第一話 憂鬱だな・・・
初めまして。初心者がホリミヤ10巻page.70の仙石くんの家にあった『世界が終わる一日前の話の本』を書きたくて書いています。暖かい目で見てください、お願いします。
タイトルはまだ決まってないので(仮)と付いています!
その日、僕たちは、いやこの世界は終わりを迎えた。
「この世界が滅んでしまうまであと24時間となりました。」
何も変わらないいつも通りの朝にそう言い放ったのはテレビの向こう側にいるアナウンサーだった。
落ち着いた言葉で綴られたその口調にはだいぶ違和感が付き纏っている。
それもそのはずだ。あれは去年の夏頃だっただろうか。
内閣総理大臣に任命されてから一月ほどたった新米の総理大臣が会見を開いた。
そこで世界が一年後の夏に滅びる旨を全国民に伝えたのだ。全世界同時に発表が行われたそれは、世界を文字通り震撼させた。
なぜ滅びてしまうのか、というのはあまり覚えていないが、確か原因不明の新元素が生まれて、その影響で地球の中心にある核となっている物体が爆発してしまうというものだったと思う。
まぁ、テレビで放送されているのをチラッとみただけだから細かい原因を知らないのも仕方がないだろう?、ご愛嬌とさせてもらいたい。
今日は九月十四日、月曜日。仲秋。あと一年の命だった地球は調査班の誤算なのか、はたまた地球の神様の気まぐれなのかは分からないが僕達は少しだけ延命を果たしたのだ。
と言ってもそれは今日で終わりだ。
なんたって、ついに明日世界は滅んでしまうのだから。
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朝起きて学校に行くのが嫌になる所謂、億劫な月曜日というやつも今日はひと味違う。
今日は世界最期の日なのだから。当然と言えば当然だが。
世界最期の日といっても、一年も前に伝えられていれば意外と落ち着いていられるもののようだ・・・
と言いたいのだが、実際世界中はいまパニックになっている。
これもまた、当然と言えば当然だ。
だが、例外もまた存在する。
それは、白石 雪、僕だ。
自分のことを変わっていると言ってかっこつける変人ではないのだが、今日に限ってはそう言われても仕方のない。
僕は今、学校に向かっている。というのが大きな要因だろうとは思うがこれには理由がある。
三日前の九月十一日、金曜日。
鳴沢高校二年の雪は同じクラスの染葉 彩加に呼び出された。
「君が白石 雪くんかな?」
「そうですけど、なんですか?」
そう、本当になんなんだろうか。
彼女、染葉彩加は黒髪を腰に届きそうな程伸ばしている美少女?だ。
クラスでは目立つほうではなかったものの整った容姿をしており、学校の男子の間では可愛いと密かに有名なので名前くらいは知っている。
しかし、話したことはなかったはずだ。
一体何のよ.......
「あなたのことが好きよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
ん!?今なんて?
「・・・・・・そろそろ黙っていないで何か言ってもらいたいのだけど」
「・・・は?え?なんで?どういうことですか?」
「そのままの意味よ。あなたのことが好き」
「・・・え?いや、僕たちって同じクラスってだけで話もしたことありませんよね?」
そう、僕、白石 雪といきなり告ってくるという奇行を果たした彼女、染葉 彩加はもうほぼ初対面と言ってもいいほど接点がない。
性格も何も知らない相手を好きになるとはどういうことだろうか。哲学なのか?
「そうね。で、答えはどうなの?」
そうか、哲学なのか。それは答えるのには膨大な時間が掛かるな。
「・・・・・・すぐには答えられないので、少し時間をください。」
「そう、わかったわ。じゃあ、月曜日、地球最期の日にこの教室で待ってるわ。」
そう言うと彼女は踵を返し何も無かったように教室を出ていってしまった。
淡白な言葉で濃い内容を伝達された僕はしばらくその場で立ち尽してしまった。
ああ、哲学だな、哲学。分かってる、分かってる。まずは問いの確認からだ。
問 (ほぼ)初対面のクラスメイトが告白してきました。何故?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ、ふざけてられないな」
こんな理由で雪は今日も今日とて学校へと足を運ぶ。
憂鬱とはこのことなのだろう。テスト以外でそう思ったのは初めてだったとだけ言っておこう。
「憂鬱だな・・・」
口に出すのも初めてだったその言葉と白い息吐き出し、雪は家を出た。
んー、短い。もうちょっと頑張ります!
よいお年を、そして、あけましておめでとう。