入学式
毎度、誤字脱字の無いように気を付けてはいるのですが、もしあったらすみません。
GW中は少し忙しいので、時間見つけて修正を行います。
それでは本編どうぞ。
あの後、俺たち三人は講堂へ行き、用意されていた椅子に座って入学式が始まるのを待っていた。
そう、待っていたはず……だったんだ。
なぜ俺がこんな言い方をしているかというと、だ。
寝てた。
それはもうすやすやと夢の国へと旅立ってふわふわしてましたともっ!
熟睡も熟睡だぜ!!
え? 威張るなって? すまん! 俺も動揺してるんだ。
だって起きたら……
入学式の終盤も終盤。 学院長先生のありがたーいお話の最中だぞ?
いくら朝っぱらから一戦やらかしたりバイク乗ってブイブイやってたからって……こんな無防備に寝ちまうとか……不覚だわ。 意外と疲れたまってたのかしら。 列車の中で素直に寝てればよかったと、とても後悔しているよっ!
「あ、イクトくんやっと起きた。 もう……何度も起こしてるのに起きないんだもん。 ダメだよ?」
少しムスッとした表情をしながら、軽く注意してくる桜。
あぁ……脳が、脳がとろけるぅっ! やばいよ?!
流石は桜さん! 男の心を鷲掴みに出来るとんでもないエンジェルボイスだぜぇぇぇぇぇ!!
日頃鍛えられてる俺じゃなかったら、桜の囁き声聞いた瞬間にヘブン行き確定だろぉぉぉぉっ!!!
おっと、すまん。 思考に乱れが生じたな。
「あぁ、悪かったよ。 もう大丈夫だ。 ところで今どんな感じだ?」
「もうすぐ終わるかな? 雰囲気的に、学院長のお話もそろそろ終わりっぽいから」
あかん。 あかんで。 つい口調がおかしくなるくらいに最高だわ。
うん? もう何言ってるかわかんないって? ははは、俺もだっ!
「そうか。 さんきゅな」
そうして、俺は壇上を見る。
ん? 何かこっち見られた……か? いや、気のせいだな。 たぶん。 そういうことにしよう。
なんかとてーも嫌な予感しかしないしなっ! 気にしないでおこう!
「―最後に、ワシから君たちへ1つの言葉を贈らせてもらおうかのぅ。 本学院が設立されたのはおよそ400年程前のことじゃ。 創立者は、皆もよぉく知っておる"桜ノ宮雪花" ―異世界より来訪し魔王封印を成し遂げた、アルシュリア王国、救国の勇者じゃな。 晩年の勇者は、自らが住まうこの王国のため、培ってきた知識や己が魔術などを教える本学院を開いたんじゃ。 近年は、剣術をはじめとした武術なども教えたりと、本学院の役割も変わり、魔術師以外の道に進む者も多くなったんじゃが……それでも、勇者が遺した"ある言葉は"今でも学院の理念として根付いておる。 『常に最強の自分たれ。』 "最強"という言葉をどう捉えるのか。 何をもって"最強"であると言えるのか。 魔術が他人より優れているから"最強"なのか。 剣術が他人より優れているから"最強"なのか。 これからの3年間で君たちなりに考え、己が力を磨く手がかりにしてほしい。 ―ワシからは以上じゃ」
へぇ……ご先祖様ってばそんな言葉残してたのか。
てっきりご先祖様関係で残ってんのは、村と文献と、後は俺の使う"桜ノ宮一刀流"くらいかと思ってたわ。
まぁ勇者の功績ってのを考えれば、色々残ってても不思議じゃなかったか。
「最強かぁ……イクトくんなら目指せそうだけど、私じゃなぁ……」
「いやいや、別に戦闘面って意味じゃなくてもいいだろ。 それに、俺だって戦闘面で最強とか無理だっての」
「?? イクトさんはそんなに強いんですか?」
「そうだよー。 今朝もオークの群れを殲滅してきたくらいだし」
「いやそれ、サクラも一緒だっただろーが」
「……オークの群れですか? なぜそんなことに……いえ、それは後にしましょうか。 副学院長先生が終わりの挨拶をしそうです」
「あーそだな。 また後にすっか」
「だね」
――それでは、これにてオルディア魔術学院入学式を終了します。 新入生は先生の指示に従って各クラスの教室へ移動してください――
……ガヤガヤ……ガヤガヤ……
「ん? 他の色の制服の奴らは指示があったっぽいけど……俺らなくね?」
「そうだね。 どういうことだろ?」
「あ、あの方じゃないですか?」
そう言ったアイリスの視線の先を見ると、たわわに実った"アレ"をぷるんっぷるんっ、と揺らしながら歩いてくる先生らしき人がいた。
な……
な、なんだ……
なんなんだ!?
あのでかさに柔らかそうな白い肌!! こんなけしからん教師が居ていいのか!?
いや、良い! 良いに決まっているっっっ!!
ごちそうさまでした……ふぅ。
――っと、いかんいかん。
まぁーた思考が明後日の方向に……
いやすまんね! とっても素敵な物が目に入った物でねっ!
「あぁ、確かにそうかもしれないな」
「だねー。なんというか、先生っぽくはない雰囲気の先生って感じ?もするけど」
「はーい、注目ちゅうもーく! 黒い制服のみんなぁ~自分のクラスがわかんなくて困ってるよね? 君たちのクラスは私の担当なので、私についてきてくださ~い」
なんだ? 桜の言う通り、ホントに先生っぽくない感じだな……新任とかそんな感じか?
まぁなんにせよ。 ついていくしかないか。
「そんじゃ、先生の言う通りついていくか」
「「そうだね(ですね)」」
そうして俺たちは、たわわな果実をお持ちの先生についていくのだった。
お読みいただきありがとうございます。
読みやすいように気を付けていますが、どうでしょう?
楽しんでいただければ幸いです。
それではまた次回。