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奉光  作者: 鯣 肴


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6/11

06.時

「ねえ、ヒー君、昨日朝ごはん食べた時、私が言ったことこと覚えてる?」

「ああ、覚えてるよ。忘れる筈がないだろ、あんな大事なこと。」


 当然、忘れることはできない。

朝、いつも通りの朝を味わっていた俺。

その時、俺のいつも通りの朝は終わることが決まった。

その時、これまでの生活が否応なしに変わると悟った。


「で、どうするのよ?今週の土曜日、私のお父さんとお母さんに会ってくれるんでしょうね。」


そう。

俺の人生の分岐点がやって来た。これが、この時が俺の人生の分岐点。

こいつといっしょになるか、それとも……。


外堀が埋まっていく。

そのことに気づいた。

周りが俺たちを見る目がここ最近変わってきていることを感じる。


だから、この時、今、こいつ、ハーちゃんの両親に会うということは、外堀が無くなることを意味するだろう。



 俺は二つを天秤にかける。

今決断しなくてはならない。

この時、今、決断しなくてはならない。


俺は、ハーちゃんを見つめる。少し不安そうな顔をしている。

それを見て、俺は悲しくなってきた。こんな顔をさせたくない。


時は待ってくれない。この時、今、決断した。

俺は―――



 その週の土曜日、俺とハーちゃんは彼女の実家の門の前にいた。

扉に手を掛ける。


今日、ここでお願いしよう。彼女を、ハーちゃんをくださいと。

俺はこの時、決めた。

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