放課後トライスト
木枯らし吹きすさぶ外の景色を窓から眺める私は、宙を舞う木の葉を秋に見立てて心の中で手を振った。
こんな事をしているが、ここ近年夏休みが明けてもクソ暑い日が続くと思えば、急にコートが必要になるレベルの寒さに襲われる、もう秋なんて物は都市伝説になってしまったのだろうか。
暖房でヌクヌクとしながらそんな事を考えつつ、私は机の上で突っ伏す。
「はぁ……」
軽いため息をつく私こと、橘百合香は、放課後の無人の教室で一人過ごす。
何とも言えない孤独感と静寂に包まれながら、グラウンドで凍えそうになりながら身体を動かしている運動部員たちを眺める。
この、私の席ではない机の上で。
「……何やってんだ、私は、人の机の上で」
今私の座っている席は、このクラスのマドンナにして、学校全体で見てもカースト上位の女の子、神崎麗華、私の初恋であり、今も恋い焦がれている人の席だ。
因みに、私の本来の席は扉側。
麗華とは小学生の頃に出逢った。
向こうは認知していないだろうが、私は当時からずっと彼女の事を見てきた。
誰にでも笑顔と真心を振りまき、陰口何て叩く事も無く、常に勉強やスポーツで努力を惜しまない、そんな彼女を小学生の頃に初めて目を合わせてからフォーリンラブだった。
小学生を卒業しても同じ中学に入り、追いかける為に猛勉強して同じ高校へと上がったものの、現在の高校一年生の夏休みを明けても尚話しかけた事も無い。
何しろ私は生まれつきの陰キャ気質、休み時間は無駄にカバンを漁って忙しいですアピールを行うか、寝ているフリをして時間を潰すレベルだ。
そんな私がアニメの世界から抜け出してきたのかと疑いたくなるような彼女に話しかけ、小学生の頃から一緒だ、何て言ったら
『ハ?キモ、ストーカーかよ』
とか言われる幻聴が聞こえて来るので、怖くて話せたものじゃない。
「あー、マジキモイ、こんな事してる自分がマジでキモイ」
そんな愚痴をこぼしつつ、私はスマホで麗華の写真を眺める。
夏休みの時、彼女の所属する女子バレーボール部の大会を見に行った時に撮った物だ。
優勝は逃してしまったが、それでもベスト4まで勝ち進み、麗華は一年生ながらその高身長を活かしてチームに貢献した。
何時もお淑やかな彼女が放ったスパイクで点をもぎ取ったあの時の姿は本当に恰好良かった、運動音痴の私ではどう足掻いてもたどり着けない領域だ。
今も彼女達は部活で汗を流しているというのに、私はこうしてストーカー紛いの事をしている。
……本当にキモイ。
「……帰ろ」
自己嫌悪に陥りながらそう呟いた私は、重たい足取りで教室を後にする。
我が家へ帰り、ソシャゲを周回したら、美味しいごはんを食べて、温かいお風呂に入って、推しのVの配信を眺めながら今日とさようならしよう。
何とも素晴らしいスケジュールを思い浮かべながら、私は靴を取り換え、そのまま校門をくぐって家路につく。
後はイヤフォンのノイズキャンセリングで、外界との繋がりを断てば完璧だ。
「今日は、アニソンの気分かな?」
外の寒さに震えながらも、音楽を流そうとスマホを取りだそうとしたが、どこにも見当たらない。
カバン、制服とコートのポケット、心臓を騒がしくしながら色々まさぐっていると、先ほど写真を眺め終えて机へと置き、そのまま置き忘れてきてしまった可能性が浮上した。
「やっべ!」
他人の机に他人のスマホが放置されている、そんな異様な状況を誰かに見られたら絶対に何か勘繰られる。
そんな恐怖を抱く私は、恐らく体力テストの時より遥かに軽いフットワークを披露しながら教室へダッシュした。
恐らくこの時間であれば、皆部活動中で教室に近づく人はあまりいない筈だ。
「着いた!」
確実にここ直近で一番身体を動かした、という事を自負しながら教室の扉を開けた。
その瞬間入り込んだのは、見慣れた教室の中で一人ポツリと立っている女学生。
フワフワとしたセミロングの茶髪を揺らし、見慣れた制服姿で私のスマホを不思議そうに眺める、今一番会いたくない人物。神崎麗華の姿がそこに有るのだ。
……え?何で?今はバレーボール部として体育館に居る筈なのに。
何で制服姿の彼女がここに居るの?
驚きと疑問とショックが混ざり合い、なんかもう自分が何考えているのか解らなくなった。
「あ、こんにちは」
私の存在に気付いた麗華は、眩しいばかりの笑顔を向けながら小さく手を振って来た。
思わず勘違いをしてしまいそうな彼女の仕草にキュンとしながらも、私は勇気を振り絞って声を出す。
「え、ええ、ええ、えと、こ、こここ、こん、こんに、ちは」
チクショウ、挨拶すらマトモにできんのか、私は。
そんな事を思っている暇も無く、私の身体は無意識に麗華の元へと近づいてしまう。
「あ、ああ、あの」
「ん?あ、もしかして、このスマホ、貴女の?」
俯いて目も合わせられない私は、麗華の胸を注視しながら彼女の問いかけに頷いた。
絶対バレー何かやっていたら痛くなるとしか思えない位のボリューム、何時も着替えの時に見ていたが、こんな近くで見たのは今回が初めてだ。
いや、今はそんな事より、スマホを返してもらわなければ。
そう思いながら、私は差し出されたスマホを手に取ろうとする。
「でも、ダメ」
「あ」
しかし、スマホは私の手に入る戻る前に、彼女の頭上へと移動して行った。
そのせいで、私の目は麗華の顔を捉える。
何時もなら目を合わせる事も難しいと言うのに、不意に目撃した彼女の顔は、何時もの柔らかな笑みでは無く、何とも妖しい笑みに満ち溢れていた。
「あ、あの」
「なぁんで、私の机の上に、貴女のスマホが有ったのかなー?」
「え、えと、そ、それは……」
「そう言えば帰りのホームルームの後、私は最後の方に出て行ったけど、その時教室に残っていたのは貴女と生徒数名だけ、どういう事が有ったら、扉側の席に座っている筈の貴女のスマホが対角に有る私の机に置いてあるのかな?これって、貴女が私の机の近くにでも来ないと、成立しないよね?それにこの椅子、ちょっと温かいんだよねー」
「……」
バレてる。
一応認知されていた事の喜びよりも、彼女の意外な推理力のせいで崖っぷちに立たされた恐怖が勝った。
いや、でも、言い回し的に私が机に突っ伏す形で、何時も乗せられている二つの丘の残り香を嗅いでいたとか、椅子に座る事で麗華の太ももの上に座っている幻覚を見ていた事まではバレてはいてない。自信もて。
何て考えていると、いつの間にか私は麗華の椅子の上に座っていた。
「……あれ?」
自分から座った覚えはない、混乱していた隙に彼女の手で座らされたのだ。
それを証明するかのように麗華は私の股の間に膝を置き、そのまま私の事を見下してくる。
「ふふふ、さて、どういう事か、話てくれるかな?」
「ちょ、ッ!」
椅子の上に座らされた私を拘束するかのように、麗華は私の膝の上に座って来た。
背中は窓、左は机、右は別の人の机、完全に八方塞がりだ。
グイグイせまりくる彼女の威圧感に幸福感さえ覚えながらも、このまま尋問された挙句、SNSでさらされ、学校中に噂を流され、社会的に抹殺される未来ばかりが見えてしまう。
「さ、黙ってたらわかんないし、早くしないと、先生に見つかって怒られちゃうよ」
「え、えっと、その……」
「……」
高校に上がってからという物、家族を除いたら先生と位しか話した事のない私にとっては、彼女の尋問に答える何てできる訳ない。
そんな私に業を煮やしたのか、麗華は私の耳元に顔を持って来た。
最近長くなって来た彼女の髪が私のホホを撫で、一部は鼻をくすぐって来る。
漂ってくるのは私と同じ化粧品やシャンプー等の香り、それを過去一番近くに感じ取れる。
「もしかして、何時も私の事見てるのに、関係有るのかな?」
この言葉を聞いた瞬間、私の心臓は破裂しそうな位高鳴った。
まさか自分の存在を認知しているだけでなく、そんな事にまで気付いているとは思わなかった。
もう耳をくすぐる甘い声を堪能する余裕なんて無く、絶望しか自分の感情を感じ取れない。
「……は、はい」
私は全てを諦めるように返事をした。
もうSNSにこの事を暴露されようが、学校中に噂が広まろうがどうでも良い。
全てから逃げて、家で亀になろう。
「ふふふ、そっか、ストーカーさんなんだね」
「さ、さっきまで、い、いい、椅子にも、すす、すわ、座って、ました」
「ふーん、変態さんでもあるんだね~、他に有る?」
「た、大会、みにに、見に行って、か、隠し撮り、しました」
半ば開き直った私の口は、自分のキモイ行為をドバドバと吐き出す。
私だったらキモイの一言を言って、そのまま本人との関係は絶縁するだろう。
「ふふふ、きもいね~、その調子だとまだあるよね?」
「……い、いっつも、き、きが、着替え、の時、む、む、胸、ととととか、み、みみ、見てました」
「ふふ、気持ち悪くて、ストーカーさんの変態、救いようがないね」
俯きながら自分でもキモイと思うような事を全て暴露した私は、想像していた暴言より数ランク上の言葉が胸に突き刺さり、血の代わりに魂が抜けていく気分だった。
もう自分で立って歩いて帰宅できるか解らない。
何しろ、これで好きな人に軽蔑され、学校中から冷ややかな目で見られる事が確定してしまったのだから。
……惨めなんて言葉じゃ足りない。
「じゃぁ私の事、大好きって事じゃん、変態クソ女さん」
「……」
両手顔を包まれた私は無理矢理上を向けさせられ、ニマニマと笑う麗華を無理矢理見る事となった。
もう顔が爆発しそうな位熱く、涙もちょちょ切れているのだから、これ以上虐めないで欲しい。
「あらあら、こんなに泣いちゃってー」
「ッ」
そんな私を哀れに思ってか、それとも別の魂胆が有るのか、麗華は自分のハンカチで涙を拭ってくれた。
「それにしても驚いたな~、変態さんとは言えこんな所にファンがいる何て、辞めて損しちゃった~」
「……え?」
何かとんでもない言葉が聞こえて来た。
辞めた?小学生からバレー一筋の彼女が?
マジ?
「や、辞めた、の?」
「うんそうだよ、ストーカーのくせに知らなかった?」
知らなかった、言葉がでる前に私は首を縦に振った。
流石に部活動まで盗撮するようになったら、完全にアカン方のストーカーなので避けていた。
なので、日ごろからどんな練習をしているのか、そう言うのは妄想で補完していたので詳細まで知らない。
「な、何で?しょ、小学生から、ずっと、やってた」
「そうだけど……何で知ってるのかな?」
「……」
「まぁいいや、ストーカーさんだもんね……まぁ、何でって言われても、単純に飽きちゃっただけ」
まさかそんな理由で辞める何て。
私の中で、彼女のイメージが大きく変わるような気がした。
作文みたいな将来の夢をどうのこうの、というようなお題を学校で出されたら、必ずバレーボールを引き合いに出し、休み時間も、放課後も、休日も、何時もお熱だった彼女が。
でも、夏の試合を皮切りに、確かに麗華の髪は何時もより長くなっている。
ポカンとしてしまう私の顔を、彼女はもてあそび始める。
「ぬ」
「……小学生のころから、親の言う事は何でも聞いて来て、学校でもいろんな子に親切にしてきた、いい子ちゃん、そんな自分に、何か疲れちゃって、バレー辞めたのは、軽い反抗みたいな物だよ、そして、今はね」
「……ッ!」
また顔を近づけてきた彼女は、私の耳元で囁く。
「誰かを虐める、悪い子になりたいなー、ふ~」
「ひゃ!」
言葉を言い終えると共に、麗華は私の耳を吹いて来た。
囁き声なんかよりもダイレクトに私の耳を刺激し、身体の芯から震えが上がり、全身の鳥肌が直立をする。
裏返った声で驚く私をあざ笑うかの如く、彼女は囁きを続ける。
「ねぇ変態さん、私に、虐められてくれない?そうすれば、さっき言ってた事、全部黙っててあげる」
「……」
頬を桜色に染める彼女からの提案、もはや選択肢は有ってないような物だ。
さっきの事を晒される位ならば、彼女に虐められた方がマシかもしれない。
「ね、良いでしょ?私は別に、貴女が変態でストーカーでサイテーのクズで、関わりたくない位気持ちの悪い人だって事が周りに知れ渡っても構わないけど」
「ッ」
またもや耳元で囁かれ、その刺激は私の脳に麻薬のような快楽をもたらす。
陰湿な物では無く、こういう虐めであれば、喜んで受け入れてもいいとさえ思えてしまう。
何しろ、ずっと想って来た彼女を感じられるのだから。
「は……はい」
「ふふふ、契約成立だね……ハム」
「ファ!」
麗華が私の耳を甘噛みしてきたおかげで、裏返った変な声を出してしまった。
てか、私耳こんな弱かったっけ?それとも、麗華にいじられているから?
もう頭で考えられない感覚に陥っていると、麗華は私から顔を離す。
「ふふ、耳甘噛みしただけなのに、凄い顔、汗も凄いし真っ赤かだよ、でもちょっと嬉しそう、本当に変態だね、意外とマゾなのかな?キモイしサイテーだねー」
「……う」
言葉のトゲがチクチクと私の心に刺さり、痛みの限界が近づいたおかげで私の目から涙があふれて来る。
もう暖房が熱いだとか、さっき走ったからだ、という言い訳が通用する訳も無い。
麗華の言葉を受け入れるしか無く、私は涙を一滴零してしまう。
「うー」
「もう、泣かないの、お詫びに」
「ヒッ」
そろそろ大声上げて泣きそうな私に、また彼女は近づいて来た。
さっきとは別の耳に口元を寄せ、今度は鼓膜に直接声を吹きかけるようにお詫びの提案をしてくる。
「私の胸、見せてあげるから」
「ふえ?」
「だって、着替えの時、見てたんでしょ?今なら、間近で見放題だよー、それも独り占め、ふふ」
「ッ!」
半ベソ状態の私の目の前で、麗華は上着を脱ぎ、ワイシャツのボタンの一つをゆっくりと外して下着の一部を晒した。
煽ってくる彼女に反抗するべく、私は目を閉じて顔も逸らした。
「あれ?変態のクセに見たくないの?もう半分以上ボタン外してるよ?」
「……」
そりゃ見たい、絶対みたい、目に焼き付けて一生の思い出にしたい。
けど、このまま彼女の手の平で踊らされたままというのも、なんだか癪に障る。
我慢して自分の瞼の裏をジッと睨みつけ、目の前の暗黒にだけ意識を集中する。
「ほらほら~、全部外しちゃったよー、ブラも外したから、私のGカップがゆらゆら揺れてるよ~、後十秒で閉じちゃうから、それまでに見た方が良いよー」
「……」
「じゅー、きゅーう、はーち」
カウントダウンをする彼女の声のせいで、私の好奇心はくすぐられる。
こんな機会は恐らく二度とない、目を明けてバカにされるか、ここで意地を見せるか。
だが、欲に負けた私は前者を選んでしまい、カウントはまだ残っている内に半目を開けながら彼女の方を見てしまう。
「ごー、よん」
「……ッ」
しかし、目の前に居たのは、ワイシャツの第一ボタンを外しただけの彼女。
まだカウントは残っている筈なのに、そんなショックを受ける私を麗華はあざ笑う。
「ふ、ふふふ!あははは!こんな所で半裸になる訳ないでしょ?変態さん、ふふふ、あー、そのショックを受けた顔、たまんない、もっと良く見せて」
「……」
ガチで泣きそう。
恐らくこれが彼女の本性なのだろう、今まで見て来た九年間全てが否定された気分だ。
しかし、そんなショックとは裏腹に、私の中で変な気分が湧き出て来る。
悔しくて惨めでイライラするというのに、何故だかゾクゾクしてしまう。
「……ほら変態さん、こっち来て」
「え?」
何故か解らないが、麗華は悔しくて涙を零す私の事を引き寄せた。
おかげで彼女の豊かな胸部に私の顔は埋められ、私と同じボディソープや柔軟剤の香りが私の脳に麻薬のような作用をもたらしてくる。
だが、何故彼女がこんな事をするのか解らず、私の頭上にはハテナマークが大量に浮かぶ。
「よーしよーし、胸は見せられないけど、これ位なら良いよ」
「……」
「これからも、私が満足するくらい貴女を弄れたら、こうしてご褒美上げるから、悪く思わないでね、変態さん」
「……」
優しく頭を撫でて来る彼女の言葉に、私は静かに頷いた。
これで気が済んだのか、麗華は私の事を解放する。
「ふぅー、満足した」
「……あ、あの、じゃぁ、す、スマホ」
名残惜しく思いつつ、私はスマホを返すよう要求した。
しかし、彼女は簡単には返してくれない。
「まだダメ、先に連絡先交換させてよ、そうすれば返してあげる」
「……わ、解った」
憧れの麗華と連絡先を交換するという、夢にまで見た状況に内心喜びながら私は麗華の手に握られているスマホのロック画面を解除。
おかげで待ち受けにしている電車で隠し撮りした麗華の写真を見られたが、もうそんな事は些細な事だ。
「ふふ、待ち受けも私だ、ホントに、最低なストーカーさんだね」
「ん」
「はい、交換完了、それじゃ、今日の所はこれで解散、周りに言いふらされたくなかったら、また明日楽しませてね」
そう言いながら、ウィンクした麗華はスマホの角を口元に持っていき、投げキスのような動作をした。
「……ん?」
去って行く彼女の背中と共に私の目が捉えたのは、麗華のスマホの待ち受け画面。
気のせいでなければ、今年の春の入学式の時の私の写真だ。
「……まさか……ま、まさか、ね」
過ぎって来た変な可能性を拭い去った私は、今度こそ家路についた。
ずっと憂鬱だった明日の訪れを楽しみにしながら。
――――――
しばらくして。
私と麗華の関係は一か月以上続いた。
先ず放課後に入ったら送られて来たメッセージに指定されている場所に赴き、彼女が満足するまで私はなじられる。
ついでに、許しをこうように彼女の足を舐め、録音された今までの変態行為の証言をループ再生される等、刺激を強める為のオプションを付けられる、
後は、約束したようにご褒美を受け取る。
この一連の行為は、基本的に放課後に限定されている。
それ以外の時間はほとんど何時も通り、目が有ったらこっそり手を振って来てくれるという動作が追加された位で、私の陰キャムーブは変わらない。
なので、今日の今この瞬間、この放課後、私は何時ものようになじられるのだ。
麗華も約束通り秘密を守ってくれているし、限度もわきまえているから悪い気はしない。
麗華の席に座った私は、初めての時と同じ構図になりながら麗華を見上げると、私を膝の上に乗っている麗華は耳元で囁いて来る。
「今日で逢い引きを始めて一か月だね、それじゃ、今日も……これからも、よろしくね、救いようのない最低なド変態さん」
「……うん」
少し悔しい気分になりながらも、快楽を感じ取る私は受け入れる。
これからも続く、麗華との放課後の逢引きを。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最初のプロットでは幼馴染同士の陰キャとマドンナが、放課後に隠れて普通にイチャコラしてます、という作品の予定だったのですが、何か刺激が有った方が良いと思い設定を改変し続けていたら何故かこんな事になってしまいました。
でも後悔はしていません。
今後も百合物作品を中心に活動を続けていきますので、よろしければ他の作品もご覧いただけると幸いです。




