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「スフレ様、マフィン様、サブレ様。私呆れましたよ!聖女様の気持ちを考えてください!!」


三人を正座させて怒っているのはメイドのタルトだ


果音の叫び声が聞こえた後すぐにタルトが駆けつけた

タルトが部屋に入るとそこには果音を中心にし、指を指しながらサブレに『貴方達みたいなものが釣り合う訳がない』と怒っているスフレに、『この出会いは運命なんだ!』と力説するサブレ、果音を抱き締めながら言い合いに負けじと混ざっているマフィン、そして真ん中には顔を真っ赤にして両手で顔を隠している果音


…なんという地獄絵図…


すぐさまタルトが3人を果音から引き剥がし床に正座させて、この状況になった


「まったく!聖女様は素敵なことはわかりますが、些か興奮しすぎなのではないですか?」


「だってー!」


「可愛らしい声で甘えても私には通用致しませんよマフィン様!」


「ちぇー」


「も、申し訳ありません。聖女様。」


「女神には悪いことをした。悪かったな」


「ごめんねー。悪気はなかったんだよー果音」


「マフィン、貴方、聖女様の事を呼び捨てとは!」


スフレが果音の事を呼び捨てにしているマフィンに対してまた怒りだしそうになり、タルトがもう一度叱りつけようとしたとき、ドアのノック音が鳴った。


「スフレ、入るぞ」


低い声の長身の男性と、ふわりとした可愛らしい服を着た女性が入ってきた


「先程から声が漏れているが、何事だ」


男性の威圧感のある低い声に、果音は背筋に冷たいものが走り、固まった。

固まったのは、今までに聞いたことのない、すべての人を怯えさせるような声だったからだ。

怖いと、果音の体が全身で拒否をしている。


先程まで真っ赤な顔をしていた果音がみるみる真っ青に青ざめていることにいち早く気づいたマフィンが果音が自分の後ろに隠れるように立ち、それに気づいたタルトが果音に近づき背中をさする


「申し訳ありません。皆、聖女様が目覚められて興奮されているのです。」


「そうか、目覚められたなら何より。だが、そんな小娘に何ができるのやら。…なんだ、サブレ、お前意識が戻ったのか。」


「あぁ、この俺の女神のおかげだ。」


「ほぉ、面白い。こちらに来てすぐに意識を取り戻させるとは。出来るのが分かったのなら馬車馬のように働いてもらわないとな。」


ククッと笑う声でさえ怖い

男が果音の前に歩いてくる。手が顔に近づき目を閉じた瞬間『パン!』といい音が鳴った

驚き目を開けると先程男性と一緒に入ってきた女性が扇子で男性の頭を叩いていた


「もう!いちいち怖い喋り方などしなくても良いではないですか!怯えているのにそんな意地の悪いことをする男は嫌いですわ!」


「む、そんなことを言われてもだな。」


「『俺にいい案があるからお前は後ろにいればよい』なんてよく言ったものですわ!女性を怯えさせて青ざめているのにやめないなんて、男性としてありえないですわ!」


威圧感のある男性を前にしても堂々と自分の意見を主張している女性を見ながら、さっきまで見た光景のように感じた。

タルトが男性たちを叱っているのに似ているのだ。


「まぁまぁ、タルトレット様その辺にしといてやってください。俺の女神が訳が分からない顔をしている。」


見かねたサブレが喋りだした。


「これは、聖女様。失礼しましたわ。私はタルトレットですわ。こっちの悪役顔の男はタフィー。先程スフレに会いまして、聖女様が目覚められたこと、素質がありそうだと聞きお顔を見たいと思い参りましたの。」


タルトレットはドレスを少し両手で持ち上げながら軽くお辞儀をした。

ふと視線をタフィーに向け、ムスっと両腕を組んでいるのを見るともう一度扇子で頭を叩いた。


「子供のようにいつまでそうしているのです!」


「お前が挨拶してるのだからもう俺は何もしなくていいだろう。」


「はぁ…もういいですわ。後で王子に言わせていただきますから。」


「なっ…」


「王子はどう思われるのでしょうね。顔を見に行って、体調が良さそうなら面会をしたいと王子は言っていただけなのに、まさか怯えさせるなんて。」


「まぁまぁ、タフィーは人見知り激しい子だからこんなことしか思いつかなかったんじゃないー?」


「まぁ、マフィン様はお優しいのですね。」


「本気で果音に触れていたら僕も黙っていなかったけどね。今日はここまででいいんじゃないかなー?」


「そうですわね。では改めて聖女様。王子が会いたいと言っておられますが…、今日じゃないほうが良さそうですわね。」


未だに顔色が悪い果音を見てタルトレットは優しく問いかける。


「明日、王子に会ってはいただけませんか?」


「わ、わかりました。」


「今日は本当に加減の知らないこの男が大変申し訳ございませんでした。タルト、後で明日の予定について話がしたいわ。時間が空いたら私の所へ来てくださる?」


「はい、かしこまりました。」


「ほら、タフィー。行きますわよ。」


「あぁ。…悪かった。では」


二人が部屋を出ていき、果音の部屋へタルト、マフィン、スフレと一緒に戻った。

なかなか顔色が戻らない果音を心配し、温かい飲み物を飲ませた後、ベットでもう一度休んだほうがいいとマフィンに言われ、そのままベットに横たわるとそのまま眠りについた


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