即死悪魔と女神と犯罪者Aと末路
太陽が沈みかけて、空がオレンジ色に変わりつつ影が段々と伸びていく最中、俺は決心した。
誰か誘拐をしよう。と。
いきなりだが、俺は子供が好きだ。ラブじゃなくてライクの方で。あ、少しラブも入るかもしれないけれど。
小さい頃は保育士か小学校の先生になるのが夢だった。しかし俺は高校で選択科目を誤ってしまい、あえなくその夢は途絶えてしまったのだ。
今でもその夢は諦めきれない。公園や見知らぬ学校を見ていると、心がぴょんぴょんする。気分が高揚すすのだ。
見ていると止められなくなるぐらい、俺は毎日子供を見ないと禁断症状のようなものになってしまうようになった。
そこで俺は、誘拐して家に一台子供を置く事を考えついた。
俺は家でこの誘拐の為に色んな計画を立てた。取り敢えず、夕暮れ時が一番子供の通りが多いことをYafoo知恵袋で知ったので、俺は家に小さい子供を呼んで、飴でもあげようかと思った。笑顔見してくれればそれでいいし。
飴を与え、子供は俺に懐き、俺に会ったらもう家に直行するようなそんな感じになる。と思っていた。
しかし、現実そうはいかなかった。
夕方、俺は通学路に立った。一人ポツンと信号機の下で、少し冷たい風にあたりながら。
服装は完璧にしてきた。『誘拐犯 服装』で調べたら、黒い服で顔は見えないくらいの帽子を被るのは必須だと。だから疑いなく全くその通りにしてきた。
少し周りからの視線は痛いものの、俺は堂々と子供を待っていた。
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信号機の下で、もう小一時間は経っただろうか。空は黒く塗られ、その中にピカピカと光る物体が俺を嘲笑っているかのようだ。
もっと前から通行人の特徴で勘づくべきだった。先ほどから買い物バッグを持った叔母さんや、高校生くらいの集団しかいない。一向に通る気配がない。
俺はそこで今日の誘拐を止めた。収穫はなさそうだからだ。
次の誘拐に生かす為に。
俺は一人家に帰った。