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聞きたい?ねぇ、聞きたい?

お久しぶりです。また書きたくなったので書きにきました。

暗い。

真っ暗で何も見え.......見えるな。

ここはどこだ?てか、どうなった?

確か彩加に穴に落とされて.......。

雪の視界には白く広い地面が映っている。

よく異世界系の小説で描かれる神の世界のような、某アニメの精神と〇の部屋のようだった。

僕を穴に落とした件の女がどこにもいないがどこに行ったのだろ.......


「っおぉー。」


彩加を探してキョロキョロと首を振るとそこには真ん中には首里城のように真っ赤な正殿のような建物が敷かれていた。左右には一〇メートルはあるだろうか、大きな門が座している。

すると、その大きな門が突然ゴゴゴォという骨の髄まで響いてくる音を立てながら開き動き出した。


「ぎゃょぇっっ」


これほどまでに立派で荘厳と言えば伝わるだろうか、圧が伝わってくる建物が突然動き出せば多少声が出てしまっても仕方がない。うん、仕方がないのだ。.......誰に言い訳しているんだろう。


「やっと目を覚ましたと思ったら、カエルの断末魔の叫びみたいな声をだして。大丈夫?転移のときに頭でも打ったのかしら。」


このための言い訳だった。


「うるさいですよ。あんなにデカい門が突然動き出したりしたら、誰だってそりゃあ声くらいでますよ。」


最初は敬語で話した方がいいなと感じていたけど、もういいよね?うるさい+丁寧語なんて本の中でしか起こらないような口調になってしまったよ。

彩加はニヤニヤと口の端を吊り上げ、目を細めこちらを見ていた。


「ふふっ、そ。それじゃあ、行くわよ。」


返しが適当すぎだろ!?なんだよ「そ」って?歩きながら時々チラチラとこちらに顔を向けニヤニヤと笑う姿を見ると無性に腹が立ってくる。ぬぬぬ.......。

やられっぱなしではいけない。そういう時は目で殺すとディス〇バリーチャンネルから教わったからな!

がるるるるーっ。

すると、彩加は雪を見たまま目を丸くして硬まり、途端に笑い出した。

あれ?負けてないか?おい!ディスカバ〇ーチャンネルどうなってるんだよ!全然殺せてないよ!寧ろ、笑わせちゃったよ。いや、〇ィスカバリーチャンネルは何も悪くない。これは確実に僕の眼力のスペックの問題だ。大英雄は

「武具など無粋。真の英雄は眼で殺す.......!」

って、言ってた!!!だから、これからも続けていけばきっと僕も目だけで相手を殺せる程の眼力を手に入れられるはず!

よって.......続行だぁぁ!がるるるるるるるーっ。

暫く歩き続け門まであと半分くらいまで来たが、流石に長すぎる。半分歩くまで一体どれだけ歩いただろうか?もう二〇分は歩いてるんじゃないか?眼力の修行も疲れないわけじゃないんだぞ!それに彩加も五分くらい笑い続けたら「もう笑い疲れた」とか言って全然笑わなくなったし、もう我慢の限界だ.......


「いつになったら着くんですか?そういえば、行き先もまだ聞いてなかったな。どこに行くんですか?」


すると彩加は振り向きキョトン顔を浮かべてきやがった。


「あれ?言ってなかったっけ?」

「言ってなかったです。」

「行き先も?」

「行き先も」

「..............あははっ!」

なにまた笑ってんだよ!?

「はぁ、もういいです。それで、あとどれくらいで目的地に着きますか?」

「ん~、このままだとどれだけ歩いても着かないよ。」


は?...................................

そうかそうか。つまり、ただの無限に歩き続けることができる最高のフィットネスジムってことだね。なるほどなるほど理解した。つまりここは筋肉ダルマ達にとって天国........................................................................

って、そんな訳あるかーーー!ここは紛れもなく地獄だ!なんだ?無限に歩き続けることができるフィットネスジムって?ジムに行ったことすらない僕にとってはただの地獄だよ!そもそもフィットネスってなんだ?フィットネスジムと普通のジムの違いってなんだよ?そもそも違うものなのか?む゛ぅ。


「んっ?ふふっ。ごめんごめん。これじゃあ分からないよね。説明するよ。ほらほら、もっと近う寄れ寄れ。」

「なんでちょっとテンション高いんですか?」

「んん゛っ。じゃあ、なんでこのままじゃ着かないのか?を説明するためにまずここはどこかを説明するよ。・・・ふっふっふ。」


彩加はニヤニヤとしながら、たっぷりと間をおいた。


「ふっふっふ。」


目は「聞きたい?ねぇ、聞きたい?」と言っているようで普通に腹が立った。


「ふはははははっ!!」


うぜぇ。ただただうざい。さっさと言えよ。と滲み出るイライラをあからさまに顔に出していると漸く彩加の口が開かれた。


「実はここは閻魔大王の御膝元天界の審判所よ!」


うん?よく聞こえないな。きっと聞き間違いだ。そんなファンタジーの世界になんて僕は来ていない。も一回聞いてみよう。


「ここはどこですか?」

「だから、天界の審判所。平たく言うと、閻魔大王の職場。」

「・・・ん?」

オーケー。一旦整理しよう。

Q1.このままでは目的地に着きません。なぜ?

A.それを答えるためにここはどこかを説明しなければならない。

Q2.ここはどこ?

A.天界の審判所。閻魔大王の職場。

なるほどなるほど。つまり、あの穴の中はあの世だったと。地球最期の日なのにその日に転落死したと。そういう訳か...............いや、どういう訳だよ!?


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