日曜日
はっと目を覚まして、ロッタはカステラを探します。カステラが窓辺で外を眺めているのを見つけると安心したのか、また目を閉じました。外はようやく日が上った感じの明るさでした。
時計台が朝の鐘を鳴らし、街が動き出す時間です。
「ロッタ、おはよう、ロッタ、おはよう」
カステラはおじいさんにしていたように、ロッタの胸にとまり問いかけました。ロッタは目をこすりながら、眠たそうに答えました。
「おはよう、カステラ」
いつもおしゃべりなロッタも朝ばかりは、口数が少ないようです。ゆっくり立ち上がり、ぼさぼさの頭をさわって階段を降りて行きました。
しばらくすると、階段をばたばたと上がってくる、足音が聞こえてきます。ロッタがクロワッサン食え、右手に牛乳と左手にもう一つクロワッサン持って上がって来ました。そしてカステラの前の椅子に座り、カステラにクロワッサンをちぎってあげると、”ありがと” 話し始めました。
「今日は、お仕事は休みだから、噴水広場に行って、絵を描くつもりなのよ、カステラも行くでしょ?おじいさんも今日は来るかもしれないし」
そう言うと、牛乳を一口飲みました。
「あっ!ごめん」
とロッタが言うと、階段を急いで降りて行きす。すぐに透明のびんに入った水を持ってロッタが戻って来ました。
「ごめんね、何も飲む物なかったね、はいこれ」
ロッタはびんの蓋に少し水を入れて、カステラの前に置きました。
「ありがと、ロッタ」
「どういたしまして」
ロッタの話を聞きながら、おいしいパンとおいしい水、カステラはとても幸せそうでした。
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