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御影ことね:厳格な姿の裏にある優しさへの触れ合い

御影ことねとユウトの関係は、メイドカフェでの「秘密の目撃」から始まった。学園の風紀を厳しく取り締まる委員長が、裏ではメイドとして働いているという事実。その時、ユウトは、彼女の厳格な姿の裏にある、妹への深い愛情と、そのための献身に心を打たれた。彼は、その努力を「尊敬する」と肯定し、誰にも漏らさないと約束した。

その日から、ことねはユウトに対して、他の生徒には見せない、妹を思う優しい一面を見せるようになった。彼女の言葉遣いは、時折、風紀委員長としての堅苦しさから解放され、ごく普通の少女のような口調になる。

ある日、生徒会室でことねが書類整理をしていると、ユウトが資料を届けにやってきた。 「御影委員長、この資料、ここに置いておけばよろしいでしょうか?」 「ああ、月城くん。ありがとう。……少し、顔色が優れないようだが、何かあったのか?」 ことねが、珍しくユウトの体調を気遣う言葉をかけた。その言葉には、普段の厳格さとは違う、温かさが込められていた。 ユウトは少し驚いたが、素直に答えた。 「実は、最近少し寝不足で……」 「そうか。無理は禁物だ。君の体は、君だけのものではないのだから」 彼女の言葉は、まるで母親が子供に諭すような響きがあった。

「御影委員長は、本当に優しい人ですよね。妹さんのことを、いつも大切に思っているのが分かります」 ユウトがそう言うと、ことねの表情が、一瞬で柔らかくなった。 「……当たり前だ。妹は、私にとって、何よりも大切な存在だから」 その言葉には、彼女の強い愛情が込められていた。彼女は、妹のために必死に努力してきた。その努力を、ユウトは理解し、応援してくれている。

「この関係は、秘密に支えられているだけなのだろうか?」 ことねと会話するたび、ユウトの心にその問いが浮かんだ。彼女は、自分の秘密を知る「理解者」だから、安心して素顔を見せているだけなのか?それとも、そこには、もっと別の感情が芽生えているのだろうか?彼女が自分にだけ見せる、妹を思う優しい眼差しが、ユウトの心を揺さぶり始めていた。彼は、彼女が妹のために頑張る姿を、いつまでも支えたいと、強く感じ始めていた。


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