カフェレストラン”イタリアーノ”
「ロゼッタ、この辺でいいかしら?」
ロッタの声が聞こえてきました。カステラはしばらく飛びながら,働くロッタを眺めていましたが。少し疲れてるのもあって、看板にとまる事にしました。看板にはカフェレストラン、イタリアーノと書かれていました。
「あんまり、外に出したらね、まあいいわね、今日はいいかね」
と店の中から声がきこえます。ロッタは汗をかきながら小さな体でテーブルをゴトゴトと動かしています。
「ロゼッタ、椅子はどするの?」
ロッタは首にまいたタオルで額を拭きながら尋ねました。
「椅子は、トムが今借りに行ってるから、あんたは料理を手伝っておくれ」
店から、何やら焦げるいい匂いがしてきます。ロッタは返事をすると店へ入って行きました。
するとパカラパカラ♪と馬車がやって来ました。御者席には、御者のおじいさんと店の主のトムが座っていました。「どおーどおー」と言うと馬車はゆっくり止まります。
「ロッタ!ロッタ!」とトムが言いました。大きな返事をして、ロッタが店から出てきました。
「この椅子を降ろしたら、ちょっとワインを何本かとジャガイモを市場まで仕入れに行っておくれ」
と言ってトムは、メモ紙と財布をロッタに渡しました。ロッタはそれを大事そうにポケットにしまいました。椅子を荷台から降ろし終わると、トムが言いました。
「こっちはもういいから、仕入れに行っておくれ、重いから馬車に乗ってお行きジャンさんには言ってあるから」
「財布落とすんじゃないよ」と店の中からロゼッタの声が聞こえます。
「はーい」と返事をして、馬の前へ行き馬の顔を二回撫でて、御者席に乗り込みました。ジャンが手をのばしひっぱり上げてくれました。「ありがとう」馬車はゆっくり走りだします。ロッタはなんだか楽しそうに話をしています。
そんなロッタを見ていたカステラも市場について行くことにしました。




