ミミズなんてたべれないんよ
「あーいっけない!もう行かないと」そう言いながら、壁にかかった鏡を見て、ロッタは髪をとかし始めました。続けて、
「カステラ、窓は開けておくからいつでも遊びにに来て。ごめんね今日は結婚式の予定が入ってて、準備があるから急がなくっちゃいけないのよ」
と身支度をすませ、階段へと向かっていきます。”ありがと”とカステラがぼそりとつぶやくと、ロッタは一瞬足を止めましたが、そのまま階段を下りて行きました。
しばらくして、クッキーを食べ終えるとこ、カステラはライトといた果物屋の屋根に戻ることにしました。
戻ると丁度、ロッタが洗濯屋の裏口から出て来るのが見えました。
”さっきカステラ!ありがとう”って言ったんだと飛びはねる姿が見ました。ロッタは街ゆく人達に”おはよう”と挨拶を交わし、2ブロック先を曲がり消えて行きました。
しばらくぼーっとしているとライトが戻ってきました。口に二匹のミミズを咥えています。ウニョウニョ動くミミズはカステラには食べものとは思えません。
「もうお腹いっぱいなんよ、ミミズはとりあえずいらないんよ、ありがとなんよ」
カステラがそう言うとライトは少し呆れて、ごくりとミミズを飲み込みました。
「それでカステラ、今日はどうするんだ」
とミミズ飲み込み終えて、ライトがカステラに尋ねました。
「とりあえず、しばらくこの辺をウロチョロして、いったんおじぃちゃんの家に戻ってみるんよ」
「そうかぁ!じゃあ俺は森に戻るから、また明日ここに来るよ」
とライトは翼を広げ戻っていきました。
カステラは街を飛ぶ”すずめ”や”メジロの仲間”や”カラス”まで、飛び交う鳥達と話して自由に飛び回りました。おじぃちゃんが言った”自由”の意味が少し分かった気がしました。
すると聞き覚えのある声が聞こえてきます。




