酒っタラ酒
「すいません。」
明るい元気な声で 店内に比奈の声が響く、
心が洗われるようだ、
店内は昭和をイメージさせるレトロな店。
扇風機が懐かしい。
「酒。下さい、誰か? 居ませんか?」
店内をぐるり一周し、
「酒ったら、酒~。」
「はいな、お酒ね、、ちょっと待ってね。。」」
突然、店の奥から声がする。
声色はどう考えても、お年寄りだ
しばらくして、店の奥からは老婆が一人現れた。
「おお、お嬢ちゃんいくつだい。お酒は二十歳になってからだよ。」
比奈はさすがに膨れた、
「「何言ってるのおばあちゃん、比奈はこう見えても20歳の素敵な大学生、なんだからね。」
「二十歳かい、そりゃすまなんだねぇ、はいね、なんのお酒が欲しいんだい?」
「日本酒です。端麗で辛いの。」
「日本酒はココだよ」
そういって老婆はとある棚の上を指さした。
棚の上には確かに日本酒が置いてある。右にパックで左に瓶だ。
比奈はパックの酒を手に取った、
「これ下さい。」
「はいよ、1100円ね」
老婆はなれた手つきで酒を袋に入れた、
空間が年を取ってしまっているようだ。
忘れられてしまっているように、
何気ない酒屋さんの一ページが懐かしい、
「はいよ、お酒。」
「それにしても、古いですね、」店の外観は古くて、お店やってるか不安になりました、
「やだ、よう」
年を取るのは嫌なものである。
≪終≫