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奉光  作者: 鯣 肴


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9/11

09.厚い隔たり

 私は異質だ。

というのは、私が彼女たちの輪へと入っていくことができないから。


彼女たちは、いつも私を試すような真似をする。私は身構える。

彼女たちは、私だけを常に除け者にしてこようとする。私は(にら)む。

彼女たちは、私だけをずっと監視している。私も彼女たちを監視する。


私は、私は、そのことに耐えられない。

私にできることは、ここで(うずくま)って災難が去るのを待つだけ。


私に構うのはもうやめてほしい。

触れずにそっとしておいてほしい。

そう思うことは無駄でしかない。彼女たちが私に構うことを辞めるはずはない。





 あの子は異質だ。

というのは、あの子を私たちの輪の中に入れようと手を伸ばしているのに、

頑なにその手を取らない。


あの子は、私たちが近づくと少し嬉しそうにする。だから私たちは彼女にしきりに話しかける。

あの子は、話しかけるのを止めて立ち去ろうとすると、こちらを(にら)んでくる。

あの子は、私たちの方をずっと見ている。やっぱりこっちでお喋りしたいのかしら。



私たちは彼女に触れ合ってもいいのだろうか。

しかし、話しかけても返事はない。

そのくせ、離れると睨みつけてくる。あの子のことを考えると堂々巡りだ。





 彼女と彼女たちを隔てる壁は大きい。

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