ベニーとレオ
「どうしよう、カステラ、こんなに沢山人がいたら、絵なんて描けないわよ」
辺りを見渡しながらロッタが言いました。物産展の中、絵を描くのは迷惑をかけてしまう様です。
「そうだ!レオの店の屋上を借りて、時計台を描くのは、どうかしら?」
ロッタはカステラの顔を見ながら言いました。レオの店は噴水の東側にのびる道の、一番手前の二階建てのこの街で一番古い画材屋さんです。
「そうよね!スタンドもついでに貰って帰れるしね。そうしよう」
すると、丁度、ロッタにかけよる少年がいました。レオです。
「おはよう!ロッタ!また絵を描きに来たの?」
レオがロッタに言いました。
「おはよう、レオ!今からあなたの店に、行こうと思ってた所だったのよ。この人だかりじゃ、絵を描くと邪魔になっちゃうから、あなたの店の屋上で描かせてもらおうと思って、ベニーさん、許してくれるかしら?」
「おはよう、レオ、おはよう」
「あっ!カステラ、おはよう!うん、大丈夫だと思うよ、今丁度、じぃちゃんも工房で額を作ってるから、ロッタの頼みを断るはずもないしね。そしたら行こう、試したいこともあるし」
「あっ!いっけねー!じぃちゃんにミルク頼まれてたんだ!ロッタ、裏口開いてるから、勝手に屋上に上がってて、じぃちゃんいるから」
そう言って、レオは物産展の人混みの中に、ロッタとカステラを置いて走ってい行ってしまいました。
ロッタが、この街に来て6ケ月一番最初に仲良くなったのがベニーとレオでした。
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