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タルトレットの先導についていき、王子の部屋までたどり着くとドアの外に立っていたのはタフィーだった


こちらに気づくと、果音の前に来てすぐさま頭を下げた


「改めて、昨日はすまなかった。」


短い言葉だが申し訳ないと思っている気持ちが伝わってきた



「い、いえ。少し怖かったですが、大丈夫ですよ」


「怖かったか、そうか。すまなかった。だが…」


「はいはい、タフィー、王子の所に行かねばならないので早いですが謝罪はそのくらいでよろしいかと思いますわ…きちんと謝っていい子ね」


タフィーが言いかけたが、タルトレットに阻まれた。綺麗な顔でにっこりとタフィーに微笑むタルトレットに少し照れたような顔をしながら果音にもう一度向き直すタフィー


「お、おう。では扉を開けるぞ。聖女、部屋に入ったら皆と同じように膝を少し折って頭を下げてくれ」


「わかりました」


「ではいきましょうね」



扉が開き、中に入ると赤い絨毯が敷いてある豪華な部屋だった


「殿下、連れてまいりました。」


「入れ」


タルトレットが声をかけ、部屋に入る

果音の隣にはスフレが、その後ろにはタルトとマフィン二人づつ部屋に入って、大きな椅子に座っている王子の前まで歩を進める

タルトレットが歩きをとめた位置に5人が並ぶ形で頭を下げた


「頭をあげよ」


澄んだ声が部屋中に響く


頭を上げるとそこには赤が少し混じったような暗い茶色の髪に、綺麗な赤い目の青年、その隣にはサブレが立っていた



「聖女、最初に謝罪をしたいと思う。他の世界から訳の分からないまま来たというのに、この国を救う手伝いをしてくれると伺った。本当に申し訳ない、そして有難う」



まさか謝られるとは思ってもみなかった果音はいきなりの謝罪にびっくりして固まる

そんな果音を見つめた後に優しい笑顔になり綺麗な瞳がさらに輝く。



「私はこの国の王子、オペラだ。聖女、改めてこの国を救う手伝いをしてくれるか?」


「はい、私で良ければ手伝わせていただけますか?」



先程の優しい笑顔が今度は頬を高揚させた嬉しそうな笑みに変わった



「では、いきなりだが今日救ってほしい人がいるのだが、良いか?」


「はい、大丈夫ですよ。どなたなんですか?」


「一番最初に操られた者、と言った方が分かりやすいだろうか」


「確か、門番の兵だったという人ですよね」


「そうだ。何があって操られたかがまだ、こちらで調査してもわからないのだ。だからあの者に事情を聴きたくてな」


「なるほど、わかりました。」


「詳しい話はスフレやマフィンから聞いたと思う。私は聖女のように自由に相手を救うことは出来なかった。そこに居るサブレも助けることが出来なかったんだ。君はこの世界に来てすぐにサブレを救ってくれた。本当にありがとう」


「俺の女神、改めて救ってくれてありがとう」



イケメン二人から最上級の笑顔で感謝をされて、大体の女性なら顔を赤らめるだろう。

だが、イケメン耐性のない果音は赤らめるどころかどんどん顔色が悪くなる


…わぁあああすごくいい笑顔を何の心構えもなしで見ちゃった…むり、これは無理だよ…

あぁ、私なんかにこんな笑顔見せないでください…もう、息吸えない…


頭の中は忙しいほどにフル回転しているがイケメンの最上級の笑顔に息を吸うことも忘れてしまう


「ヒィ…」



声もならない声をだして固まっている果音に全員からの目線が集まる


スフレはオロオロとし、タルトは果音の目の前で手を振る



「果音?大丈夫?とりあえず…深呼吸しようね。息して」



マフィンが果音の耳元で吸って―、吐いて―と優しく声をかけながら背中を優しくゆっくり叩き、深呼吸させているとオペラがタルトレットに飲み物を用意させた

何度か深呼吸をさせて段々と落ち着いてきたところで飲み物を持ったタルトレットが部屋に戻ってきた



「冷たいハーブティーです。飲めますか?」


「うん、大丈夫だと思う、頂戴」


タルトレットからマフィンが受け取ると果音の口へと運びゆっくり飲ませた

優しいハーブの香りが鼻腔から漏れていく


「おいしい…」


「はぁ…良かった…。」


「聖女様、大丈夫でしょうか。」



全員がほっとため息をついた



「果音、落ち着いたみたいだね」


背中をゆっくりさすりながらマフィンが話しかけると、果音ははっとした表情で心配そうに見つめる全員に土下座をする勢いで頭を下げた


「み、みみみみなさますみませんでした!!!」


「いや、大丈夫だ。謝らなくてよいぞ」


平謝りの果音に目を丸くするオペラだが、驚きよりも面白さのほうが勝ってしまう

クスクスと笑いながらオペラが手を振る



「いきなりどうなさったのですか?」


「あの、なんというか、心構えができてなかったのを不意打ちでだったので…」


「なにが?」


「な、なんでもないです。気を付けます…はい」



初対面の人の前でこんなにもおかしい姿を見せてしまった果音は青から赤に変化させ両手で顔を覆った。この世界にいる間は不意打ちにも耐えられるように心を引き締めようと思う果音なのだった。

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