【漫才】字幕上映「Last sheep」
ボケ=ボ、ツッコミ=ツ
二人「どーもー! よろしくお願いします」
ツ「早速なんだけどちょっと悩みあってさ、相談乗ってくれない?」
ボ「どうしたん?」
ツ「最近どうも寝つき悪くてさ、全然寝れないの、完全に不眠症よ」
ボ「そりゃ難儀、睡眠薬増やしたら?」
ツ「飲んでること前提? まあ、飲んでるけど」
ボ「錠剤コップなみなみにしてさ」
ツ「致死量! 確かに寝れるけど! 永遠に寝れるけど!」
ボ「それじゃ良い眠りを」
ツ「持ってんのかよ! 飲まねぇよ!」
ボ「駄目か、万策尽きたな」
ツ「尽きるの早い! 悪いけどもう少し粘ってくれないかな」
ボ「でも科学の力でも無理となると、もはや羊数えるくらいしかない」
ツ「それも試したけどなー、目つぶって羊が1匹、羊が2匹って」
ボ「寝れた?」
ツ「いや全然、途中で飽きてきちゃうんだよな……それでスマホとか見だしちゃって」
ボ「なるほど、じゃあ飽きないように数えればいいわけだ?」
ツ「飽きないように?」
ボ「とりあえずものは試しだろ、俺が数えるから目閉じて?」
ツ「これ数えてもらうもんだっけ?」
ボ「だめ?」
ツ「いやお前いい奴だな頼む」
ボ「じゃあ行くよ、では良い眠りを」
ツッコミ目を閉じる
ボケ咳払い
ボ「There is one sheep」
ツ「英語なん!?」
ボ「字幕いる?」
ツ「いらんわ! そうじゃなくて! 映画じゃねんだよ! てか字幕どうやんだ!」
ボ「テプラで」
ツ「文字打ってシール出すやつ! 無理に再現しようとすんな!」
ボ「早打ち自信ある」
ツ「しかもリアルタイム打ち込み! そもそもこっち目つぶってんだから字幕見えねぇだろ!」
ボ「だめ? じゃあ万策尽きた」
ツ「尽きるの早いなまた! つーか普通に日本語で数えてくれればいいんだ! そう、吹き替え、吹き替えにしよ!」
ボ「あー、吹き替えは未対応なんすよ」
ツ「未対応なはずあるか! リアルタイムで字幕打てる奴が対応できねぇはずがねぇんだ!」
ボ「まあそう言わずに我慢してよ、英語なの冒頭だけだから」
ツ「冒頭って何!? 羊数えるだけじゃねーの!? 何匹目まで冒頭!?」
ボ「それは聞いてみてのお楽しみ、では良い眠りを」
ツ「腹立つわそのフレーズ」
ボ「There is one sheep」
ツ「うん、まあ……はい1匹目ね」
ボ「This sheep is last one in the world」
ツ「終わった! 最後の1匹じゃねぇか何だラストワンて!」
ボ「しっ、良い眠りをお客様」
ツ「お静かにみたいに使うなや」
ボ「これは、その羊が最後の1匹になるまでの物語」
ツ「英語終わった! 冒頭終わった!?」
ボ「さて始まりは2年前、羊は両親と3匹家族でした、羊の足は4本です」
ツ「待て待て待て数えろ羊を! カウントだけ234で進んでるけとストーリー性いらんのよ! そんで4が雑!」
ボ「そんな幸せな家族を陰から覗く眼差しが1対」
ツ「もはや数えるのも放棄した!」
ボ「姿を現したのは悪女に仕える執事が1人」
ツ「羊みたいに言うなや」
ボ「狙うは上質なウール、家族の命を守るべく立ち上がる父羊と一触即発!」
ツ「ウール刈られても死なないけどね! あと無理やり1何たらで終わらさんでいい!」
ボ「緊張の一瞬、羊が繰り出したるは世界中の羊による突進に次ぐ突進『どとうのひつじ』!」
ツ「ドラクエの技出ちゃった! 懐かしい!」
ボ「これ強いよな」
ツ「そうね! でも今ドラクエの話どうでもいい!」
ボ「対する執事も増援を呼び、駆け付けたるは全世界執事連盟の執事が一同!」
ツ「何が起きてんだよ!」
ボ「羊対執事! 種の生き残りを賭けた世紀の1戦!」
ツ「規模がデカい!」
ボ「緊張の一瞬! ……そして!」
ツ「……そして?」
ボ「あたり一面の棺」
ツ「死んだー! 何ならドラクエ的に死んだ!」
ボ「戦いに敗れた棺が1箱、棺が2箱……」
ツ「なんてもん数え始めてんだ!」
ボ「散った仲間と敵を数えながら歩く羊が1匹……」
ツ「重いわ! それで最後の1匹なのね!?」
ボ「そして足音がもう1つ」
ツ「は?」
ボ「手を差し伸べる執事が1人」
ツ「いらんいらんストーリー性いらん!」
ボ「1人と1匹は旅立ちます、互いに世界に残った最後の存在として」
ツ「今新たな旅が始まらんでいいのよ!」
ボ「この続きはまた明日、それでは、良い眠りを」
ツ「寝られるか! 続き気になるわ!」
ツッコミ目開ける
ボケ咳払い
ボ「……ウィーーーーーン」
ツ「……は、何?」
ボ「ィーーーン……ガチャ、ペッ」
ツ「……字幕打ってたー!」
二人「ありがとうございました!」