爆弾ではなかった。警察が到着できないのはそのためだった。
––––金塚。お前は最高のエンターテイナーだったよ。さて、後もう一人……。
ジェイソンの殺意は次なるターゲットに向けられた。




