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ヨロスブ・繋  作者: 有氏ゆず
承(1)
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2-4



チーム2(犬飼):



なんだアレなんだアレなんなんだよ、アレは。腕に絡みつく生ぬるい感覚が消えない、背中を走る不快感で叫び出したくなる。


「たーくん、」


無意識だった、助けを求めた訳ではなくただ心の奥底から漏れるように出てきた、だけだったのに。




「れーちゃんっ!!」




欲しかった声が返ってくる。廊下の奥から鮫島の姿が見える。身体中が求めていたかのように一瞬で沸き立った。いつだってピンチの時に必ずこうやって走ってきてくれるのだ。


「……王子様かよ、なんか靴片方脱げてるけど」


走る勢いでそのまま抱きつく、力強く受け止めてくれた。浄化されるように安堵の息をつく。冷えた体が一気に温まっていく感覚がした。




「っ、無事か!?」


心配そうに顔を覗き込まれる。どうやら叫び声を聞いて駆けつけてくれたらしい。


「うん、あーすっげえ怖かったぁ……」

「何があった?」

「それが何か黒いやつがさ……っああ!」


ほっと息をついたことで大事なことを今更ながらに思い出した。一緒に探索をしていたはずの長身がいない。


「やっべえ源ちゃん置いてきちゃった!どうしようたーくんっ」




「源氏くんがなんだって?」

「そう、俺あの部屋に源ちゃん置いて…え?会長?」

「は?」


抱き合う2人の傍らにいつの間にか生徒会長が立っていた。気配はなかった、周囲には誰もいなかった、はずなのに。


「源氏くんがどうしたんだい?君と一緒だったろう?」

「えっあ…うんそうなんだけどさ…」

「アンタ、有翔はどうしたんだ」


鮫島が混乱したように割り込む。犬飼を抱きしめる腕に力が入る。


「……?有翔?なんのことだい」

「なんの事って……アンタに託して俺と分かれたはずだろ?なんでここにいんだよ」


会話が噛み合わない。どちらも嘘をついている素振りもなく、鮫島に至っては怖がっているように見える。


「君の声を聞いて駆けつけたんだけど………ん?」


その時、曲がり角から山田がひょこっと顔を出した。




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