表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロッタとカステラ  作者: つーぼー
14/20

ロッタとカステラ

「おばさん、お風呂借りまーす」


「いいけど、ご飯は、食べたのかい?帰って来たかと思ったら、すぐに部屋行くから」


とハンナおばさんがズボンを伸ばしながら答えました。ハンナおばさんはロッタの母親の妹で、この洗濯屋の主のハンクの奥さんです。


「ごめんなさい、今日、友達が来てるの、今度紹介するから。ご飯はお店でご馳走になってきたの」


「あいかわらず、せっかちね」




ロッタは、お風呂から上がるとすぐに部屋にもどります。


「おじさん、おばさん、おやすみー!」


ハンクおじさんが新聞を読みながら、ロッタを見ました。それでもロッタは返事も聞かず自分の部屋に駆け上がって行きました。


部屋に戻ったロッタは、毛づくろいをするカステラを見つけて言いました。


「よかったぁ、カステラが帰ってたら、どうしよかと思ってたの」


ロッタは、鏡を見て一、二度髪をとかすと、カステラのいる机の椅子を引いて座りました。そして話し始めました。


「今日は、結婚式だったでしょ!あれから大変だったのよ、私がピザを焼いたんだけど、みんな美味しいって、注文が多くて、勿論、私は焼くだけよ。トムさんが全部、準備してたの…」


ロッタは一度立ち上がり、ぶら下がったランタンの火を机の蝋燭ろうそくに移すと、ふっと消して話を続けました。


「それでね、花嫁さんが、とっても綺麗で、可愛くてとても恥ずかしそうにしてたんだけど、花婿さんはとても優しそうで、みんな、いい人ばかりで、とにかく幸せそうだったのよ。結婚っていいなぁって…」


どうやらロッタは疲れて眠いようです。


「ごめん」


そう言って、ロッタは蝋燭を消すとベットに寝っ転がりました。


カステラは布団のかかったロッタの胸にとまります。カステラの微かな足の感触はロッタにとってとてもいいものようでした。


薄目を開けて、ロッタは言いました。


「おやすみ、カステラ」 


「おやすみ、ロッタ、ロッタ」


窓に丁度、綺麗なお月さまが上っていました。


ご意見、感想あればうれしいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ